文档:The End of the World/专辑解说

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アルバム『The End of the World』に寄せて
有关『The End of the World』专辑
鎮魂の鐘で始まり、希望の鐘で終わる──。2015年8月に開催された久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(以下、W.D.O.)の全国ツアー(以下、W.D.O.2015)と、その演奏曲を完全収録した本盤『The End of the World』の内容を要約するならば、ズバリその一言に尽きる。戦後70周年という特別な年にふさわしい、練りに練られたプログラム。ただし、そこにたどり着くまでは、約1年にも及ぶ準備期間と、絶え間ない試行錯誤の繰り返しを必要とした。
从镇魂之钟开始,以希望之钟结束——。本专辑收录了2015年8月举行的久石让&新日本爱乐WORLD DREAM交响乐团(以下称W.D.O.)的全国巡回(以下称W.D.O.2015)演奏会中的所有演奏曲。要简单介绍这张专辑『The End of the World』,用开头的那句话就能说明一切。适合战后70周年这样特别的一年,经过深思熟虑而排出的曲目。但在完成前,他们需要1年的准备时间,来反复地尝试错误。
2014年、すなわちW.D.O.結成から10年目の節目の年、久石は3年ぶりのW.D.O.のコンサートを指揮した。「ジャンルにとらわれず魅力ある作品を多くの人々に聴いてもらう」という結成当初からのコンセプトはそのままに、10年の間に飛躍を遂げたW.D.O.はポップス・オーケストラというカテゴリーの枠を大きく越え、”本物の音楽”を志向するオーケストラに成長していた。しかもW.D.O.は、日本人にとって特別な意味をもつ夏-広島・長崎の原爆投下と8月15日の終戦記念日を含む夏-という季節に限定してコンサートを開催する。そこで久石は、W.D.O.2014のテーマを「鎮魂の時」と位置づけ、クシシュトフ・ペンデレツキ作曲《広島の犠牲者に捧げる哀歌》、J・Sバッハ作曲《G線上のアリア》、それに太平洋戦争に関連する久石の映画音楽作品-アルバム『WORKS IV』にも収録されている《ヴァイオリンとオーケストラのための「私は貝になりたい」》《「風立ちぬ」第2組曲》《小さいおうち》の3曲-を演奏した。このW.D.O.2014の演奏会は大きな反響を巻き起こし、演奏終了直後、久石は聴衆の前で翌年のW.D.O.ツアー開催を宣言した。久石とW.D.O.が提示したメッセージが見事に伝わり、これまでになかったようなシリアスなプログラムでも聴衆に受け入れてもらえる、という確信が得られたからである。
2014年,也就是W.D.O.组成第10年的重要时节,久石暌违3年再次指挥了W.D.O.的演奏会。「不局限于那个类型的音乐,想让充满魅力的作品被更多人听到」保持着他们组成当初的原则,10年来持续活跃的W.D.O.,大大超越了Pops·Orchestra这个音乐范畴,成长为以“真正的音乐”为志向的交响乐团。而W.D.O.在对日本人有特别意义的夏天——包含了在广岛·长崎投下原子弹的日子与终战纪念日8月15日的夏天——会举行季节限定演奏会。久石将W.D.O.2014的主题取为「镇魂之时」这个位置。演奏了Krzysztof Eugeniusz Penderecki作曲的《献给广岛牺牲者的哀歌》,巴哈作曲的《G弦之歌》,再加上与太平洋战争有关的久石电影音乐作品——收录在专辑『WORKS IV』中的《为了小提琴与交响乐团的「我想成为贝壳」》《「起风了」第2组曲》《小小的家》等3曲。这场W.D.O.2014造成热烈的回响,在演奏完之后,久石在听众面签宣布隔年将举办W.D.O.巡回演奏会,久石与W.D.O.想确实地传达他们的意念,像这样以往没有的严肃节目单也能受到听众喜爱接收,他们确信了这一点。
その翌月、久石は30年来の夢だった「現代のすぐれた音楽を紹介する演奏会」、すなわち「Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE」第1回演奏会(MF Vol.1)を開催し、かねてから彼が敬愛するホーリー・ミニマリズムの作曲家、ヘンリク・グレツキとアルヴォ・ペルトの作品を演奏・紹介した。祈りに満ちた彼らの音楽は、第2次世界大戦のホロコーストの悲劇や、冷戦時代の恐怖政治の抑圧と密接な関わりを持っている。ゴレツキとペルトの演奏は、来たる2015年にやってくる戦後70周年を久石に強く意識させることになった。
次月,久石实现了他30年来的梦想「介绍现代优良音乐的音乐会」,也就是举行了「Joe Hisashi presents MUSICFUTURE」第1回演奏会(MF Vol.1)这件事,在演奏会上,他演奏并介绍了自己一直敬爱的圣灵低极限主义的作曲家,葛瑞兹基,亨里克与阿福·佩尔特的作品。他们充满了祈祷的音乐,与第2次世界大战的大屠杀悲剧及冷战时代恐怖政治的压抑有密切关系。葛瑞兹基与佩尔特的演奏,让久石让强烈意识到2015年将是战后70周年。
MF Vol.1の演奏会が成功裏に終わったその夜、久石は早くもW.D.O.2015の実現に向けて構想を練り始め、プログラムのテーマを「祈り」とする基本方針を固めた。ツアー開催地には、久石の強い希望で広島と仙台が含まれることが決まった。言うまでもなく、2015年の原爆投下70周年と、2011年東日本大震災から立ち直りつつある東北地方を意識しての決定である(奇しくも広島公演は、8月6日の原爆の日に開催されることになった)。その際、久石が強調していたのは「単に”追悼”や”鎮魂”を掲げるのではなく、そこから先の未来に向けたメッセージも伝えなくてはならない」という点だった。それが出来なければ、W.D.O.は真の意味で「ワールド・ドリーム」を名乗る資格がない──そのような強い決意のもと、久石はW.D.O.2015のプログラミングに着手した。
MF Vol.1成功结束的那晚,久石很快地就开始为了W.D.O.2015的实现构想,将节目主题订为「祈祷」,固定了基本方针。巡回演奏会的举办地点,由久石的强烈意愿,加入了广岛及仙台。不用多说,这是意识到2015年的原子弹投下70周年及2011年的东日本大地震所做的决定(凑巧的是,广岛公演刚好业在8月6日,原爆之日当天举行)。那时,久石强调的是「不只单纯要“追悼”及“镇魂”,台必须传达走向未来的意念」这一点。如果不能做到这点,那么W.D.O.久没有资格称为「WORLD DREAM」道个名字了——带着这样强烈的决心,久石开始着手进行W.D.O.2015的节目单。
