文档:The End of the World/專輯解說

出自宫崎骏与久石让中文百科
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 主頁面 The End of the World 文檔 
アルバム『The End of the World』に寄せて
有關『The End of the World』專輯
鎮魂の鐘で始まり、希望の鐘で終わる──。2015年8月に開催された久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(以下、W.D.O.)の全国ツアー(以下、W.D.O.2015)と、その演奏曲を完全収録した本盤『The End of the World』の内容を要約するならば、ズバリその一言に尽きる。戦後70周年という特別な年にふさわしい、練りに練られたプログラム。ただし、そこにたどり着くまでは、約1年にも及ぶ準備期間と、絶え間ない試行錯誤の繰り返しを必要とした。
從鎮魂之鐘開始,以希望之鐘結束——。本專輯收錄了2015年8月舉行的久石讓&新日本愛樂WORLD DREAM交響樂團(以下稱W.D.O.)的全國巡迴(以下稱W.D.O.2015)演奏會中的所有演奏曲。要簡單介紹這張專輯『The End of the World』,用開頭的那句話就能說明一切。適合戰後70周年這樣特別的一年,經過深思熟慮而排出的曲目。但在完成前,他們需要1年的準備時間,來反復地嘗試錯誤。
2014年、すなわちW.D.O.結成から10年目の節目の年、久石は3年ぶりのW.D.O.のコンサートを指揮した。「ジャンルにとらわれず魅力ある作品を多くの人々に聴いてもらう」という結成当初からのコンセプトはそのままに、10年の間に飛躍を遂げたW.D.O.はポップス・オーケストラというカテゴリーの枠を大きく越え、”本物の音楽”を志向するオーケストラに成長していた。しかもW.D.O.は、日本人にとって特別な意味をもつ夏-広島・長崎の原爆投下と8月15日の終戦記念日を含む夏-という季節に限定してコンサートを開催する。そこで久石は、W.D.O.2014のテーマを「鎮魂の時」と位置づけ、クシシュトフ・ペンデレツキ作曲《広島の犠牲者に捧げる哀歌》、J・Sバッハ作曲《G線上のアリア》、それに太平洋戦争に関連する久石の映画音楽作品-アルバム『WORKS IV』にも収録されている《ヴァイオリンとオーケストラのための「私は貝になりたい」》《「風立ちぬ」第2組曲》《小さいおうち》の3曲-を演奏した。このW.D.O.2014の演奏会は大きな反響を巻き起こし、演奏終了直後、久石は聴衆の前で翌年のW.D.O.ツアー開催を宣言した。久石とW.D.O.が提示したメッセージが見事に伝わり、これまでになかったようなシリアスなプログラムでも聴衆に受け入れてもらえる、という確信が得られたからである。
2014年,也就是W.D.O.組成第10年的重要時節,久石暌違3年再次指揮了W.D.O.的演奏會。「不局限於那個類型的音樂,想讓充滿魅力的作品被更多人聽到」保持着他們組成當初的原則,10年來持續活躍的W.D.O.,大大超越了Pops·Orchestra這個音樂範疇,成長為以「真正的音樂」為志向的交響樂團。而W.D.O.在對日本人有特別意義的夏天——包含了在廣島·長崎投下原子彈的日子與終戰紀念日8月15日的夏天——會舉行季節限定演奏會。久石將W.D.O.2014的主題取為「鎮魂之時」這個位置。演奏了Krzysztof Eugeniusz Penderecki作曲的《獻給廣島犧牲者的哀歌》,巴哈作曲的《G弦之歌》,再加上與太平洋戰爭有關的久石電影音樂作品——收錄在專輯『WORKS IV』中的《為了小提琴與交響樂團的「我想成為貝殼」》《「風起了」第2組曲》《小小的家》等3曲。這場W.D.O.2014造成熱烈的迴響,在演奏完之後,久石在聽眾面簽宣佈隔年將舉辦W.D.O.巡迴演奏會,久石與W.D.O.想確實地傳達他們的意念,像這樣以往沒有的嚴肅節目單也能受到聽眾喜愛接收,他們確信了這一點。
その翌月、久石は30年来の夢だった「現代のすぐれた音楽を紹介する演奏会」、すなわち「Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE」第1回演奏会(MF Vol.1)を開催し、かねてから彼が敬愛するホーリー・ミニマリズムの作曲家、ヘンリク・グレツキとアルヴォ・ペルトの作品を演奏・紹介した。祈りに満ちた彼らの音楽は、第2次世界大戦のホロコーストの悲劇や、冷戦時代の恐怖政治の抑圧と密接な関わりを持っている。ゴレツキとペルトの演奏は、来たる2015年にやってくる戦後70周年を久石に強く意識させることになった。
次月,久石實現了他30年來的夢想「介紹現代優良音樂的音樂會」,也就是舉行了「Joe Hisashi presents MUSICFUTURE」第1回演奏會(MF Vol.1)這件事,在演奏會上,他演奏並介紹了自己一直敬愛的聖靈低極限主義的作曲家,葛瑞茲基,亨里克與阿福·佩爾特的作品。他們充滿了祈禱的音樂,與第2次世界大戰的大屠殺悲劇及冷戰時代恐怖政治的壓抑有密切關係。葛瑞茲基與佩爾特的演奏,讓久石讓強烈意識到2015年將是戰後70週年。
MF Vol.1の演奏会が成功裏に終わったその夜、久石は早くもW.D.O.2015の実現に向けて構想を練り始め、プログラムのテーマを「祈り」とする基本方針を固めた。ツアー開催地には、久石の強い希望で広島と仙台が含まれることが決まった。言うまでもなく、2015年の原爆投下70周年と、2011年東日本大震災から立ち直りつつある東北地方を意識しての決定である(奇しくも広島公演は、8月6日の原爆の日に開催されることになった)。その際、久石が強調していたのは「単に”追悼”や”鎮魂”を掲げるのではなく、そこから先の未来に向けたメッセージも伝えなくてはならない」という点だった。それが出来なければ、W.D.O.は真の意味で「ワールド・ドリーム」を名乗る資格がない──そのような強い決意のもと、久石はW.D.O.2015のプログラミングに着手した。
MF Vol.1成功結束的那晚,久石很快地就開始為了W.D.O.2015的實現構想,將節目主題訂為「祈禱」,固定了基本方針。巡迴演奏會的舉辦地點,由久石的強烈意願,加入了廣島及仙台。不用多說,這是意識到2015年的原子彈投下70週年及2011年的東日本大地震所做的決定(湊巧的是,廣島公演剛好業在8月6日,原爆之日當天舉行)。那時,久石強調的是「不只單純要「追悼」及「鎮魂」,台必須傳達走向未來的意念」這一點。如果不能做到這點,那麼W.D.O.久沒有資格稱為「WORLD DREAM」道個名字了——帶着這樣強烈的決心,久石開始着手進行W.D.O.2015的節目單。
