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4月2日(月)
いよいよ4月。会社近くの桜堤団地の桜も満開を迎える。ただ、冬が戻ってきたように寒さがぶり返して、心なしか凍えているよう。開花状況と天候とカレンダーがなかなか上手く行かないのが花見の難しいところだ。ただ、通勤途中の車窓から目に飛び込んでくる桜にも、ハッとさせられることが多いもの。都内には案外たくさんの桜があるのに気付くのも、毎年この時期なんです。
「桜堤の桜も見ごろを迎えました」
というわけで、朝、出社すると動画の回収などで使っている会社の車が砂まみれなっている。すわ、誰かのイタズラか?と思ったが、どうやらこれ、この季節恒例の「黄砂」という現象らしい。中国大陸の砂漠から巻き上げられた砂が、偏西風に乗って日本全国に降り注いでいるのだが、こんなにも降るものだなんて、今年は特にひどい気がする。それにしても、こんな大量の黄砂を肺に吸い込んでも大丈夫なのだろうか。花粉の次は黄砂のせいで、鼻水が止まらないと誤解している広報部イトノンだったが・・・それもかくありなんと思わせる砂の量だった。
「昨日は、遠くの山も霞む、すごい量の黄砂でした(写真は福島県で撮影)」
いつもジブリ作品に参加してくれている原画の○○さんが来社。○○さんは「崖の上のポニョ」が楽しそうだとの噂を聞きつけたらしく、どんな感じかさっそく様子を見に来てくれたらしい。早速、出来上がっているラッシュを見てもらうと、「すごいですね~、楽しそう。こういうのやってみたいですね」とのお言葉。宮崎さんにも会ってもらうと、宮崎さんが開口一番「いつ来れるんですか?」、○○さんが少し間があって「はい、秋には」。こうして、また一人心強いスタッフの参加が決定。○○さん、秋にスペシャルなシーンを用意してお待ちしています!
今日は、出版部田居さんの??回目のお誕生日。いつものように海外事業局のマーさん手作りのケーキで、3スタ1階スタッフでお祝いをする。いくつになってもお祝いされるのは嬉しいものだが、これが手作りのケーキだとなおさら。マーさんは誰かの誕生日になると、いつもこうして手作りのケーキを両手にかかえて電車で通ってくるのだそう。ラッシユとは無縁の下り電車だから良いのだが、その様子を想像するとありがたみも2倍になるというものです。
「今回は苺タルトのようでした」
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4月3日(火)
「コツッ...コツッ...コツッ...」、ゆっくりと、だが確実に忍び寄る、不気味な階段を登る音がする。静まり返った3スタ2階の午後。「だれ!?」。制作業務部と広報のスタッフが固唾を飲んで注目していると、そこに現われたのは海外事業局のアミーだった。どうやら、書類を読みつつ説明を考えながら歩いていたために、こんな不気味な足音を立てていたらしい。「絶対、ホラーだと思った」といつも周囲の物音を気にしている西岡広報部長だった。
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4月4日(水)
不穏な天候がづづく。今週になって寒の戻りで花冷えの日が続くと思ったら、空は真っ黒に曇り怪しい感じ。そのうち雷も鳴り出し、都心ではみぞれも降ったという。花冷えどころか、季節はずれの4月の雪で、桜の花もずい分散ってしまったようだった。
「この後、土砂降りに...」
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4月5日(木)
球春到来!本日から野球部の練習が再開される。久し振りの練習の割には、確実に全員が上手くなっていることは驚き。各自の冬の間の自主トレが実を結んだようだ。長い冬が明け、今シーズンこそチーム初勝利を目指して一致団結していきたいもの。とはいえ、今シーズンは「ポニョ」の制作があるので練習は控えめにして、怪我だけはないようにしていくのが第一課題なのだが。
1スタ3階に行ってみると、ジブリの屋上庭園に鳥がたくさん来ている。スズメはわかるのだが、あとの鳥は一体?さかんに何かを食べているようだが、心当たりはない。昨夜、誰かがポップコーンでも食べたんじゃないか?と噂していたのだが、なんとも長閑な感じで心癒されるひと時だった。