プログラムの中で最初に決まったのは、《Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015》である。久石の映画音楽作品、特に宮崎駿監督作品のための音楽は、日本のみならず海外でも演奏頻度が飛躍的に高まり、ここ10年は久石以外の指揮者に演奏を委ねる機会も増えてきた。そこで久石は、宮崎作品のオーケストラ譜を完全版(Definitive Edition)の形で整え、W.D.O.で順次初演していくという計画を立てた。その先陣を切る作品としては、やはり『風の谷のナウシカ』がいちばんふさわしい。宮崎監督と久石が初めてタッグを組んだ記念すべき第1作という歴史的意義に加え、『ナウシカ』が描いている”破壊と再生”というテーマがW.D.O. 2015のプログラムにふさわしいと、久石は判断した。
节目单中最早决定的是《Symphonic Poem "NAUSICAÄ 2015》,久石的电影音乐作品,特别是为了宫崎骏导演作品而作的音乐,不只日本,在国外也以相当高的频率被演奏,这10年来也增加了许多久石以外的指挥者所指挥的演奏机会。而久石在这样,将宫崎作品的交响乐谱整理为完全版(Definitive Edition)的形式,立下了带W.D.O.照顺序演出的计划。而打头阵的作品,当然最适合的就是《风之谷》了。有着宫崎导演与久石初次合作的第1作这样的历史意义『娜乌西卡』描绘出的“破坏”与“再生”这个主题很适合W.D.O.2015的节目单,久石如此判断。
では、他の曲をどうするか? どうしたら、戦後70周年にふさわしく、かつW.D.O.らしいプログラムを組み立てることが出来るか? ここから、久石の長い格闘が始まった。ある段階では、第2次世界大戦の戦没者や犠牲者のために書かれたクラシック曲、あるいはもっと広い意味で”追悼”をテーマにしたクラシック曲なども、演奏の可能性がかなり真剣に検討された。しかしながら、W.D.O.は既存の常設オーケストラと異なり、クラシックだけを演奏する団体ではあに。レクイエム(鎮魂ミサ曲)のような作品ばかり並べた”追悼演奏会”にしたのでは、W.D.O.らしさが失われてしまう。そうは言っても、W.D.O.2015はヒロシマと東北に向けたステートメントをきとんと伝えなくてはならない──。このような雁字搦めの状況の中、ありとあらゆる可能性が候補に挙がり、また破棄されていった。
那么,其他歌曲该怎么办呢?要怎么做才能适合战后70周年,又能排出很有要W.D.O.风格的节目单呢?从这儿开始是久石漫长的格斗。在某个阶段,认真的讨论过要演奏为了第2次世界大战的战死者及牺牲者写下的古典乐曲,或是以更广泛的意义来解释“追悼”,以其为主题选出演奏的古典乐曲。但是W.D.O.与既存的常设交响乐团不同,不是只演奏古典乐曲的交响乐团。如果是一场只演奏许多安魂曲(镇魂弥撒曲)的“追悼演奏会”,就会失去W.D.O.的风格。但是,W.D.O.2015必须向广岛及东北确实传达他们的声音——。处于这样的困境中,他们举出了各种可能性,然后又放弃。
そうした中から生まれてきたのが、久石が2008年に作曲した《The End of the World》を、W.D.O.2015のプログラムの中で演奏するというアイディアである。もともとこの作品は、久石が2001年同時多発テロ(9.11)に着想を得て作曲したといういきさつがある。そして、W.D.O.のテーマ曲である《World Dreams》も、久石が9.11を強く意識して作曲した作品だ。原爆投下70周年と東日本大震災、これだけでも非常に大きいテーマであるが、久石はそこに9.11を加えることで、戦後70年のあいだに我々日本人が何を体験し、何を感じてきたか、その重みを世界全体の普遍性の中で捉え、《The End of the World》に集約して表現しようと考えた。そのアイディアと軌を一にする形で、東北に向けた新作をW.D.O.2015で演奏するというプランも生まれてきた。久石が《祈りのうた》を作曲したのは、そのプランが生まれてからすぐのことである。
在这之中决定了要将久石在2008年作曲的《The End of the World》,加入W.D.O.2015的演奏节目单中。这首作品本来是久石以2001年的同时多处恐怖攻击(9.11),所得到的感触而写下的乐曲。另外W.D.O.的主题曲《World Dream》也是久石对于9.11的强烈意识而写下的乐曲。原子弹投下70周年与东日本大地震,单就这两件事来说也是非常宏大的主题,久石又在其中加入了9.11这个题目,战后70年的时光中,日本人到底体验了什么,感受了什么,在全世界的普遍性中捉摸这份重量,以《The End of the World》为集约表现。那想法与轨迹形成一体,产生了要让W.D.O.2015在东北演奏新曲的计划。久石写下《祈祷之歌》,是在这个计划诞生后不久的事。
かくして、”祈り”をテーマにしたW.D.O.2015のプログラムは《祈りのうた》《The End of the World》《ナウシカ》の3曲を中心にして構成する、という全体の骨格が固まった。原爆投下70周年の2015年8月6日に広島で演奏しても、東日本大震災の記憶が残る仙台で演奏しても、全く恥ずかしくないプログラムである。まさに「世界の終わり」を垣間見るような重量級の内容だが、そこまで徹底的に突き詰めてこそ、W.D.O.が振り子を揺り戻すようにエンタテインメント性豊かな音楽を演奏することの意味が生まれてくる。その部分に関しては、2015年の久石の新作《Dream More》と、宮崎作品の《紅の豚》を演奏することで万全を期した。
就这样,以“祈祷”为主题的W.D.O.2015节目单,要用《祈祷之歌》《The End of the World》《娜乌西卡》为中心来构成,这样整体骨骼就确定了。这是不管是在原爆投下70周年的2015年8月6日于广岛演奏,还是在残留着东日本大地震的仙台演奏,都不会感到羞耻的节目单。仿佛是从隙缝中看着「世界末日」的重量级内容,正因为如此彻底地追求,才能让W.D.O.找回自我风格,演奏出充满娱乐性的音乐,也才更有意义。这个部分可以在2015年久石的新作品《Dream More》及宫崎作品的《红猪》演奏完全感受。