プログラムの中で最初に決まったのは、《Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015》である。久石の映画音楽作品、特に宮崎駿監督作品のための音楽は、日本のみならず海外でも演奏頻度が飛躍的に高まり、ここ10年は久石以外の指揮者に演奏を委ねる機会も増えてきた。そこで久石は、宮崎作品のオーケストラ譜を完全版(Definitive Edition)の形で整え、W.D.O.で順次初演していくという計画を立てた。その先陣を切る作品としては、やはり『風の谷のナウシカ』がいちばんふさわしい。宮崎監督と久石が初めてタッグを組んだ記念すべき第1作という歴史的意義に加え、『ナウシカ』が描いている”破壊と再生”というテーマがW.D.O. 2015のプログラムにふさわしいと、久石は判断した。
節目單中最早決定的是《Symphonic Poem "NAUSICAÄ 2015》,久石的電影音樂作品,特別是為了宮崎駿導演作品而作的音樂,不只日本,在國外也以相當高的頻率被演奏,這10年來也增加了許多久石以外的指揮者所指揮的演奏機會。而久石在這樣,將宮崎作品的交響樂譜整理為完全版(Definitive Edition)的形式,立下了帶W.D.O.照順序演出的計劃。而打頭陣的作品,當然最適合的就是《風之谷》了。有着宮崎導演與久石初次合作的第1作這樣的歷史意義『娜烏西卡』描繪出的「破壞」與「再生」這個主題很適合W.D.O.2015的節目單,久石如此判斷。
では、他の曲をどうするか? どうしたら、戦後70周年にふさわしく、かつW.D.O.らしいプログラムを組み立てることが出来るか? ここから、久石の長い格闘が始まった。ある段階では、第2次世界大戦の戦没者や犠牲者のために書かれたクラシック曲、あるいはもっと広い意味で”追悼”をテーマにしたクラシック曲なども、演奏の可能性がかなり真剣に検討された。しかしながら、W.D.O.は既存の常設オーケストラと異なり、クラシックだけを演奏する団体ではあに。レクイエム(鎮魂ミサ曲)のような作品ばかり並べた”追悼演奏会”にしたのでは、W.D.O.らしさが失われてしまう。そうは言っても、W.D.O.2015はヒロシマと東北に向けたステートメントをきとんと伝えなくてはならない──。このような雁字搦めの状況の中、ありとあらゆる可能性が候補に挙がり、また破棄されていった。
那麼,其他歌曲該怎麼辦呢?要怎麼做才能適合戰後70週年,又能排出很有要W.D.O.風格的節目單呢?從這兒開始是久石漫長的格鬥。在某個階段,認真的討論過要演奏為了第2次世界大戰的戰死者及犧牲者寫下的古典樂曲,或是以更廣泛的意義來解釋「追悼」,以其為主題選出演奏的古典樂曲。但是W.D.O.與既存的常設交響樂團不同,不是只演奏古典樂曲的交響樂團。如果是一場只演奏許多安魂曲(鎮魂彌撒曲)的「追悼演奏會」,就會失去W.D.O.的風格。但是,W.D.O.2015必須向廣島及東北確實傳達他們的聲音——。處於這樣的困境中,他們舉出了各種可能性,然後又放棄。
そうした中から生まれてきたのが、久石が2008年に作曲した《The End of the World》を、W.D.O.2015のプログラムの中で演奏するというアイディアである。もともとこの作品は、久石が2001年同時多発テロ(9.11)に着想を得て作曲したといういきさつがある。そして、W.D.O.のテーマ曲である《World Dreams》も、久石が9.11を強く意識して作曲した作品だ。原爆投下70周年と東日本大震災、これだけでも非常に大きいテーマであるが、久石はそこに9.11を加えることで、戦後70年のあいだに我々日本人が何を体験し、何を感じてきたか、その重みを世界全体の普遍性の中で捉え、《The End of the World》に集約して表現しようと考えた。そのアイディアと軌を一にする形で、東北に向けた新作をW.D.O.2015で演奏するというプランも生まれてきた。久石が《祈りのうた》を作曲したのは、そのプランが生まれてからすぐのことである。
在這之中決定了要將久石在2008年作曲的《The End of the World》,加入W.D.O.2015的演奏節目單中。這首作品本來是久石以2001年的同時多處恐怖攻擊(9.11),所得到的感觸而寫下的樂曲。另外W.D.O.的主題曲《World Dream》也是久石對於9.11的強烈意識而寫下的樂曲。原子彈投下70週年與東日本大地震,單就這兩件事來說也是非常宏大的主題,久石又在其中加入了9.11這個題目,戰後70年的時光中,日本人到底體驗了什麼,感受了什麼,在全世界的普遍性中捉摸這份重量,以《The End of the World》為集約表現。那想法與軌跡形成一體,產生了要讓W.D.O.2015在東北演奏新曲的計劃。久石寫下《祈禱之歌》,是在這個計劃誕生後不久的事。
かくして、”祈り”をテーマにしたW.D.O.2015のプログラムは《祈りのうた》《The End of the World》《ナウシカ》の3曲を中心にして構成する、という全体の骨格が固まった。原爆投下70周年の2015年8月6日に広島で演奏しても、東日本大震災の記憶が残る仙台で演奏しても、全く恥ずかしくないプログラムである。まさに「世界の終わり」を垣間見るような重量級の内容だが、そこまで徹底的に突き詰めてこそ、W.D.O.が振り子を揺り戻すようにエンタテインメント性豊かな音楽を演奏することの意味が生まれてくる。その部分に関しては、2015年の久石の新作《Dream More》と、宮崎作品の《紅の豚》を演奏することで万全を期した。
就這樣,以「祈禱」為主題的W.D.O.2015節目單,要用《祈禱之歌》《The End of the World》《娜烏西卡》為中心來構成,這樣整體骨骼就確定了。這是不管是在原爆投下70週年的2015年8月6日於廣島演奏,還是在殘留着東日本大地震的仙台演奏,都不會感到羞恥的節目單。彷彿是從隙縫中看着「世界末日」的重量級內容,正因為如此徹底地追求,才能讓W.D.O.找回自我風格,演奏出充滿娛樂性的音樂,也才更有意義。這個部分可以在2015年久石的新作品《Dream More》及宮崎作品的《飛天紅豬俠》演奏完全感受。
