映画監督宮崎駿の作品の特徴の一つに、“見終わったとき、前よりちょっぴり元気になっている自分がいる点”があげられる。想像力の産物がもたらした荒唐無稽な世界の中で、見ている自分が物語の主人公になりきり、思う存分に動き回った気分になる"漫画映画"こそが、宮崎駿監督の作品の源点であり、根本を成すものだろう。
本展は、その様相が最も強く表れている、宮崎駿監督の初監督作品である連続テレビアニメーションシリーズ『未来少年コナン』(1978年)を紹介。全26話の中に描かれた“漫画映画の魅力”力”を2つの展示室にて、ストーリーや登場する機械類、創作過程で描かれた設定資料やイメージボードなどを用いてひも解いていく。一本の映画のように作られた"底抜けに面白くて楽しいアニメーション作品”『未来少年コナン』から、元気の源が明日への一歩に変わる瞬間を展示室で味わってほしい。