「うかつなことを書くと叱られそうで種類は特定せず。どなたか教えて下さい」
(正解はムクドリでした。たくさんのメールありがとうございました)
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4月6日(金)
昼、読売新聞経済部の鈴木さんへの取材が行なわれる。いらしたのは、経済部デスクの斉藤さんと記者だ。斉藤さんは、ちょっと前まで宣伝部にも在籍した方でとてもジブリとは付き合いが深い。終わって、いっしょに食事でもということになって、桜堤団地近くの商店街へ出かけたのだが、やっぱり桜がそろそろ見納めだからか。この時期、このあたりへの出没が増える鈴木さんのお昼なのだった。
「桜堤近辺をお散歩する鈴木さんと読売新聞斉藤さん」
夜、原画の稲村さんが制作にやって来て、「席を替えてもいいですか?」と聞いてきた。どうしたのかと聞くと、「今の席が居心地が良すぎるので、気持ちを引き締める為に席を替わりたい」との事。その心意気、頭が下がります。早速、空いている席に引越しをし、猛然と鉛筆を走らせる稲村さんの背中に、自分に厳しい武士の面影をみた制作スタッフであった。
「気分一新、仕事に励む稲村さん」
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4月7日(土)
今週の木曜日から、ミッシェル・オスロ監督の最新作「アズールとアスマール」の日本語吹き替え版のアフレコが、高畑監督の演出で行なわれている。場所は、いつもの2スタの試写室とコントロールルーム。
「「キリクと魔女」のアフレコ以来の高畑監督登場」
今日はキャスティング担当のポスプロ西原さんがとても心配していた子役の子がアフレコの日。なんでも、オーディションの時にすぐに泣いてしまったらしい。そんな心配なアフレコだったが、子役の子は全く泣かずにとても可愛い演技をしてくれたようで、「可愛くて、後ろから抱きしめたくなった」と西原さんもご満悦の様子だった。
「特典映像用にインタビューや写真撮影も行なわれています」
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4月9日(月)
今週は、わたくし制作新人三吉ことサンキチがお送りします。ジブリに来て感じたことや制作現場をお伝えできればと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。
さて、ジブリのお昼休みでのことです。
今日の、天気は曇り空ではありましたが、気温は15℃。過ごし良い気候。久しぶりにカラダを動かしたくなる陽気です。早速、ジブリの近くにある公園で、美術部ホープ佐藤さんが元気っぷりを発揮していました。そんな佐藤さんをアイスを頬張りつつ眺める、PD室の内藤さんの姿が!!
二人とも満足気な様子でした(笑)
「アクティブ?に動く佐藤さん。アイスを片手に見守る内藤さん。」
桜の花は昨夜の雨でほとんど散ってしまい、地面には花びらの絨毯があちこちに敷かれている中、ジブリスタッフはごらんの通り健在です。このまま健康で病気なく、ポニョの作品づくりを進めていけるように、制作も頑張ります!
「今週の桜堤の桜の様子。ピンク色に見えるのは花が散った後の“がく”。葉も出始めました」
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4月10日(火)
今回の作品、とにかく作画内容がとても多いんです!!!!
いろいろな生き物が登場するのですが、その全てのキャラクターに性格があり個性があり、大変なのだけれどもひとつひとつが愛くるしいから憎めない。そんなキャラクターばかりが登場します!作画スタッフも、ひとつひとつを追って描くことに、多大な集中力を持って望み、毎日夜遅くまで頑張っています。
「大変であればあるほど、やりがいのあるカットだから、画いている時は辛くても、やり終えるとすごく楽しい」と清々しい笑顔で語ってくれる作画スタッフ。
「あぁ~、私も絵が画けたらなぁ。」と羨ましい気持ちでいっぱいです。
まだまだ、ポニョの制作は始まったばかり!