この間、久石は2015年2月の台湾公演と4月のイタリア公演、5月の新日本フィル演奏会(ペルトの交響曲第3番など)、アルバム『Minima_Rhythm II』の準備とリリース、それらと並行して山田洋次監督作『家族はつらいよ』をはじめとする数々のエンタテインメント音楽の作曲など、凄まじいスケジュールをこなしながらW.D.O.2015の準備を進めていった。特に《The End of the World》に関しては、「祈り」というテーマにふさわしい演奏にすべく、作品の構成そのものが大幅に見直された。試行錯誤の結果、《The End of the World》はリハーサル開始まであとわずかというギリギリのタイミングで、ようやく最終的な楽章構成が確定した。
前陣子在2015年2月的台灣公演與4月的意大利公演,新日本phi演奏會(佩爾特的第3號交響曲等),專輯『Minima_Rhythm II』的準備與發行,這些工作同時進行之下,還為山田洋次導演的作品『家人真命苦』等多數娛樂事業音樂作曲,在這樣龐大工作行程之中,也進行着W.D.O.2015的準備。特別是有關《The End of the World》,為了譲它成為適合「祈禱」這個主題的演奏,作品的構成也大幅度的重新審視。不斷嘗試錯誤的結果,《The End of the World》一直到綵排快要開始之前才確定了最終的樂章構成。
2015年8月5日の大阪公演を皮切りに、全国5都市計6回の公演がもたれたW.D.O.2015。筆者はそのうち、東京公演2回を聴いたが、プログラム第1曲の《祈りのうた》がチューブラー・ベルズで始まり、最後のアンコール曲《World Dreams》の最終和音がチューブラー・ベルズで閉じられるのを聴いて、言葉では表現しようのない感動に打ち震えた。鐘で始まり、鐘で終わるW.D.O.2015。2つの鐘は、同じではない。最初は鎮魂の鐘、最後は希望の鐘だ。この2つの鐘が象徴しているように、W.D.O.2015はプログラム全体にわたり、「鎮魂から希望へ」というトータル・コンセプトが見事に貫かれていた。これほど考え抜かれたコンサートは、久石と言えども、そうそう作り上げることが出来るものではない。だからこそ、本盤『The End of the World』のリリースに際しては、アンコールを含むW.D.O.2015の全演奏曲が1曲も割愛されることなく完全収録されることになった(収録フォーマットの関係上、CDとLPでは曲順が若干異なる)。戦後70周年にふさわしい、久石譲&W.D.O.の歴史的名盤がここに誕生した。
從2015年8月5日的大阪公演開始,共巡迴了全國5個都市,全6場公演的W.D.O.2015。筆者前往聆聽的是東京2場公演,節目單第1首的《祈禱之歌》從管鐘琴開始,最後的安可曲《WORLD DREAM》的最終和音是以管鐘琴結束,聽完後有種難以言喻的震撼感動。以鐘聲開始,以鐘聲結束的W.D.O.2015。這兩道鐘聲卻是不同的意義。一開始的是鎮魂之鐘,最後則是希望之鐘,W.D.O.2015整體的節目單都非常講究,將「從鎮魂到希望」這個整體構想完美地貫通。如此有想法的演奏會,就算是久石,也不是那麼輕易就能完成的。正因如此,這張『The End of the World』發行時,才會將W.D.O.2015連安可曲都一首不漏地收錄於其中。非常適合紀念戰後70週年,久石讓&W.D.O.名留青史的鉅作誕生於此。
楽曲解説
樂曲解說
祈りのうた -Homage to Henryk Górecki-
祈禱之歌
原曲は2015年1月、三鷹の森ジブリ美術館オリジナルBGMのピアノ独奏曲として書かれた。久石がホーリー・ミニマリズム(聖なるミニマリズム)の様式で初めて作曲した楽曲である。本盤に収録されているピアノ+弦楽合奏+チューブラー・ベルズ版はW.D.O.2015のプログラム第1番として演奏され、その際、「ヘンリク・グレツキへのオマージュ Homage to Henryk Górecki」という副題が付加された。グレツキは、アウシュヴィッツ強制収容所の悲劇-ヒロシマと共に第2次世界大戦を象徴する悲劇-をテーマにした《交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」》で知られるホーリー・ミニマリズムの作曲家である。冒頭、チューブラー・ベルズが弔鐘のように鳴り響くと、最初のセクションでピアノ独奏が透明感あふれる三和音のモティーフを導入し、中間部のセクションでピアノとヴァイオリンが悲しみに満ちた和音を演奏した後、嗚咽がこみ上げるような弦楽合奏が加わり、最初のセクションが再現されるという構成になっている。
原曲是2015年1月,為了在三鷹之森吉卜力美術館播放而寫下的鋼琴獨奏曲。久石初次寫下聖靈低限主義的樂曲。本作收錄的是鋼琴+弦樂合奏+管鐘琴版,這首樂曲在W.D.O.2015節目單中,是第一首被演奏的樂曲,當時還加上了「對葛瑞茲基,亨里克的敬意Homage to Henryk Górecki」這個副標題。葛瑞茲基是以奧斯威辛集中營的悲劇——與廣島同為象徵第2次世界大戰的悲劇——為主題的《第3號交響曲》而成名的聖靈低限主義作曲家。開頭,管鐘琴有如弔鐘般迴響,爾後加入了鋼琴獨奏,導入了充滿透明感的三和音,中段由鋼琴與小提琴奏出充滿悲傷的合音後,又加入了如嗚咽般的弦樂合奏,像是要再現最初的構成一般。
The End of the World for Vocalists and Orchestra
The End of the World for Vocalists and Orchestra
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul -
III. D.e.a.d - IV. Beyond the World
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul -
III. D.e.a.d - IV. Beyond the World
原曲は、久石が2007年秋にニューヨークを訪れた時の印象を基に作曲された。当初《After 9.11》というタイトルが付けられていたように、2001年同時多発テロ(9.11)による世界秩序と価値観の崩壊が引き起こした「不安と混沌」をテーマにした作品である。この楽曲は2008年の初演から本盤のW.D.O.2015ヴァージョンまで、かなり複雑な変遷をたどっているので、以下にその過程を列挙する。