この間、久石は2015年2月の台湾公演と4月のイタリア公演、5月の新日本フィル演奏会(ペルトの交響曲第3番など)、アルバム『Minima_Rhythm II』の準備とリリース、それらと並行して山田洋次監督作『家族はつらいよ』をはじめとする数々のエンタテインメント音楽の作曲など、凄まじいスケジュールをこなしながらW.D.O.2015の準備を進めていった。特に《The End of the World》に関しては、「祈り」というテーマにふさわしい演奏にすべく、作品の構成そのものが大幅に見直された。試行錯誤の結果、《The End of the World》はリハーサル開始まであとわずかというギリギリのタイミングで、ようやく最終的な楽章構成が確定した。
前阵子在2015年2月的台湾公演与4月的意大利公演,新日本phi演奏会(佩尔特的第3号交响曲等),专辑『Minima_Rhythm II』的准备与发行,这些工作同时进行之下,还为山田洋次导演的作品『家人真命苦』等多数娱乐事业音乐作曲,在这样庞大工作行程之中,也进行着W.D.O.2015的准备。特别是有关《The End of the World》,为了譲它成为适合「祈祷」这个主题的演奏,作品的构成也大幅度的重新审视。不断尝试错误的结果,《The End of the World》一直到彩排快要开始之前才确定了最终的乐章构成。
2015年8月5日の大阪公演を皮切りに、全国5都市計6回の公演がもたれたW.D.O.2015。筆者はそのうち、東京公演2回を聴いたが、プログラム第1曲の《祈りのうた》がチューブラー・ベルズで始まり、最後のアンコール曲《World Dreams》の最終和音がチューブラー・ベルズで閉じられるのを聴いて、言葉では表現しようのない感動に打ち震えた。鐘で始まり、鐘で終わるW.D.O.2015。2つの鐘は、同じではない。最初は鎮魂の鐘、最後は希望の鐘だ。この2つの鐘が象徴しているように、W.D.O.2015はプログラム全体にわたり、「鎮魂から希望へ」というトータル・コンセプトが見事に貫かれていた。これほど考え抜かれたコンサートは、久石と言えども、そうそう作り上げることが出来るものではない。だからこそ、本盤『The End of the World』のリリースに際しては、アンコールを含むW.D.O.2015の全演奏曲が1曲も割愛されることなく完全収録されることになった(収録フォーマットの関係上、CDとLPでは曲順が若干異なる)。戦後70周年にふさわしい、久石譲&W.D.O.の歴史的名盤がここに誕生した。
从2015年8月5日的大阪公演开始,共巡回了全国5个都市,全6场公演的W.D.O.2015。笔者前往聆听的是东京2场公演,节目单第1首的《祈祷之歌》从管钟琴开始,最后的安可曲《WORLD DREAM》的最终和音是以管钟琴结束,听完后有种难以言喻的震撼感动。以钟声开始,以钟声结束的W.D.O.2015。这两道钟声却是不同的意义。一开始的是镇魂之钟,最后则是希望之钟,W.D.O.2015整体的节目单都非常讲究,将「从镇魂到希望」这个整体构想完美地贯通。如此有想法的演奏会,就算是久石,也不是那么轻易就能完成的。正因如此,这张『The End of the World』发行时,才会将W.D.O.2015连安可曲都一首不漏地收录于其中。非常适合纪念战后70周年,久石让&W.D.O.名留青史的钜作诞生于此。
楽曲解説
乐曲解说
祈りのうた -Homage to Henryk Górecki-
祈祷之歌
原曲は2015年1月、三鷹の森ジブリ美術館オリジナルBGMのピアノ独奏曲として書かれた。久石がホーリー・ミニマリズム(聖なるミニマリズム)の様式で初めて作曲した楽曲である。本盤に収録されているピアノ+弦楽合奏+チューブラー・ベルズ版はW.D.O.2015のプログラム第1番として演奏され、その際、「ヘンリク・グレツキへのオマージュ Homage to Henryk Górecki」という副題が付加された。グレツキは、アウシュヴィッツ強制収容所の悲劇-ヒロシマと共に第2次世界大戦を象徴する悲劇-をテーマにした《交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」》で知られるホーリー・ミニマリズムの作曲家である。冒頭、チューブラー・ベルズが弔鐘のように鳴り響くと、最初のセクションでピアノ独奏が透明感あふれる三和音のモティーフを導入し、中間部のセクションでピアノとヴァイオリンが悲しみに満ちた和音を演奏した後、嗚咽がこみ上げるような弦楽合奏が加わり、最初のセクションが再現されるという構成になっている。
原曲是2015年1月,为了在三鹰之森吉卜力美术馆播放而写下的钢琴独奏曲。久石初次写下圣灵低限主义的乐曲。本作收录的是钢琴+弦乐合奏+管钟琴版,这首乐曲在W.D.O.2015节目单中,是第一首被演奏的乐曲,当时还加上了「对葛瑞兹基,亨里克的敬意Homage to Henryk Górecki」这个副标题。葛瑞兹基是以奥斯威辛集中营的悲剧——与广岛同为象征第2次世界大战的悲剧——为主题的《第3号交响曲》而成名的圣灵低限主义作曲家。开头,管钟琴有如吊钟般回响,尔后加入了钢琴独奏,导入了充满透明感的三和音,中段由钢琴与小提琴奏出充满悲伤的合音后,又加入了如呜咽般的弦乐合奏,像是要再现最初的构成一般。
The End of the World for Vocalists and Orchestra
The End of the World for Vocalists and Orchestra
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul -
III. D.e.a.d - IV. Beyond the World
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul -
III. D.e.a.d - IV. Beyond the World
原曲は、久石が2007年秋にニューヨークを訪れた時の印象を基に作曲された。当初《After 9.11》というタイトルが付けられていたように、2001年同時多発テロ(9.11)による世界秩序と価値観の崩壊が引き起こした「不安と混沌」をテーマにした作品である。この楽曲は2008年の初演から本盤のW.D.O.2015ヴァージョンまで、かなり複雑な変遷をたどっているので、以下にその過程を列挙する。