それぞれに個性を持って生きているキャラクターたちを、劇場で楽しんでいただけるよう、現場では日々作品づくりに没頭中です!
「毎日、本当にお疲れ様です」
生物係の演助清川さんが、おたまじゃくしを持ってきてくれました。
おたまじゃくしの数は、ざっと70匹ちかくはいるのではないでしょうか?
数匹ならば可愛い気がしますが、このすべてがカエルになると思うと・・・。
しかし、ジブリにはカエル好きが沢山います。それぞれの机にカエルの置物をよく見かけます。不思議と目に付いてしまうほど、なぜか存在感があるんですよね。
しかも、緑色だからなんだか癒されますし(笑)
カエル好きの某スタッフは沢山のグッツを持っているそうで。何でも、自然とカエルが集まってきてどんどん増えていったそうです。
そのほんの一部??を見せていただきました!
「某スタッフのカエルちゃんたち。いろいろあるのですね!」
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4月11日(水)
ポニョの制作は順調!?ではあるのですが、制作部では、今までとは違う作風に期待と不安が入り混じる中、強い味方である原画を担当してくださる○吉さんが合流してくださいました。それにより、制作の三吉の吉と原画○吉さんの吉で、合計四つの吉がジブリに存在することになります(笑)
「あとどれくらいの吉が必要になるのかなぁ」と話していると、制作部長の渡邊さんが、「この際、三吉は百吉いや、万吉に改名しちゃえばいい!!」とのお言葉が・・?!
ひょえー!!!と思いつつ、それでポニョの制作がスムーズに行くのならば、それも有りかも!?と密かに思うサンキチでした。
「最近、急な雨が多いですね。気象が不安定な4月です。」
ここで、“ぶたぶ”からのお知らせです。本日第3回ぶたぶの会合が行なわれました。場所は、吉祥寺の李朝園です。詳しい活動報告は、“ぶたぶ”のブログに長澤さんがあげてくれたので、部員は必ず参照するようにしてください。次回の会合は5月を予定しています。以上。
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4月12日(木)
まだまだではありますが、初めの頃よりは線の持つ個性が分かり始めたように思います。動画を担当させていただいていますので、嬉しいことに沢山の動画さんの画に触れることができます。それは、ジブリだけではなく、外注のスタッフの方々など幅広く接する機会があるため、画かれた方の想いや気持ちが画に表れており、感じるものがあります。
いつかはもっと極めて、カットを見ただけで誰が描いたものかが分かるほどに、いやもっと、健康状態まで分かり気遣うことができるまでになれればと思います。
ちょっとやそっとでは習得できそうにないですが・・(汗)
何でもそうですが、モノを作るということは、その人の人柄が表れてしまうものですね。
だからこそ、同じキャラクターを描いているようで、実は様々な想いによってそのキャラクターは幾ばくにも変化し命が吹き込まれているのだと思います。
私は、そのような動画に真っ先に触れることができ、本当に有難いことだと感じています。
「今にも動き出しそうな色鉛筆たち、動画さんの頑張りが見えます。」
今日は、ベル部の練習日。ポニョ制作中ではあるのですが、ちょっとした息抜きになればと思い始めました。しかし、一息つくつもりで始めたベルですが、意外と頭をとても使うんです。楽譜を追いかけながら受け持ちの音を気持ちを込めて鳴らすことは、結構難しいのです。
そして何故か練習の際は「猫語」で音確認が始まります。
「にゃにゃ♪にゃにゃにゃ♪にゃにゃにゃ♪」のように唄いながら・・・。」
ちょっと異様な空気が流れています(笑)
部員の皆さんは常に楽譜とにらめっこで演奏していますが、きっと余裕が出てくれば、笑顔を見せながらの演奏が出来るはずです(期待)
練習時間は1時間なのですが、ちょうどいい気晴らしになっているようで嬉しいです。「もっと練習したい!」という物足りなさを感じながら、また机に向かって何事も無かったかのように仕事を始める作画の皆さん。その集中力と切り替え方の素早さ、さすがです!!!