(A)コンサート・ツアー『Piano Stories 2008』初演ヴァージョン(12本のチェロ、コントラバス、ハープ、パーカッション、ピアノのための)
I. Collapse - II. Grace of the St. Paul - III. Beyond the World の3楽章からなる組曲。

(B)アルバム『Another Piano Stories~The End of the World』(2009年2月リリース)収録ヴァージョン
上記(A)に後述のヴォーカル・ナンバー《The End of the World》(ヴォーカルは久石)を加えた4楽章の組曲版。

(C)アルバム『Minima_Rhythm』(2009年8月リリース)収録バージョン(合唱と管弦楽のための)
3楽章版(A)を大幅に加筆してフル・オーケストラ化。併せて第3楽章〈Beyond the World〉では、(A)の構想段階で終わっていた合唱の導入が初めて実現した。

(D)本盤収録のW.D.O.2015ヴァージョン(声楽と管弦楽のための)
(C)の〈Grace of the St.Paul〉と〈Beyond the World〉の合間に、新たな楽章〈D.e.a.d〉を追加。終楽章〈Beyond the World〉の後、ヴォーカル・ナンバー《The End of the World》が続き、全5楽章の組曲のように演奏される。

I. Collapse
グラウンド・ゼロの印象を基に書かれた楽章。冒頭、チューブラー・ベルズが打ち鳴らす”警鐘”のリズム動機が、全曲を統一する循環動機もしくは固定楽想(idéefixe)として、その後も繰り返し登場する。先の見えない不安を表現したような第1主題と、より軽快な楽章を持つ第2主題から構成される。

II. Grace of the St.Paul
楽章名はグラウンド・ゼロに近いセント・ポール教会(9.11発生時、多くの負傷者が担ぎ込まれた)に由来する。冒頭で演奏されるチェロ独奏の痛切な哀歌が中近東風の楽想に発展し、人々の苦しみや祈りを表現していく。このセクションが感情の高まりを見せた後、サクソフォン・ソロが一種のカデンツァのように鳴り響き、ニューヨークの都会を彷彿とさせるジャジーなセクションに移行する。そのセクションで繰り返し聴こえてくる不思議な信号音は、テロ現場やセント・ポール教会に駆けつける緊急車両のサイレンのドップラー効果を表現したものである。

III. D.e.a.d
原曲は、2005年に発表された4楽章の管弦楽組曲《DEAD》(曲名は”死”と、D(レ)E(ミ)A(ラ)D(レ)の音名のダブル・ミーニング)の第2楽章〈The Abyss~深淵を臨く者は・・・・~〉。原曲の楽章名は、ニーチェの哲学書『ツァラトゥストラはかく語りき』に登場する一節「怪物と闘う者は、その過程で自分が怪物にならぬよう注意せねばならない。深淵を臨くと、深淵がこちらを臨き返してくる」に由来する。今回、新たに声楽と弦楽合奏のために再構成され、久石のアイディアを基に麻衣が歌詞を書き下ろした。声楽パートをカウンターテナーが歌うことで、歌詞が特定の事件(すなわち9.11)や世俗そのものを超越し、ある種の箴言のように響いてくる。

IV. Beyond the World
「世界の終わり」の不安と混沌が極限に達し、同時にそれがビッグバンを起こすように、「生への意思」に転じていくさまを、8分の11拍子という複雑な変拍子と、絶えず変化を続ける浮遊感に満ちたハーモニーによって表現した壮大な楽章。アルバム『Minima_Rhythm』録音時に、久石自身の作詞によるラテン語の合唱パートが付加された。楽章の終わりには、チューブラー・ベルズの”警鐘”のリズム動機が回帰する。
原曲是以久石在2007年秋天造訪紐約時的印象寫下的。當初的曲名是《After 9.11》,是以2001年的同時多處恐怖攻擊(9.11)造成的世界秩序與價值觀崩壞引起的「不安與混沌」為主題寫下的樂曲。這首樂曲從2008年初演起到本作收錄的W.D.O.2015版本為止,經過相當複雜的變遷,以下列舉這首樂曲的變遷。

(A)巡迴演奏會『Piano Stories 2008』初演版本(12隻大提琴,低音大提琴,打擊樂器,鋼琴)
以I. Collapse—II. Grace of the St. Paul——III. Beyond the World這3個樂章組成的組曲。

(B)專輯『Another Piano Stories〜The End of the World〜』(2009年2月發行)收錄版本
在(A)之後的歌唱版本《The End of the World》(演唱者是久石),共4個樂章的組曲版。

(C)專輯『Minima_Rhythm』(2009年8月發行)收錄版本(合唱與管弦樂版)
將3樂章版(A)作成交響樂化的完整版本。將第3樂章<Beyond the World>中,導入了在(A)的時候仍只是構想的合唱。

(D)本作收錄的W.D.O.2015版本(聲樂與管弦樂版)
(C)的<Grace of the St. Paul>與<Beyond th World>間加入了新的樂章<D.e.a.d>。在終樂章<Beyond the World>之後,《The End of the World》歌聲持續,像是演奏了共5個樂章的樂章的組曲。

I. Collapse
以原爆點為印象寫下的樂章。開頭是以管鐘琴敲響「警鐘」這樣的旋律動機,以統一全曲的循環動機或是固定樂想(idée fixe)的構想,之後也會反復登場。像是像是要表現看不見未來的不安,這樣的第1主題,是從有着更加輕快構想的第2主題來構成的。