(A)コンサート・ツアー『Piano Stories 2008』初演ヴァージョン(12本のチェロ、コントラバス、ハープ、パーカッション、ピアノのための)
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul - III. Beyond the World の3楽章からなる組曲。

(B)アルバム『Another Piano Stories~The End of the World』(2009年2月リリース)収録ヴァージョン
上記(A)に後述のヴォーカル・ナンバー《The End of the World》(ヴォーカルは久石)を加えた4楽章の組曲版。

(C)アルバム『Minima_Rhythm』(2009年8月リリース)収録バージョン(合唱と管弦楽のための)
3楽章版(A)を大幅に加筆してフル・オーケストラ化。併せて第3楽章〈Beyond the World〉では、(A)の構想段階で終わっていた合唱の導入が初めて実現した。

(D)本盤収録のW.D.O.2015ヴァージョン(声楽と管弦楽のための)
(C)の〈Grace of the St.Paul〉と〈Beyond the World〉の合間に、新たな楽章〈D.e.a.d〉を追加。終楽章〈Beyond the World〉の後、ヴォーカル・ナンバー《The End of the World》が続き、全5楽章の組曲のように演奏される。

I. Collapse
グラウンド・ゼロの印象を基に書かれた楽章。冒頭、チューブラー・ベルズが打ち鳴らす”警鐘”のリズム動機が、全曲を統一する循環動機もしくは固定楽想(idéefixe)として、その後も繰り返し登場する。先の見えない不安を表現したような第1主題と、より軽快な楽章を持つ第2主題から構成される。

II. Grace of the St.Paul
楽章名はグラウンド・ゼロに近いセント・ポール教会(9.11発生時、多くの負傷者が担ぎ込まれた)に由来する。冒頭で演奏されるチェロ独奏の痛切な哀歌が中近東風の楽想に発展し、人々の苦しみや祈りを表現していく。このセクションが感情の高まりを見せた後、サクソフォン・ソロが一種のカデンツァのように鳴り響き、ニューヨークの都会を彷彿とさせるジャジーなセクションに移行する。そのセクションで繰り返し聴こえてくる不思議な信号音は、テロ現場やセント・ポール教会に駆けつける緊急車両のサイレンのドップラー効果を表現したものである。

III. D.e.a.d
原曲は、2005年に発表された4楽章の管弦楽組曲《DEAD》(曲名は”死”と、D(レ)E(ミ)A(ラ)D(レ)の音名のダブル・ミーニング)の第2楽章〈The Abyss~深淵を臨く者は・・・・~〉。原曲の楽章名は、ニーチェの哲学書『ツァラトゥストラはかく語りき』に登場する一節「怪物と闘う者は、その過程で自分が怪物にならぬよう注意せねばならない。深淵を臨くと、深淵がこちらを臨き返してくる」に由来する。今回、新たに声楽と弦楽合奏のために再構成され、久石のアイディアを基に麻衣が歌詞を書き下ろした。声楽パートをカウンターテナーが歌うことで、歌詞が特定の事件(すなわち9.11)や世俗そのものを超越し、ある種の箴言のように響いてくる。

IV. Beyond the World
「世界の終わり」の不安と混沌が極限に達し、同時にそれがビッグバンを起こすように、「生への意思」に転じていくさまを、8分の11拍子という複雑な変拍子と、絶えず変化を続ける浮遊感に満ちたハーモニーによって表現した壮大な楽章。アルバム『Minima_Rhythm』録音時に、久石自身の作詞によるラテン語の合唱パートが付加された。楽章の終わりには、チューブラー・ベルズの”警鐘”のリズム動機が回帰する。
原曲是以久石在2007年秋天造访纽约时的印象写下的。当初的曲名是《After 9.11》,是以2001年的同时多处恐怖攻击(9.11)造成的世界秩序与价值观崩坏引起的「不安与混沌」为主题写下的乐曲。这首乐曲从2008年初演起到本作收录的W.D.O.2015版本为止,经过相当复杂的变迁,以下列举这首乐曲的变迁。

(A)巡回演奏会『Piano Stories 2008』初演版本(12只大提琴,低音大提琴,打击乐器,钢琴)
以I. Collapse—II. Grace of the St. Paul——III. Beyond the World这3个乐章组成的组曲。

(B)专辑『Another Piano Stories〜The End of the World〜』(2009年2月发行)收录版本
在(A)之后的歌唱版本《The End of the World》(演唱者是久石),共4个乐章的组曲版。

(C)专辑『Minima_Rhythm』(2009年8月发行)收录版本(合唱与管弦乐版)
将3乐章版(A)作成交响乐化的完整版本。将第3乐章<Beyond the World>中,导入了在(A)的时候仍只是构想的合唱。

(D)本作收录的W.D.O.2015版本(声乐与管弦乐版)
(C)的<Grace of the St. Paul>与<Beyond th World>间加入了新的乐章<D.e.a.d>。在终乐章<Beyond the World>之后,《The End of the World》歌声持续,像是演奏了共5个乐章的乐章的组曲。

I. Collapse
以原爆点为印象写下的乐章。开头是以管钟琴敲响“警钟”这样的旋律动机,以统一全曲的循环动机或是固定乐想(idée fixe)的构想,之后也会反复登场。像是像是要表现看不见未来的不安,这样的第1主题,是从有着更加轻快构想的第2主题来构成的。