「ベル部に入れず、ふてくされて寝転ぶシャチ。もしかしてご機嫌ナナメ?」
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4月13日(金)
ジブリには、またも新しく部が誕生しました!その名も「ビリー部!」
ビリーという方が開発した、普段使わない筋肉を引き締める体操を行う部です。
早速、見学のために扉を開けてみると・・・
画面のビリー先生に合わせて、軽やかにカラダを動かしている部員の皆さんの姿がありました!時々、ビリー先生が「諦めるな!」と励ましの言葉があるなど、見学しているだけで楽しかったです。皆さん、それぞれ自分の引き締めたい箇所を意識しながら頑張っているようで、朝から清々しい汗をかいておられました。何だかキレイオーラが部員の皆さんのカラダから出ているようで、見ていてこちらも気持ちが良かったです。
「必死にビリー先生についていく部員の皆さん。」
本日は、午後4時より2回目の「ポニョ」のラッシュが行われました。
ラッシュでは、もちろん音がまだ入っていないのですが、キャラクターが動く度に
音も一緒に聞こえてくるような気がします。
ラッシュの感想は、きっと、スタッフさまざまに想いを巡らしていることでしょう。
その熱い想いをどんどん作品に込めていき、よりよいものに仕上げていく為にも、
ラッシュは、スタッフのモチベーションを高めてくれる大事なものになっています。
(ここから少しだけ、いつもの担当者がお伝えします)
鈴木さん関係の話題をひとつ。ぴあで連載中の「としお写真日誌」がついに最終回を迎えることに。というのは、担当の浅岡さんが異動になるからなのだ。テーマは最終回に相応しく、「最後の授業」。鈴木さんが先月訪ねた母校での授業の様子がテーマなのだが、実はこれは14日に放送されたNHKの「課外授業ようこそ先輩」でのひとこま。教師になるのが夢だったと語る鈴木さんに、さもありなんとうなずくスタッフも多いはず。そういえば、この連載の取材もなんだか、編集者やライターさんに対する授業みたいだったと改めて思う筆者だが、場所を変えてでも連載復活して欲しいと願うのは筆者だけではあるまい。とりあえず、この日の取材は、5月10日発売のInvitation6月号で。
「画像を送ってくださいよ!しつこく鈴木さんに食い下がるのも担当者の役割です」
夜は、美術館ライブラリー劇場公開第2弾となるミシェル・オスロ監督の「アズールとアスマール」の日本語字幕版試写と製作委員会が催される。配給に協力してくださるスタッフや宣伝スタッフが集まったのだが、スクリーンで見る映画は、その美しさと面白さで圧倒的であった。人種とか差別の問題も扱っていて、たまたま別件で来社していた日テレのスタッフの女性が見ていて、感動して涙を流していたのが印象的だった。是非、一刻も早く皆さんにも観ていただきたいと強く思う筆者である。(ここまで、いつもの担当者筆)
「試写を待つ人たち。みなさんのおかげで、一本の映画が世の中に伝えられて行くのですね」
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4月14日(土)
毎日、遅くまで頑張るスタッフに声を駆け回る、宮崎監督。宮崎さんだってきっと疲れているに違いないのですが、こんな新人サンキチに対しても、心配りをしてくださいます。
宮崎さん:「サンキチ君、今日も笑顔ですね。でも、いつ笑顔が消えてしまうかな?ここは、吸い取り紙のように吸い取ってしまいますからね〔笑〕」
サンキチ:〔心の中で〕いやぁ。吸い取られないようにしなくては。〔笑〕
さて現場では、劇場で楽しみに待ってくださっている方々の為に、今日も頑張っています!!!!!! 来週の制作日誌の担当は制作仲澤さん!