II. Grace of the St. Paul
樂章名的由來是接近原爆點的聖保羅教堂(9.11發生時許多負傷者都被搬送到這裏)。開頭的大提琴獨奏由悲痛的哀歌發展為中近東風樂想,表現出人們的苦痛與祈禱。這裏的演奏讓人看到情緒的高揚之後,薩克斯風的聲音迴響,移動到仿佛置身紐約街頭的演奏。在這裏可以聽到不斷反復,不可思議的信號聲,要表現出趕到恐怖攻擊現場及聖保羅教堂的緊急救援車輛警鈴聲。

III. D.e.a.d
原曲是2005發表的4樂章管弦樂團組曲《DEAD》(曲名是「死」與D(Re)E(Mi)A(La)D(Re)的音名雙重意義)的第2樂章<The Abyss〜面臨深淵者....〜>。原曲的樂章名,是在尼采的哲學書「査拉圖斯特拉如是說」登場的一個環節「與怪物搏鬥者,在過程中須注意不能讓自己變成怪物。你面臨深淵,深淵也會面對着你」以此為由來。這次還新加入了聲樂與弦樂合奏,以久石的想法為基礎,由麻衣寫下歌詞。聲樂部分由假聲男高音演唱,歌詞超越了特定的事件(也就是9.11)及世俗,像是某種箴言般迴響。

IV. Beyond the World
「世界末日」的不安興混沌到達極限,同時像是要引起大爆炸一般轉變為「求生意志」,他以8分之11拍這樣複雜又奇怪的拍子與不斷改變,充滿浮游感的合音表現出壯大的樂章。專輯『Minima_Rhythm』錄音時,加入了由久石作詞寫下的拉丁語合唱部分。在樂章終結時,又回到管鐘琴的「警鐘」旋律動機。
Recomposed by Joe Hisaishi The End of the World
Recomposed by Joe Hisaishi The End of the World
原曲は、ポップス歌手スキータ・デイヴィスが1962年にヒットさせたヴォーカル・ナンバー(邦題は《この世の果てまで》)。歌詞の内容は、作詞者のSylvia Deeが14歳で父親と死別した時の悲しみを綴ったものとされている。このヴォーカル・ナンバーは、上述の組曲《The End of the World》の作曲にも大きなインスピレーションを与えた。本楽曲のメロディーの美しさをかねてから高く評価していた久石は、アルバム『Another Piano Stories』の時と同様にヴォーカル・ナンバーをリコンポーズし、それを組曲のエピローグとして付加している。交響曲の中に世俗曲や民謡を引用した、グスタフ・マーラーの方法論にも近いと言えるだろう。〈D.e.a.d〉とは正反対に、愛する者を失った悲しみをエモーショナルに歌うカウンターテナーと、その嘆きを暖かく包み込む崇高な合唱。その背後で静かに鳴り響くチューブラー・ベルズのリズム動機は、もはや恐ろしい”警鐘”ではなく、祈りの弔鐘”へと優しく姿を変えている。かくして9.11の悲しみは、誰もが共感し得る私たち自身の悲しみに昇華して普遍化を遂げ、戦後70周年にふさわしい世界観を獲得することに成功している。
原曲是流行樂歌手史琪特戴維斯在1962年唱紅的歌曲(日本取名為《到這世界的盡頭》)。歌詞的內容寫到作詞者Sylvia Dee在14歲時與父親死別時的悲傷。這首歌曲也給了上述組曲《The End of the World》作曲時,相當大的靈感)。久石從以前就稱讚這首歌的旋律優美,在專輯『Another Piano Stories』時,同樣以加入合唱的方式重新構成,放在組曲的結尾。交響樂曲中引用的流行樂或民謠,可以說是與馬勒,古斯塔夫的方法論很相近吧。與<D.e.a.d.>正相反,將失去深愛之人的悲痛,由假聲男高音充滿情感的聲音演唱。在其後靜靜響起的管鐘琴旋律動機,已不再是「警鐘」,變成了溫柔祈禱的「弔鐘」。而9.11的悲傷,昇華為任誰都能獲得同感的,我們自身的悲痛,而達到了普遍化,成功地獲得了適合戰後70週年的世界觀。
紅の豚
il porco rosso - Madness
飛天紅豬俠
il porco rosso - Madness
世界大恐慌のイタリアを舞台に、豚の姿に変わった伝説のパイロット、ポルコ・ロッソの活躍を描いた宮崎駿監督の冒険ロマン。物語の時代が1920年代後半に設定されていたため、久石の音楽も1920年台のジャズ・エイジを強く意識したスコアとなった。本盤収録の2曲のうち、前半の〈il porco rosso〉はイメージ・アルバムで《マルコとジーナのテーマ》と名付けられていた、《帰らざる日々》のテーマ。ジャージーなピアノが、マルコ(ポルコの本名)と美女ジーナの”ロマンス”をノスタルジックに演出する。後半の〈Madness〉は、ポルコがファシストたちの追手を逃れ、飛行艇を飛び立たせるアクション・シーンの音楽。もともとこの楽曲は、小説家フィッツジェラルドをテーマにした久石の1992年のソロ・アルバム『My Lost City』(アルバム名はフィッツジェラルドのエッセイ集のタイトルに由来)に収録されていたが、宮崎監督の強い要望で本編使用曲に決まった、という逸話がある。大恐慌直前のジャズ・エイジの”狂騒”と、1980年代後半のバブルの”狂騒”を重ね合わせて久石が表現した〈Madness〉。その警鐘に耳を傾けることもなく、日本のバブルは『My Lost City』リリースと『紅の豚』公開の直後、崩壊した。
以世界大恐慌後的意大利為舞台,描寫傳說中的飛行員,波魯克·羅梭,變身為豬的活躍的模樣,是宮崎駿導演的冒險浪漫故事。故事的時代設定在1920年代後半,久石的音樂也強烈地意識著1920年代的爵士時代,本作收錄的2首樂曲,前半的<il porco rosso>在形象專輯中被取名為《馬魯克與吉娜的主題曲》,是《一去不復返的時光》的主題。充滿爵士感的鋼琴,用懷舊的感覺,表現出了馬可(波魯克的本名)與美女吉娜之間時「羅曼史」。後半的<Madness>是波魯克為了逃離法西斯主義者的追殺,啟動飛行艇起飛的動作音樂場景。本來是收錄在小說家菲茨傑拉德為主題,久石在1992年的SOLO專輯『My Lost City』(專輯名以菲茨傑拉德的詩集名為由來)之中的樂曲,因宮崎導演的強烈希望,決定將這首樂曲放入電影中使用。久石將大恐慌前爵士時代的「狂騷」與1980年代後半泡沫經濟的「狂騷」重疊表現出了<Madness>。不在意那警鐘聲,日本的泡沫經濟在『My Lost City』發行與『飛天紅豬俠』上映後不久,便崩塌了。
Dream More
Dream More
サントリー「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム」のCMテーマとして作曲された、2015年の久石の新作のひとつ。CM発表会見にて、久石は「ノスタルジックで感傷的なメロディー」を「いろいろな味わいのする多重奏」に仕上げたと語っている。本盤に収録されているのは、W.D.O.2015で世界初演されたフル・ヴァージョン。《Dream More》という曲名には、現状に満足せず、さらなる夢(ドリーム)を追い求めていこうとする久石とW.D.O.の飽くなきチャレンジ精神が込められているように思われる。
為了SUNTORY「THE PREMIUM MALT'S MASTER'S DREAM」的廣告而作的樂曲,是久石在2015年的新作其中之一。在廣告發表記者會上,久石說道「懷舊且感傷的旋律」以「可以品嘗到多種味道的多重奏」表現。本作收錄的是W.D.O.2015在世界上初次演奏的完整版。《Dream More》這個曲名,表現出了不滿足現狀,要繼續追求更進一步的夢想,這份久石和W.D.O.不厭倦的挑戰精神。
Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015
Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015
(a)風の伝説 – (b)遠い日々 – (c)ナウシカ・レクイエム – (d)メーヴェとコルベットの戦い –
(e)谷への道 – (f)蘇る巨神兵 – (g)遠い日々 – (h)鳥の人 – (i)風の伝説
(a)風之傳說–(b)遙遠的日子–(c)娜烏西卡·安魂曲–(d)滑翔翼與飛行艇的戰爭–
(e)朝向谷裏的道路–(f)甦醒的巨神兵–(g)遙遠的日子–(h)鳥人–(i)風之傳說
最終戦争「火の七日間」が勃発し、巨神兵が破壊の限りを尽くして崩壊した巨大産業文明。それから1000年後、荒廃した世界の中で暮らす少女ナウシカは、戦乱の中で自然との共生を強く訴えかけ、自ら命を投げ出すことで世界に奇跡を起こす。久石と宮崎監督がタッグを組んだ記念すべき第1作にして、久石の代表作のひとつでもある『風の谷のナウシカ』の音楽は、久石自身のコンサートに限っても、これまでさまざまな編成によって演奏されてきた。演奏会用の管弦楽曲に関しては、メインテーマ〈風の伝説〉の単独演奏ほか、すでに2つの組曲が交響詩の形で演奏されている。すなわち、アルバム『WORKS I』収録の1997年ヴァージョン(a, b, c, d, e, g, h, i)と、BD&DVD『久石譲 in 武道館』およびアルバム『The Best of Cinema Music』収録の2008年ヴァージョン(a, b, c, d, g, h, i)である。今回の演奏に際しては、久石は『ナウシカ』のために作曲した素材をすべて検討し直し、完全版となる新たなヴァージョンを作り上げた。この完全版は、近く楽譜出版が予定されている。