II. Grace of the St. Paul
乐章名的由来是接近原爆点的圣保罗教堂(9.11发生时许多负伤者都被搬送到这里)。开头的大提琴独奏由悲痛的哀歌发展为中近东风乐想,表现出人们的苦痛与祈祷。这里的演奏让人看到情绪的高扬之后,萨克斯风的声音回响,移动到仿佛置身纽约街头的演奏。在这里可以听到不断反复,不可思议的信号声,要表现出赶到恐怖攻击现场及圣保罗教堂的紧急救援车辆警铃声。

III. D.e.a.d
原曲是2005发表的4乐章管弦乐团组曲《DEAD》(曲名是“死”与D(Re)E(Mi)A(La)D(Re)的音名双重意义)的第2乐章<The Abyss〜面临深渊者....〜>。原曲的乐章名,是在尼采的哲学书「查拉图斯特拉如是说」登场的一个环节「与怪物搏斗者,在过程中须注意不能让自己变成怪物。你面临深渊,深渊也会面对着你」以此为由来。这次还新加入了声乐与弦乐合奏,以久石的想法为基础,由麻衣写下歌词。声乐部分由假声男高音演唱,歌词超越了特定的事件(也就是9.11)及世俗,像是某种箴言般回响。

IV. Beyond the World
「世界末日」的不安兴混沌到达极限,同时像是要引起大爆炸一般转变为「求生意志」,他以8分之11拍这样复杂又奇怪的拍子与不断改变,充满浮游感的合音表现出壮大的乐章。专辑『Minima_Rhythm』录音时,加入了由久石作词写下的拉丁语合唱部分。在乐章终结时,又回到管钟琴的“警钟”旋律动机。
Recomposed by Joe Hisaishi The End of the World
Recomposed by Joe Hisaishi The End of the World
原曲は、ポップス歌手スキータ・デイヴィスが1962年にヒットさせたヴォーカル・ナンバー(邦題は《この世の果てまで》)。歌詞の内容は、作詞者のSylvia Deeが14歳で父親と死別した時の悲しみを綴ったものとされている。このヴォーカル・ナンバーは、上述の組曲《The End of the World》の作曲にも大きなインスピレーションを与えた。本楽曲のメロディーの美しさをかねてから高く評価していた久石は、アルバム『Another Piano Stories』の時と同様にヴォーカル・ナンバーをリコンポーズし、それを組曲のエピローグとして付加している。交響曲の中に世俗曲や民謡を引用した、グスタフ・マーラーの方法論にも近いと言えるだろう。〈D.e.a.d〉とは正反対に、愛する者を失った悲しみをエモーショナルに歌うカウンターテナーと、その嘆きを暖かく包み込む崇高な合唱。その背後で静かに鳴り響くチューブラー・ベルズのリズム動機は、もはや恐ろしい”警鐘”ではなく、祈りの弔鐘”へと優しく姿を変えている。かくして9.11の悲しみは、誰もが共感し得る私たち自身の悲しみに昇華して普遍化を遂げ、戦後70周年にふさわしい世界観を獲得することに成功している。
原曲是流行乐歌手史琪特戴维斯在1962年唱红的歌曲(日本取名为《到这世界的尽头》)。歌词的内容写到作词者Sylvia Dee在14岁时与父亲死别时的悲伤。这首歌曲也给了上述组曲《The End of the World》作曲时,相当大的灵感)。久石从以前就称赞这首歌的旋律优美,在专辑『Another Piano Stories』时,同样以加入合唱的方式重新构成,放在组曲的结尾。交响乐曲中引用的流行乐或民谣,可以说是与马勒,古斯塔夫的方法论很相近吧。与<D.e.a.d.>正相反,将失去深爱之人的悲痛,由假声男高音充满情感的声音演唱。在其后静静响起的管钟琴旋律动机,已不再是“警钟”,变成了温柔祈祷的“吊钟”。而9.11的悲伤,升华为任谁都能获得同感的,我们自身的悲痛,而达到了普遍化,成功地获得了适合战后70周年的世界观。
紅の豚
il porco rosso - Madness
红猪
il porco rosso - Madness
世界大恐慌のイタリアを舞台に、豚の姿に変わった伝説のパイロット、ポルコ・ロッソの活躍を描いた宮崎駿監督の冒険ロマン。物語の時代が1920年代後半に設定されていたため、久石の音楽も1920年台のジャズ・エイジを強く意識したスコアとなった。本盤収録の2曲のうち、前半の〈il porco rosso〉はイメージ・アルバムで《マルコとジーナのテーマ》と名付けられていた、《帰らざる日々》のテーマ。ジャージーなピアノが、マルコ(ポルコの本名)と美女ジーナの”ロマンス”をノスタルジックに演出する。後半の〈Madness〉は、ポルコがファシストたちの追手を逃れ、飛行艇を飛び立たせるアクション・シーンの音楽。もともとこの楽曲は、小説家フィッツジェラルドをテーマにした久石の1992年のソロ・アルバム『My Lost City』(アルバム名はフィッツジェラルドのエッセイ集のタイトルに由来)に収録されていたが、宮崎監督の強い要望で本編使用曲に決まった、という逸話がある。大恐慌直前のジャズ・エイジの”狂騒”と、1980年代後半のバブルの”狂騒”を重ね合わせて久石が表現した〈Madness〉。その警鐘に耳を傾けることもなく、日本のバブルは『My Lost City』リリースと『紅の豚』公開の直後、崩壊した。
以世界大恐慌后的意大利为舞台,描写传说中的飞行员,波鲁克·罗梭,变身为猪的活跃的模样,是宫崎骏导演的冒险浪漫故事。故事的时代设定在1920年代后半,久石的音乐也强烈地意识著1920年代的爵士时代,本作收录的2首乐曲,前半的<il porco rosso>在形象专辑中被取名为《马鲁克与吉娜的主题曲》,是《一去不复返的时光》的主题。充满爵士感的钢琴,用怀旧的感觉,表现出了马可(波鲁克的本名)与美女吉娜之间时“罗曼史”。后半的<Madness>是波鲁克为了逃离法西斯主义者的追杀,启动飞行艇起飞的动作音乐场景。本来是收录在小说家菲茨杰拉德为主题,久石在1992年的SOLO专辑『My Lost City』(专辑名以菲茨杰拉德的诗集名为由来)之中的乐曲,因宫崎导演的强烈希望,决定将这首乐曲放入电影中使用。久石将大恐慌前爵士时代的“狂骚”与1980年代后半泡沫经济的“狂骚”重叠表现出了<Madness>。不在意那警钟声,日本的泡沫经济在『My Lost City』发行与『红猪』上映后不久,便崩塌了。
Dream More
Dream More
サントリー「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム」のCMテーマとして作曲された、2015年の久石の新作のひとつ。CM発表会見にて、久石は「ノスタルジックで感傷的なメロディー」を「いろいろな味わいのする多重奏」に仕上げたと語っている。本盤に収録されているのは、W.D.O.2015で世界初演されたフル・ヴァージョン。《Dream More》という曲名には、現状に満足せず、さらなる夢(ドリーム)を追い求めていこうとする久石とW.D.O.の飽くなきチャレンジ精神が込められているように思われる。
为了SUNTORY「THE PREMIUM MALT'S MASTER'S DREAM」的广告而作的乐曲,是久石在2015年的新作其中之一。在广告发表记者会上,久石说道「怀旧且感伤的旋律」以「可以品尝到多种味道的多重奏」表现。本作收录的是W.D.O.2015在世界上初次演奏的完整版。《Dream More》这个曲名,表现出了不满足现状,要继续追求更进一步的梦想,这份久石和W.D.O.不厌倦的挑战精神。
Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015
Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015
(a)風の伝説 – (b)遠い日々 – (c)ナウシカ・レクイエム – (d)メーヴェとコルベットの戦い –
(e)谷への道 – (f)蘇る巨神兵 – (g)遠い日々 – (h)鳥の人 – (i)風の伝説
(a)风之传说–(b)遥远的日子–(c)娜乌西卡·安魂曲–(d)滑翔翼与飞行艇的战争–
(e)朝向谷里的道路–(f)苏醒的巨神兵–(g)遥远的日子–(h)鸟人–(i)风之传说
最終戦争「火の七日間」が勃発し、巨神兵が破壊の限りを尽くして崩壊した巨大産業文明。それから1000年後、荒廃した世界の中で暮らす少女ナウシカは、戦乱の中で自然との共生を強く訴えかけ、自ら命を投げ出すことで世界に奇跡を起こす。久石と宮崎監督がタッグを組んだ記念すべき第1作にして、久石の代表作のひとつでもある『風の谷のナウシカ』の音楽は、久石自身のコンサートに限っても、これまでさまざまな編成によって演奏されてきた。演奏会用の管弦楽曲に関しては、メインテーマ〈風の伝説〉の単独演奏ほか、すでに2つの組曲が交響詩の形で演奏されている。すなわち、アルバム『WORKS I』収録の1997年ヴァージョン(a, b, c, d, e, g, h, i)と、BD&DVD『久石譲 in 武道館』およびアルバム『The Best of Cinema Music』収録の2008年ヴァージョン(a, b, c, d, g, h, i)である。今回の演奏に際しては、久石は『ナウシカ』のために作曲した素材をすべて検討し直し、完全版となる新たなヴァージョンを作り上げた。この完全版は、近く楽譜出版が予定されている。