しかし、仲澤さん、自分は書いてもいいけど、俺のマネージャーが書かせてくれないんだよね!と何やら意味不明な発言をしています・・〔笑〕
ならば、早速マネージャーさんに交渉してみます!って誰なんだろうマネージャーって・・。
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4月15日(日)
今日は、制作伊藤郷平の結婚式が立川の某結婚式場で行われました。いつもはクールに構えている郷平も、今日はやたらと緊張してにやけていたり、歩き方が変だったり、そうかと思えば感極まって涙を流したりと、普段、あまり会社では見せない顔を見せていました。
ジブリからも多数が出席し、披露宴は鈴木さんの挨拶から始まり、渡邊さんの挨拶では、郷平からリクエストされていた“愛のメモリー”を熱唱するミュージッククリップと、本人に内緒で制作していた “イトー戦記”予告編の上映が行われ、大いに盛り上がりました。
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4月16日(月)
先週スイスに旅行に行っていた山下さんがお土産を持って出社する。さすがに外国のお菓子、見慣れないお菓子が並んでいるなか、不思議な飴を発見。どうやら舐めているうちに、8通りの味に変わっていくらしい?社内でもいろいろな人が舐めてもらったのだが、アニスと言う身体に良い薬草が入っているらしく非常に癖のある味で、あまり評判はよくない。
パッケージに載っている花がどんな効果があるのか、パソコンで調べている作画の人もいるのだが、そもそも書かれている言葉が何語なのかわからない文章なので、全然解読ができないまま、そのうちお蔵入りになってしまった。海外事業部に見せにいけば良かったかなと、少し後悔した某スタッフであった。
「8種類のアニス?!どの花がどのような効果のある薬草なのか。どれも身体には良いのだろうが...」
朝、3スタに出社してみると、出版部にあった受付の棚がない!おかげで、こんな開放的な状態に。というのは、社内に出来た新しい秘密の部署のスタッフがこれから続々と机を並べることになるからだ。これからにぎやかになるのは楽しみだが、あの棚は一体どこへ?風通しが良くなって、これが冬だったらさぞかし寒かったことだろう。夏で良かった。
「出版部と秘密の部署の様子」
広報部にあるホワイトデーで海外事業部のオッチーからもらった鉢植えの花が咲く。水をちゃんとあげてていれば、咲くもんだなぁとしみじみ思うが、誰もこれがなんという植物なのかわからない。結構きれいな花だったので、知りたいと思うのだが。みなさん、情報あったら、送ってください。
「誰か教えてください from広報部」
(情報をいただきました。「キャットテール」だそうです。浜田さん、ありがとうございました)
電通の新人さんたちが、社内研修の一環で鈴木さんの話を聞くためにジブリを訪問する。鈴木さんは、特別ゲストとして、同じ広告代理店の先輩である博報堂DYMPの藤巻さんをゲストに登場させるという予想もしなかった禁じ手に出る。ライバル会社の電通さんの前ということで嫌がっていた藤巻さんだったが、大先輩の広告マンとしての生き方の訓示を、新人さんたちにおもしろおかしく話していた。ただ、そのトークもだんだんと「藤岡藤巻」のライブトークのようになり、説教や訓示というよりはネタと化していたのが楽しかったのだが。「金曜日のライブ、受付でジブリと名を出してくれれば、入れるようにしておきますから」とライブの動員にも余念がなかった。
「藤巻さんを紹介する鈴木さん」
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4月17日(火)
ジブリでは野球部やベル部など、さまざまな部が立ち上がっていますが、美術の武重さんと制作慎太郎でバスケ部を立ち上げたいという話が出てきている。と言っても、1年位前から話が出てはいるのだが、バスケット人口が少ないためなかなか活動できない悲しい現状が続いている。人数は少なくてもいいから一度やりに行きたいのだが...。いずれは人数を増やして体育館で試合をしたいねとしみじみ思う2人なのであった。バスケ好きの社員の皆さん、2人はいつでも待ってます!