(a)風の伝説
本編オープニングタイトルの音楽。衝撃的なティンパニで始まる導入部の後、久石のソロ・ピアノが万感の想いを込めてメインテーマを演奏する。そのメロディーの冒頭部分は、あたかも1980年代の映画音楽のトレンドに真っ向から抵抗するかのように、コード進行をほとんど変えない形で作曲されている。ミニマル・ミュージックの作曲家ならではのストイックな音楽的姿勢と、文字通り身を削るようなナウシカの壮絶な生きざまが重なって聴こえてくるのは、筆者ひとりだけではないだろう。

(b)遠い日々
「ラン・ランララ・ランランラン」の歌詞で知られるモティーフを、オーケストラのみで扱った部分。軽やかな木管がモティーフを提示した後、バロック風のフーガが続く。このフーガは、チェロとピアノのために書かれた《「風の谷のナウシカ」より組曲5つのメロディー》第4曲のフゲッタを発展させたものである(蛇足だが、曲のイメージと本編の印象から、「ラン・ランララ・ランランラン」のモティーフを〈ナウシカ・レクイエム〉と表記する解説がしばしば見受けられるが、それらはすべて誤り。正しくは〈遠い日々〉のモティーフである)。

(c)ナウシカ・レクイエム
自らの命を犠牲にして、虫たちの暴走を止めたナウシカを人々が嘆き悲しむシーンの音楽。バロックの作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルにも通じる力強い楽想が、聴く者に強い印象を与える。日本武道館で演奏された2008年ヴァージョンより、この部分の音楽には合唱パートが付加され、レクイエム(鎮魂ミサ曲)の〈怒りの日〉のラテン語歌詞を歌う。歌詞と訳は次の通り。「Dies iræ, dies illa 怒りの日が到来する時/solvet sæclum in favilla この世は灰燼に帰すだろう/teste David cum Sibylla ダビデとシビラの予言のように/Quantus tremor est futurus その恐ろしさは如何ばかりか」。

(d)メーヴェとコルベットの戦い
小型飛行機メーヴェを操るナウシカがトルメキア軍の大型戦闘機コルベットの追撃をかわすシーンの、ダイナミックな音楽。

(e)谷への道
サントラ録音に先立ち、久石が宮崎監督の絵コンテを基に作曲・録音した『イメージアルバム 鳥の人・・・』および『シンフォニー 風の伝説』に収録されていた楽曲。本編では未使用に終わったが、『ナウシカ』の世界観を表現するのに欠かせない重要な音楽のひとつである。当初からチェロの音色を意識して作曲されたという経緯もあり、本盤に聴かれる演奏でも、チェロがモティーフに豊かな膨らみを与えている。