(a)風の伝説
本編オープニングタイトルの音楽。衝撃的なティンパニで始まる導入部の後、久石のソロ・ピアノが万感の想いを込めてメインテーマを演奏する。そのメロディーの冒頭部分は、あたかも1980年代の映画音楽のトレンドに真っ向から抵抗するかのように、コード進行をほとんど変えない形で作曲されている。ミニマル・ミュージックの作曲家ならではのストイックな音楽的姿勢と、文字通り身を削るようなナウシカの壮絶な生きざまが重なって聴こえてくるのは、筆者ひとりだけではないだろう。

(b)遠い日々
「ラン・ランララ・ランランラン」の歌詞で知られるモティーフを、オーケストラのみで扱った部分。軽やかな木管がモティーフを提示した後、バロック風のフーガが続く。このフーガは、チェロとピアノのために書かれた《「風の谷のナウシカ」より組曲5つのメロディー》第4曲のフゲッタを発展させたものである(蛇足だが、曲のイメージと本編の印象から、「ラン・ランララ・ランランラン」のモティーフを〈ナウシカ・レクイエム〉と表記する解説がしばしば見受けられるが、それらはすべて誤り。正しくは〈遠い日々〉のモティーフである)。

(c)ナウシカ・レクイエム
自らの命を犠牲にして、虫たちの暴走を止めたナウシカを人々が嘆き悲しむシーンの音楽。バロックの作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルにも通じる力強い楽想が、聴く者に強い印象を与える。日本武道館で演奏された2008年ヴァージョンより、この部分の音楽には合唱パートが付加され、レクイエム(鎮魂ミサ曲)の〈怒りの日〉のラテン語歌詞を歌う。歌詞と訳は次の通り。「Dies iræ, dies illa 怒りの日が到来する時/solvet sæclum in favilla この世は灰燼に帰すだろう/teste David cum Sibylla ダビデとシビラの予言のように/Quantus tremor est futurus その恐ろしさは如何ばかりか」。

(d)メーヴェとコルベットの戦い
小型飛行機メーヴェを操るナウシカがトルメキア軍の大型戦闘機コルベットの追撃をかわすシーンの、ダイナミックな音楽。

(e)谷への道
サントラ録音に先立ち、久石が宮崎監督の絵コンテを基に作曲・録音した『イメージアルバム 鳥の人・・・』および『シンフォニー 風の伝説』に収録されていた楽曲。本編では未使用に終わったが、『ナウシカ』の世界観を表現するのに欠かせない重要な音楽のひとつである。当初からチェロの音色を意識して作曲されたという経緯もあり、本盤に聴かれる演奏でも、チェロがモティーフに豊かな膨らみを与えている。