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4月18日(水)
本日「ポニョ」の動検済みカットの原画を整理する。動画チェックの舘野さんのチェックした動画を仕上げ作業に回す時、カット袋内の原画は仕上げ作業では必要がないので(一部を除き)、別の所に保管しておかなければならないのだ。基本的にダンボールに保管することにしているのだが、トータルで1000カット前後になるのでダンボールで10箱以上になり、毎回制作部の倉庫に保管しておくのだが、毎回の事なのだが場所がない・・・。同じように撮影済みカットや背景も制作の倉庫に保管しなくてはならないので、毎回制作部では同じ時期に倉庫の整理に追われるのである。
「いずれは倉庫一杯にダンボールで埋め尽くされるのだが、それまでの道のりはまだまだ長い」
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4月19日(木)
毎月、作画部と美術部のスタッフは作業ノートの提出が義務付けられている。自分が何枚書いたのか、カットをいつ上げたかなどその日の作業内容を記入しているのである。制作としては個人の進行状況がわかりやく書いてあり非常に助かっているのだが、提出するスタッフの立場に立ってみると、自分の作業量や休み等を各部の担当に見せなければならないので、あまり気乗りするものでは無いのでは、と思う制作慎太郎であった。
「ゲド戦記」の音楽に参加していただいた世界的なミュージシャン、カルロス・ヌニェス氏と、音楽担当の寺嶋民哉氏、そして吾朗監督のトークショーがタワーレコード新宿店で行なわれる。とにかくカルロスは人懐っこくて笑顔が素敵な人だった。彼に会ったひとは一目でファンになってしまうだろう。まさに「ケルトの貴公子」の名が相応しい。ジブリの社員も思わずCDを買って、サインの行列に並んでしまうほどだった。また、最後にちょっとだけ披露したパイプの演奏が素晴らしくて、本当に5月9日のNHKホールのコンサートが楽しみになったひと時だった。
「恍惚とした表情でパイプを吹くカルロス。すごい。」
「サイン会の様子。笑顔が素敵ですね」
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4月20日(金)
毎日夜遅くまで作業をしている美術監督の吉田さん、今日も遅くまで作業に没頭しています。「ポニョ」は舞台が海なので、当然のことながら背景で使う絵の具は青がベースになります。美術部では毎回毎回絵の具で海の色を作るのが大変なので、基本になる海の色を一度にビンに大量に作っているそうです。いろいろな工夫をしているんですね。
「吉田さん愛用の「ポニョ」深い海の中色。シーンによって薄めたり濃くしたり、ベースになっているのはもちろんこの絵の具」
また、吉田さんの机の上は絵の具やら色鉛筆が散乱しています。道具もいろいろとあって、普段小学生が使うような色鉛筆やクレヨンもあれば、背景を描く人が専門的に使うクレヨンなどもあって幅も広く、使い分ける事が重要なんだそうです。その成果は、本編をお楽しみに。
「クレヨンだけでも2~3種類あります。いろいろと状況によって使いわけています」
「やはり机の上は青が目立つ。雑巾も青に染まり当然水も水色に濁り・・・ここまで極端だと写真を撮る為に準備をしたとしか思えないですね(^^ゞ」
今日は、ジブリのネコたちを見かけないなーと思ったら。こんなところに。暖かくなって活動範囲が広がっているようです。
「近くの駐車場の車の下でくつろぐウシコ。轢かれないようにねっ!」
今日は、SHIBUYA-AXで藤岡藤巻のライブが催される。ジブリからも応援半分、冷やかし半分でかなりのスタッフが会場に駆けつける。初めてライブを見に行ったのだが、藤巻さんのトークは絶妙だったし、藤岡さんの負のオーラはすごかった。スポンサーのKUREからはお土産をいただき、抱腹絶倒の2時間だったし、誰もが満足して帰った一夜だった。これなら、年末の武道館ライブもまんざら夢ではないかもしれない。ところで、事前にセカンドアルバムを聴き込んでこの日に備えた野中局長は、新曲が歌われなかったことをとても残念がっていたらしい。また、シークレットゲストの里田まいを生で見られて喜んでいたのは、西岡広報部長だったという。