(f)蘇る巨神兵
今回、初めて交響詩の中に組み込まれたモティーフ。不気味なグリッサンドを歌う合唱パートが新たに付加され、巨神兵の恐怖を強調する。

(g)遠い日々
本編のクライマックス、絶命したはずのナウシカが蘇る感動的なシーンの音楽。サントラ録音時、まだ4歳だった久石の娘・麻衣が「ラン・ランララ・ランランラン」を歌い、絶大な効果を上げた逸話はあまりにも有名である。W.D.O.2015の演奏に先立つリハーサルでは、「オペラ歌手のように朗々と歌わず、あくまでも気負わないで」と久石が指示を与えていたのが印象的だった。

(h)鳥の人
上の(g)に続き、人々がナウシカの再生と平和の到来を喜ぶラストの音楽。壮大な合唱が「ラララン・ランランラン」と歌い、音楽は歓喜の頂点に達する。

(i)風の伝説
オーボエが〈風の伝説〉のモティーフをしみじみと回想した後、本編エンドロールの音楽を凝縮したエピソードで全曲が閉じられる。
最終戰爭「七日之火」發生,巨神兵極盡所能地破壞而崩壞的巨大產業文明。在1000年後,居住在荒廢世界中的少女娜烏西卡,在戰亂中強烈訴求要與自然共生,犧牲自己的生命讓世界誕生了奇蹟。久石與工期導演初次合作值得紀念的第1作,也是久石代表作其中之一的『風之谷』樂曲,單就久石自己的演奏會來算,也曾以多種編曲版本來演奏過。而演奏會用的管弦樂曲部分,除了主題<風之傳說>的單獨演奏外,也已經編寫演奏過2個以交響詩篇的方式演奏的。也就是專輯『WORKS I』中收錄的1997年版本(a,b,c,d,e,g,h,i)與BD&DVD『久石讓in武道館』及専輯『The Best of Cinema Music』收錄的2008年版(a,c,d,g,h,i)
這兩個版本。這次演奏時,久石將為了『娜烏西卡』所作的曲全部重新審視作出了全新的完整版。這個完全版也將在近期內出版樂譜。

(a)風之傳說
本篇開場主題音樂,以衝擊的定音鼓導入後,久石加入了萬種情感來演奏這首主題的鋼琴獨奏。旋律開頭,像是要正面反抗1980年代電影音樂的主流一般,作曲中幾乎沒有更改任何和弦的更動。可以聽到身為簡約音樂作曲家對音樂鑽研講究的態度,還有如文字般獻身地娜烏西卡壯烈的人生,相信這不是筆者個人的感受。

(b)遙遠的日子
以「Ian·lanlala·lanlanlan」這句歌詞成名,這個動機只用交響樂團來演奏。輕巧的木管提示了動機後,巴洛克風格的賦格曲延續下去。這首賦格曲,是為了讓它發展成為了大提琴與鋼琴寫下的《「風之谷」中5個組曲的旋律》第4曲的小復格曲而作的(雖然有點畫蛇添足,但從曲子和本篇的印象來看,常見到「Ian·lanlala·lanlanlan」的動機表記為<娜烏西卡·安魂曲>的解說,但這都是錯誤的。正確應該是<遙遠的日子>的動機)。

(c)娜烏西卡·安魂曲
娜烏西卡犧牲自己的生命,止住蟲的暴走,這裏的音樂描寫了人們為了她悲嘆的場景。巴洛克作曲家韓德爾·格奧爾格弗里德里希也能認同的強力樂享,給聽者強烈的印象。從在日本武道館演奏的2008年版起,這個部份加上了合唱,安魂曲(鎮魂彌撒曲)的<憤怒之日>以拉丁語歌詞演唱。歌詞翻譯如下「憤怒之日到來時/這世間會回歸灰燼吧/正如大衛和希比拉的預言般/那該會是何等的恐懼」

(d)滑翔翼與飛行艇的戰爭
操縱小型飛機滑翔翼的娜烏西卡躲避多魯美奇亞軍的大型戰鬥機飛行艇的場景,非常有爆發力的音樂。

(e)朝向谷裏的道路
在收進原聲帶前,久石以宮崎導演的畫稿為基礎而作曲·錄音的『意識專輯 鳥人...』及『Symphony 風之傳說』中收錄的樂曲。本篇中未被使用,但卻是表現『娜烏西卡』世界觀不可或缺的重要音樂之一。最初就是意識著大提琴音色而作的曲,本作中的演奏也是以大提琴為動機再加以豐富的版本。

(I)甦醒的巨神兵
這次是第一次加入交響詩篇的動機。陰森的滑奏新增了合唱部分,強調了巨神兵的可怕。

(g)遙遠的日子
本篇的最高潮,本應已死的娜烏西卡重生的感動場景音樂。在錄原聲帶時,當時只有4歲的久石的女兒·麻衣唱了「Ian·lanlala·lanlanlan」這句,造成了絕大的效果。W.D.O.2015演奏前的排練時,久石指示「不要像歌劇歌手般演唱的很浩瀚,總之自我主張不要太強」令人印象深刻。