(f)蘇る巨神兵
今回、初めて交響詩の中に組み込まれたモティーフ。不気味なグリッサンドを歌う合唱パートが新たに付加され、巨神兵の恐怖を強調する。

(g)遠い日々
本編のクライマックス、絶命したはずのナウシカが蘇る感動的なシーンの音楽。サントラ録音時、まだ4歳だった久石の娘・麻衣が「ラン・ランララ・ランランラン」を歌い、絶大な効果を上げた逸話はあまりにも有名である。W.D.O.2015の演奏に先立つリハーサルでは、「オペラ歌手のように朗々と歌わず、あくまでも気負わないで」と久石が指示を与えていたのが印象的だった。

(h)鳥の人
上の(g)に続き、人々がナウシカの再生と平和の到来を喜ぶラストの音楽。壮大な合唱が「ラララン・ランランラン」と歌い、音楽は歓喜の頂点に達する。

(i)風の伝説
オーボエが〈風の伝説〉のモティーフをしみじみと回想した後、本編エンドロールの音楽を凝縮したエピソードで全曲が閉じられる。
最终战争「七日之火」发生,巨神兵极尽所能地破坏而崩坏的巨大产业文明。在1000年后,居住在荒废世界中的少女娜乌西卡,在战乱中强烈诉求要与自然共生,牺牲自己的生命让世界诞生了奇迹。久石与工期导演初次合作值得纪念的第1作,也是久石代表作其中之一的『风之谷』乐曲,单就久石自己的演奏会来算,也曾以多种编曲版本来演奏过。而演奏会用的管弦乐曲部分,除了主题<风之传说>的单独演奏外,也已经编写演奏过2个以交响诗篇的方式演奏的。也就是专辑『WORKS I』中收录的1997年版本(a,b,c,d,e,g,h,i)与BD&DVD『久石让in武道馆』及専辑『The Best of Cinema Music』收录的2008年版(a,c,d,g,h,i)
这两个版本。这次演奏时,久石将为了『娜乌西卡』所作的曲全部重新审视作出了全新的完整版。这个完全版也将在近期内出版乐谱。

(a)风之传说
本篇开场主题音乐,以冲击的定音鼓导入后,久石加入了万种情感来演奏这首主题的钢琴独奏。旋律开头,像是要正面反抗1980年代电影音乐的主流一般,作曲中几乎没有更改任何和弦的更动。可以听到身为简约音乐作曲家对音乐钻研讲究的态度,还有如文字般献身地娜乌西卡壮烈的人生,相信这不是笔者个人的感受。

(b)遥远的日子
以「Ian·lanlala·lanlanlan」这句歌词成名,这个动机只用交响乐团来演奏。轻巧的木管提示了动机后,巴洛克风格的赋格曲延续下去。这首赋格曲,是为了让它发展成为了大提琴与钢琴写下的《「风之谷」中5个组曲的旋律》第4曲的小复格曲而作的(虽然有点画蛇添足,但从曲子和本篇的印象来看,常见到「Ian·lanlala·lanlanlan」的动机表记为<娜乌西卡·安魂曲>的解说,但这都是错误的。正确应该是<遥远的日子>的动机)。

(c)娜乌西卡·安魂曲
娜乌西卡牺牲自己的生命,止住虫的暴走,这里的音乐描写了人们为了她悲叹的场景。巴洛克作曲家韩德尔·格奥尔格弗里德里希也能认同的强力乐享,给听者强烈的印象。从在日本武道馆演奏的2008年版起,这个部分加上了合唱,安魂曲(镇魂弥撒曲)的<愤怒之日>以拉丁语歌词演唱。歌词翻译如下「愤怒之日到来时/这世间会回归灰烬吧/正如大卫和希比拉的预言般/那该会是何等的恐惧」

(d)滑翔翼与飞行艇的战争
操纵小型飞机滑翔翼的娜乌西卡躲避多鲁美奇亚军的大型战斗机飞行艇的场景,非常有爆发力的音乐。

(e)朝向谷里的道路
在收进原声带前,久石以宫崎导演的画稿为基础而作曲·录音的『意识专辑 鸟人...』及『Symphony 风之传说』中收录的乐曲。本篇中未被使用,但却是表现『娜乌西卡』世界观不可或缺的重要音乐之一。最初就是意识著大提琴音色而作的曲,本作中的演奏也是以大提琴为动机再加以丰富的版本。

(I)苏醒的巨神兵
这次是第一次加入交响诗篇的动机。阴森的滑奏新增了合唱部分,强调了巨神兵的可怕。

(g)遥远的日子
本篇的最高潮,本应已死的娜乌西卡重生的感动场景音乐。在录原声带时,当时只有4岁的久石的女儿·麻衣唱了「Ian·lanlala·lanlanlan」这句,造成了绝大的效果。W.D.O.2015演奏前的排练时,久石指示「不要像歌剧歌手般演唱的很浩瀚,总之自我主张不要太强」令人印象深刻。