「ライブの様子を隠し撮りしたが、だれからも注意を受けなかった」
「鈴木さんが、一番楽しそうだったみたい」
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4月21日(土)
今週初めは天気に恵まれず雨が多かった東京、今日はひさびさの晴天に恵まれ、絶好のお出かけ日和。こんな日は屋上に作業の手を止めて息抜きにくる社員も多い。風があまりに気持ちいいので、ふと屋上に出て見ると、足もとに何やら怪しい箱が三つ。よく見ると「かぶと虫 飼育中」と書かれている。どうやら屋上で誰かが育てているみたいだが、その誰かが謎。社内でいろんな人に聞いて見るものの、誰も知らない様子。誰か知ってる人がいたら、教えてください。連絡は制作の慎太郎まで。
「まだ幼虫らしい。立派なカブト虫になって欲しいものだ。 by慎太郎」
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4月23日(月)
毎週月曜日は「ポニョ」のグラフの更新日。先週の各部の実績を更新していく。作画inから約半年、ここまでの実績はというと、
レイアウト...(552cut)
原画......(290cut)
作監......(200cut)
動画......(161cut)
美術......(210cut)
仕上げ.....(151cut)
撮影......(115cut)
「ポニョ」のスケジュールは1000カットで立てている。もちろん絵コンテが最後まで上がっていないので最終的にはわからないのだが、これまでの作品では制作の予想はことごとく裏切られており、最終的には何カットになるやら・・・。グラフ更新中そんな事を考えると、まだまだ先は長いと痛感する制作なのである。
この日の夜、吉祥寺で、ジブリにこの春立ち上がった“秘密の部署”に配属になった宮坂さんの歓迎会が催される。宮坂さんは、子供が好きで、結構たよれる姉御タイプのニューフェイスだ。これから、とても大変だろうけれども、一所懸命、がんばって欲しいものです。ジブリの将来は、みなさんの手にかかっているのですから!
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4月24日(火)
「ポニョ」の制作ノートを整理する制作渡邊さん、毎日数回に分けてノートをチェックしPCのカット表に更新しています。毎回ノートを見るたびに思うことがあるようだが、今作品枚数が非常に多い・・・。現在原画上がりの合計枚数が36647枚、カット数が290カット!!!!つまり、1カット平均が120枚前後もある・・・。
1カット700枚や1000枚越えなど、過去の作品では有り得なかった枚数のカットもちらほら出てきているようで、果たしてどのような仕上がりになるのかが楽しみな所なのだ。
ただ、今作品ではこの枚数が当たり前になってきているのが怖い所。果たして来年夏に公開できるのかと、不安がよぎる・・・。いや、なんとしても公開させなければいけないのだが。
「ポニョ撮影済みカット袋。6カットで、枚数767枚!!!」
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4月25日(水)
東小金井の駅前についに、本格的な本屋さんがオープン。その名は「ブックス・キャロット」。1,2階が本屋さんで、3階がレンタルショップという本格的なつくり。これまで、東小金井には、駅の南側に小さな本屋さんが2軒あるくらいで、ここまで大きな本屋には車で出かけないと、たどりつけなかったのだ。東小金井といえば、これまで銀行と本屋がないのが本当に不便だったわけだが、そのひとつが本日解消したのである。いやあ、めでたい。「駅前のキャロット行きました?東小金井に似合わないくらい立派ですよ」と、制作業務の川端さんもちょっと興奮気味だった。