(h)鳥人
延續(g),人們因娜烏西卡的重生與和平的到來感到歡喜,最後的音樂。壯闊闊的合唱着「lalalan·lanlanlan」,達到了音樂與歡喜的頂點。

(i)風之傳說
雙簧管深刻地回想了<風之傳說>的動機後,以濃縮了本篇End Roll的音樂來結尾,完成了這首樂曲。
Your Story 2015
Your Story 2015
原曲は、第34回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀音楽賞ほか5部門に輝いた李相日監督『悪人』の主題歌。W.D.O.2015のアンコールで、テナーとカウンターテナーのための新ヴァージョンが披露された(本盤の演奏では、高橋淳が両方の声域にまたがる形で歌唱を披露している)。2011年、東日本大震災の3ヶ月後に開催されたチャリティ・コンサートでは、久石が撮影してきた被災地のスチール写真の投影と共に《Your Story》が演奏され、聴衆に深い感銘を与えた。そこには「Your Storyとはあなたたち、わたしたち日本人のストーリー」という言外の意味が込められていたように思われる。以上のような文脈を考慮し、別掲の歌詞日本語訳は、サントラ盤所収の日本語訳とは異なる形で訳出した。
原曲是第34回日本奧斯卡最優秀作品獎,最優秀音樂獎等共獲得5個獎項,由李相日導演執導的電影『惡人』主題曲。放在W.D.O.2015的安可時間,演奏了以男高音與假聲男高音為主的新版本(本作中的演奏是由高橋淳跨越兩方聲域的形式來歌唱)。2011年東日本大地震的3個月後舉行的慈善演奏會上,配合着久石在受災地拍攝的照片一起演奏了以《Your Story》,讓聽眾都感觸良多。那兒有着「Your Story與你們、我們日本人的故事」,似乎帶有這樣的弦外之音。考慮到以上的文脈,這裏刊登的日文翻譯歌詞與原聲帶所收錄的日文翻譯是不同的。
World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra
World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra
2004年、久石と新日本フィルがW.D.O.を立ち上げた歳に書き下ろした、W.D.O.テーマ曲。「作曲している時、僕の頭を過っていた映像は9.11のビルに突っ込む飛行機、アフガン、イラクの逃げまどう一般の人々や子供たちだった。『何で・・・・』そんな思いの中、静かで優しく語りかけ、しかもマイナーではなくある種、国家のような格調のあるメロディーが頭を過った」。本盤では、2011年に麻衣が作詞した歌詞を合唱が歌うヴァージョンが演奏されている。久石とW.D.O.が奏で続ける”世界の夢”(ワールド・ドリーム)を象徴した、崇高なメロディー。そこに込められた”希望の力”を、チューブラー・ベルズが心に刻みこむよういして静かに鳴り響き、W.D.O.2015の幕となる。
2004年,久石與新日本愛樂組成W.D.O.時所寫下的W.D.O.主題曲。「作曲時,我的腦海中浮現了9.11飛機撞上大樓、阿富汗、伊拉克逃亡的一般人及孩子們。在『為什麼...』這樣的疑問中,閑靜且溫柔地訴說,而且不是冷門的,而是有種像國歌般的旋律閃入我的腦中」。本作中將2011年麻衣所寫的歌詞以合唱的方式詮釋。象徵久石與W.D.O.持續演奏的「世界之夢」,旋律非常崇高。在那兒有着「希望的力量」管鐘琴在沉靜中迴響刻劃人心,為W.D.O.2015落幕。
2016年5月27日、オバマ大統領広島訪問の日に
前島秀国 Hidekuni Maejima
サウンド&ヴィジュアル・ライター
寫於2016年5月27日,奧巴馬訪廣島之日
前島秀國 Hidekuni Maejima
Sound&Visual·Writer
歌詞
歌詞
The End of the World 〜III D.e.a.d〜
我是何等悲哀的人
想要的東西是幸福
為什麼?沒有你能活下去嗎?
你不存在的世界,不會完結
我的世界
但是,你和我不是相同的人種
我會接受
你不在,這個不完全的世界
我想要的是......
Woo
The End of the World 〜IV. Beycnd the World〜
世界會 終結
世界會 終結
人們會 祈禱
悲傷與危機 會因愛而遠離
The End of the World
為什麼太陽,會持續閃耀?
為什麼大海,會持續拍浪?
因為,你不愛我
世界就要終結了,大家都沒發現嗎?

為什麼鳥兒,會持續歌唱?
為什麼星兒,會在天空發光?
失去你的愛之時
世界就要終結了,大家都沒發現嗎?

早上,醒來時,覺得不可思議
為什麼,一切都沒變,是相同的呢?
不懂,我不懂
像這樣過着人生

為什麼我的心,會持續鼓動呢?
為什麼我的眼,會持續流淚呢?
你與我道別時
世界就要終結了,大家都沒發現嗎?
Your Story
我們佇立在,冰冷黑暗之所
地底深處,海底深處
我到底做了什麼?你又到底犯了什麼錯呢?
我倆緊緊擁抱,別從回憶中消去 已無法回到寂靜

那兒以往,是個虛無之地
沒有恐懼、也沒有追求之人
但是,你出現了,開拓了道路
若又回到孤獨,害怕得無法忍受

就這樣停下來,希望你聽聽心之旋律
肌膚的溫度,柔軟的吻
這就是愛嗎?

為何會不順利,我們捫心自問
—直等到心焦,也相信會持續下去的
在身邊沉眠的天使之顏,眼眸帶淚
「求求你,別與我分離」像是過往錯誤般,不想捨棄她。

她沒有依靠,也沒有該前往的地方
她想要屬於自己的居所,一直夢想着
我們想要的東西,就是能安心的故鄉
若能回轉時間,想在你身邊更多時間

我們佇立在,冰冷黑暗之所
地底深處,海底深處
我我們偽裝着內心,悲傷地吻別
回想起無可取代的愛,才第一次發現你的重要......
Word Dreams
Word Dreams
作曲:久石譲 歌詞:麻衣

遙かなるこの大地 朝日を浴び
澄み渡る青い空 時の歩みをうつす
世界の声は 希望の力
時を越え響き渡れ 愛を歌おう

哀しみにつまずけば 自由がみえる
歓びの灯が消えても 共に歩き続けよう
世界の夢よ 全ての人に
届けようこの歌声 愛を信じて

夢をみるひとすじの小さな光
千年の時を経て 明日を照らし続ける
愛を歌おう

遙かなるこの大地 朝日を浴び
澄み渡る青い空 時の歩みをうつす
世界の夢よ すべての人よ
誇り高きこの夢に 愛を誓おう
永久(とわ)に誓おう
遙遠的這個大地 沐浴朝陽
一片清澄的漫天 映照在時光步伐上
世界的聲音是 希望的力量
跨越時間迴響 唱出愛吧

若是因哀傷跌倒 就能看見自由
就算歡喜的燈火熄滅 也要一起走下去
世界的夢啊 要傳達給所有的人
這歌聲 相信愛

夢想中一道小小的光芒
經過千年時光 持續照亮明日
唱出愛吧

遙遠的這個大地 沐浴朝陽
一片清澄的漫天 映照在時光步伐上
世界的夢啊 所有的人啊
對着令人驕傲的夢想與愛 許下誓言吧
永久地許下誓言吧