(h)鸟人
延续(g),人们因娜乌西卡的重生与和平的到来感到欢喜,最后的音乐。壮阔阔的合唱着「lalalan·lanlanlan」,达到了音乐与欢喜的顶点。

(i)风之传说
双簧管深刻地回想了<风之传说>的动机后,以浓缩了本篇End Roll的音乐来结尾,完成了这首乐曲。
Your Story 2015
Your Story 2015
原曲は、第34回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀音楽賞ほか5部門に輝いた李相日監督『悪人』の主題歌。W.D.O.2015のアンコールで、テナーとカウンターテナーのための新ヴァージョンが披露された(本盤の演奏では、高橋淳が両方の声域にまたがる形で歌唱を披露している)。2011年、東日本大震災の3ヶ月後に開催されたチャリティ・コンサートでは、久石が撮影してきた被災地のスチール写真の投影と共に《Your Story》が演奏され、聴衆に深い感銘を与えた。そこには「Your Storyとはあなたたち、わたしたち日本人のストーリー」という言外の意味が込められていたように思われる。以上のような文脈を考慮し、別掲の歌詞日本語訳は、サントラ盤所収の日本語訳とは異なる形で訳出した。
原曲是第34回日本奥斯卡最优秀作品奖,最优秀音乐奖等共获得5个奖项,由李相日导演执导的电影『恶人』主题曲。放在W.D.O.2015的安可时间,演奏了以男高音与假声男高音为主的新版本(本作中的演奏是由高桥淳跨越两方声域的形式来歌唱)。2011年东日本大地震的3个月后举行的慈善演奏会上,配合着久石在受灾地拍摄的照片一起演奏了以《Your Story》,让听众都感触良多。那儿有着「Your Story与你们、我们日本人的故事」,似乎带有这样的弦外之音。考虑到以上的文脉,这里刊登的日文翻译歌词与原声带所收录的日文翻译是不同的。
World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra
World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra
2004年、久石と新日本フィルがW.D.O.を立ち上げた歳に書き下ろした、W.D.O.テーマ曲。「作曲している時、僕の頭を過っていた映像は9.11のビルに突っ込む飛行機、アフガン、イラクの逃げまどう一般の人々や子供たちだった。『何で・・・・』そんな思いの中、静かで優しく語りかけ、しかもマイナーではなくある種、国家のような格調のあるメロディーが頭を過った」。本盤では、2011年に麻衣が作詞した歌詞を合唱が歌うヴァージョンが演奏されている。久石とW.D.O.が奏で続ける”世界の夢”(ワールド・ドリーム)を象徴した、崇高なメロディー。そこに込められた”希望の力”を、チューブラー・ベルズが心に刻みこむよういして静かに鳴り響き、W.D.O.2015の幕となる。
2004年,久石与新日本爱乐组成W.D.O.时所写下的W.D.O.主题曲。「作曲时,我的脑海中浮现了9.11飞机撞上大楼、阿富汗、伊拉克逃亡的一般人及孩子们。在『为什么...』这样的疑问中,闲静且温柔地诉说,而且不是冷门的,而是有种像国歌般的旋律闪入我的脑中」。本作中将2011年麻衣所写的歌词以合唱的方式诠释。象征久石与W.D.O.持续演奏的“世界之梦”,旋律非常崇高。在那儿有着“希望的力量”管钟琴在沉静中回响刻划人心,为W.D.O.2015落幕。
2016年5月27日、オバマ大統領広島訪問の日に
前島秀国 Hidekuni Maejima
サウンド&ヴィジュアル・ライター
写于2016年5月27日,奥巴马访广岛之日
前岛秀国 Hidekuni Maejima
Sound&Visual·Writer
歌詞
歌词
The End of the World 〜III D.e.a.d〜
我是何等悲哀的人
想要的东西是幸福
为什么?没有你能活下去吗?
你不存在的世界,不会完结
我的世界
但是,你和我不是相同的人种
我会接受
你不在,这个不完全的世界
我想要的是......
Woo
The End of the World 〜IV. Beycnd the World〜
世界会 终结
世界会 终结
人们会 祈祷
悲伤与危机 会因爱而远离
The End of the World
为什么太阳,会持续闪耀?
为什么大海,会持续拍浪?
因为,你不爱我
世界就要终结了,大家都没发现吗?

为什么鸟儿,会持续歌唱?
为什么星儿,会在天空发光?
失去你的爱之时
世界就要终结了,大家都没发现吗?

早上,醒来时,觉得不可思议
为什么,一切都没变,是相同的呢?
不懂,我不懂
像这样过着人生

为什么我的心,会持续鼓动呢?
为什么我的眼,会持续流泪呢?
你与我道别时
世界就要终结了,大家都没发现吗?
Your Story
我们伫立在,冰冷黑暗之所
地底深处,海底深处
我到底做了什么?你又到底犯了什么错呢?
我俩紧紧拥抱,别从回忆中消去 已无法回到寂静

那儿以往,是个虚无之地
没有恐惧、也没有追求之人
但是,你出现了,开拓了道路
若又回到孤独,害怕得无法忍受

就这样停下来,希望你听听心之旋律
肌肤的温度,柔软的吻
这就是爱吗?

为何会不顺利,我们扪心自问
—直等到心焦,也相信会持续下去的
在身边沉眠的天使之颜,眼眸带泪
「求求你,别与我分离」像是过往错误般,不想舍弃她。

她没有依靠,也没有该前往的地方
她想要属于自己的居所,一直梦想着
我们想要的东西,就是能安心的故乡
若能回转时间,想在你身边更多时间

我们伫立在,冰冷黑暗之所
地底深处,海底深处
我我们伪装着内心,悲伤地吻别
回想起无可取代的爱,才第一次发现你的重要......
Word Dreams
Word Dreams
作曲:久石譲 歌詞:麻衣

遙かなるこの大地 朝日を浴び
澄み渡る青い空 時の歩みをうつす
世界の声は 希望の力
時を越え響き渡れ 愛を歌おう

哀しみにつまずけば 自由がみえる
歓びの灯が消えても 共に歩き続けよう
世界の夢よ 全ての人に
届けようこの歌声 愛を信じて

夢をみるひとすじの小さな光
千年の時を経て 明日を照らし続ける
愛を歌おう

遙かなるこの大地 朝日を浴び
澄み渡る青い空 時の歩みをうつす
世界の夢よ すべての人よ
誇り高きこの夢に 愛を誓おう
永久(とわ)に誓おう
遥远的这个大地 沐浴朝阳
一片清澄的漫天 映照在时光步伐上
世界的声音是 希望的力量
跨越时间回响 唱出爱吧

若是因哀伤跌倒 就能看见自由
就算欢喜的灯火熄灭 也要一起走下去
世界的梦啊 要传达给所有的人
这歌声 相信爱

梦想中一道小小的光芒
经过千年时光 持续照亮明日
唱出爱吧

遥远的这个大地 沐浴朝阳
一片清澄的漫天 映照在时光步伐上
世界的梦啊 所有的人啊
对着令人骄傲的梦想与爱 许下誓言吧
永久地许下誓言吧