「本日オープン。いつまでも頑張って欲しいものです。」
実は、この日の朝から、広報部に机さんが産休明けで復帰する。これまで数々の面白エピソードを提供してくれたクイーンの復活で、3スタ2階も、ますます明るくなることだろう。これからおころであろう面白エピソードは随時この場で報告いたしますので、お楽しみに。
「復帰した机さんと、ついでに36歳の誕生日のイトノンを祝うケーキ」
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4月26日(木)
5月9日に開かれるコンサートに出演するカルロス・ヌニェスさんがジブリとジブリ美術館を訪問する。ジブリでは、鈴木さんたちと歓談したあと、「ゲド戦記」の英語字幕版を鑑賞。とても楽しんでいた様子だった。ところで、西原さんの話によるとカルロスはニシヤンに会うなり、「You are fantastic!」を終始連発していたとかで、スペイン男性の情熱的な一面を見せていたのだとか。いやあ、モテル女は大変です。
「カルロスさん、鈴木さんと歓談中。バーにて」
原画の稲村さん、今日もサイクルウェアに身を包みビシっと決まっています!しかし、後ろにでっかいタケコプターが???
いやいや、実は修理に出していたタイヤだそうです(笑)。それにしても、このままの格好で宙に浮いてしまいそうな勢いですね。
「競技に出るために日々特訓。仕事もプライベートも充実しています」
夜、五反田イマジカの第一試写室で、美術館ライブラリー作品としてこの夏公開予定の「アズールとアスマール」の日本語吹き替え版初号が上映される。高畑監督が演出を務めたこの吹き替え版は傑作で、もう文句なく素晴らしかった。特に、シャムスーサバ姫役の子役の演技とクラプー役の香川照之さんの演技は群を抜いていたと思う。上映後には「アスマールが日本語をしゃべっただけで、(感動で)どっと涙があふれた」と語る広報部長を、「ばっかじゃない」と一蹴する海外事業部長の姿もあったのだが、どちらが正しいかは、皆さんの目で確かめてほしいものです。
「特典映像用の取材も並行して行なわれています。高畑監督と鈴木さんと整音の井上さん。」
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4月27日(金)
本日は「ポニョ」のラッシュ上映が行われる日。今日のラッシュは30カット。まだラッシュは3回しか行なわれていないが、毎回、作画のスケールに圧倒される。某キャラクターが出るカットでは、歓声が流れる程である。これを映画館の巨大スクリーンで上映するとどうなってしまうのだろうか。一刻も早くお客さんの反応を早く見てみたいと思う一方、「映画館で客として見れたら幸せだよね、作る方は不幸せだけど(笑)」と、冗談かホンネかわからない会話を交わす制作の伊藤さんと慎太郎なのであった。
「ラッシュ上映前の試写室。ワクワク感が高まります」
ラッシュは都合2回上映される。1回目はメインスタッフや作画スタッフ中心、2回目は、映像部や事務系スタッフ中心。「ポニョ」はスタッフにとっても本当に楽しみな作品なので、50席ばかりの試写室は毎回立ち見となるほどの盛況となる。今回の特徴としては、ラッシュが上映されると、まだ音も台詞もないのに、毎回決まってスタッフの間で笑いが起こること。動きだけで笑いが起きるというのは、本当にすごいことではないだろうか。とんでもない傑作の予感...?ただ、今日一番受けていたのは、ボソッと聞こえた「私にも描けそう」という海外事業局の武田さんのつぶやきで、試写室中が思わず大爆笑につつまれてしまった。
というわけで、2007年4月の日誌を終わります。天候が不順な4月でしたが、着実に季節は進行し、桜に替わって新緑の緑が目にもまぶしい、今日この頃です。来月は、はたして、ジブリの中で何が起きるのやら、楽しみでもあり、不安でもあり...。
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