「交響組曲 もののけ姫」Recording in PRAHA
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1998年7月8日発売
「交響組曲 もののけ姫」
作曲・編曲・演奏・プロデュース:久石譲
マリオ・クレメンス指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
収録ホール:芸術家の家(ドヴォルザーク・ホール/プラハ1998年6月録音)
曲目
1.第一章アシタカせっ記(5:46)
※注「せっ記」の「せっ」は造語のため表示できません。
2.第二章TA・TA・RI・GAMI(6:42)
3.第三章旅立ち~西へ~(4:56)
4.第四章もののけ姫(4:41)※ピアノ:久石譲
5.第五章シシ神の森(6:08)
6.第六章レクイエム~呪われた力~(7:08)
7.第七章黄泉の世界~生と死のアダージョ~(7:18)
8.第八章アシタカとサン(4:27)※ピアノ:久石譲
TOTAL TIME(47:23)
発売:徳間ジャパンコミュニケーションズ
TKCA-71395
定価:3,059円(税込)2,913円(税抜)
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1998年7月8日发售
《交响组曲 幽灵公主》
作曲、编曲、演奏、制作:久石让
指挥:马里奥·克莱门斯
演奏:捷克爱乐乐团
录音地点:艺术家之家(德沃夏克音乐厅/布拉格,1998年6月录音)
曲目
1.第一章 阿西达卡传说(5:46)
※注:“传说”中的“传”为造词,无法显示。
2.第二章 TA·TA·RI·GAMI(6:42)
3.第三章 启程~向西~(4:56)
4.第四章 幽灵公主(4:41)※钢琴:久石让
5.第五章 山兽神之森(6:08)
6.第六章 安魂曲~被诅咒的力量~(7:08)
7.第七章 黄泉世界~生与死的柔板~(7:18)
8.第八章 阿西达卡与珊(4:27)※钢琴:久石让
总时长:47:23
发行:德间日本通信
TKCA-71395
定价:3,059日元(含税)2,913日元(不含税)
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このアルバムについて
昨年公開した映画「もののけ姫」の記録的な大ヒットと共に1997年7月に発売したサウンドトラックアルバムも約50万枚(1998年6月現在)のセールスと今もなお売れ続けています。サウンドトラックは本編の尺と曲順をそのままCDに落し込んだもので、映画をご覧になった方から、これを聴くと「映像シーンが浮かんで来て素晴しい」と言うご感想も多数頂きましたが、反面一曲のタイムが短い為、「もっと続きを聴きたい」と言うご要望も多数戴きました。
そこで、ご要望にお答えするべく、「もののけ姫」アルバム第3弾として昨年9月から企画が持ち上がり、同時に完成度の高いサウンドトラック以上のアルバムを創らなければならないとスタッフ一同使命感にかられていました。
結果、音楽プロデューサーの久石譲さんから「これから世界へ翔こうとしているもののけ姫をスラヴ色の強い一流のオーケストラでやってみよう。宮崎監督の持っている空気感のようなものと東欧のそれは、相通じるのではないか。」という提案があり、ヨーロッパ各地のオケをピックアップ。幾度となく打ち合わせを重ねた中、最終的に東欧の名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団に決定し、制作がスタートしました。
アルバムの内容も映画の構成を重視し、メインテーマとポイントの場面音楽をピックアップし、全8曲の組曲構成にしました。
ここでレコーディングにした、チェコと収録ホールについて少し触れてみましょう。
チェコ共和国(資料:1)(写真:1)は、ヨーロッパの中東部に位置する内陸の国。
大きくは、西部のボヘミア地方と東部のモラビア地方に分かれています。そのボヘミア地方にある首都プラハで今回のレコーディングは行われました。
プラハは、スメタナやドヴォルザークを生み、モーツァルトもゆかりの深い東欧屈指の音楽の都。街角では音楽家がヴァイオリンを弾き、毎日どこかでコンサートが開かれていてプラハの街は常に音楽で溢れています。1946年以来、毎年、この街を舞台に「プラハの春音楽祭」(5月12日~6月1日)が行われています。その初日は、プラハをこよなく愛したチェコ出身の作曲家スメタナの命日である5月12日。開幕曲は、スメタナの交響詩『わが祖国』で今年もウラディミール・ヴァーレク指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏により幕を開け、世界中のクラシックファンを魅了しました。その「プラハの春音楽祭」開幕を飾ったチェコ・フィルハーモニー管弦楽団(資料:2)が今回「もののけ姫」を演奏してくれました。日本生まれの「もののけ姫」をヨーロッパの演奏家たちがどのように表現してくれるのか、とても楽しみでした。
また、録音はヴルタヴァ川の辺りに建つ、クラシック音楽の殿堂「芸術家の家 Rudolfinum ドヴォルザークホール」(写真:2)で収録しました。この建物は、19世紀後半に建設され、ネオ・ルネッサンス様式による代表的建築として知られています。
写真1
写真2
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关于这张专辑
随着去年上映的电影《幽灵公主》创下票房纪录,1997年7月发行的原声带专辑也取得了约50万张的销量(截至1998年6月),并且至今仍在持续热卖。原声带专辑完全按照电影的时长和曲目顺序制作成CD,许多看过电影的观众表示,听到这些音乐时“脑海中会浮现出电影的画面,非常美妙”。然而,另一方面,由于每首曲子的时长较短,也有许多观众表达了“希望能听到更长的版本”的愿望。
为了回应这些需求,自去年9月起,我们开始策划《幽灵公主》专辑的第三弹,同时,全体工作人员也怀抱着必须制作出比原声带更高质量的专辑的使命感。最终,音乐制作人久石让提出了一个建议:“让我们用斯拉夫风格浓厚的一流交响乐团来演绎这部即将走向世界的《幽灵公主》。宫崎骏导演所营造的氛围与东欧的音乐风格或许有着相通之处。”于是,我们开始在欧洲各地挑选乐团。经过多次讨论,最终决定由东欧的名门乐团——捷克爱乐乐团来负责演奏,并正式启动了制作。
专辑的内容也以电影的结构为基础,精选了主题曲和关键场景的音乐,组成了全8首的组曲。
在这里,让我们简单介绍一下录音地点——捷克以及录音大厅。
捷克共和国(资料:1)(照片:1)位于欧洲中东部,是一个内陆国家。大致分为西部的波希米亚地区和东部的摩拉维亚地区。本次录音在波希米亚地区的首都布拉格进行。
布拉格是孕育了斯美塔那和德沃夏克等音乐家,并与莫扎特有着深厚渊源的东欧音乐之都。街头巷尾常有音乐家演奏小提琴,每天都有音乐会在某处举行,布拉格的街道总是充满了音乐。自1946年以来,每年都会在这座城市举办“布拉格之春音乐节”(5月12日至6月1日)。音乐节的开幕日正是5月12日,这一天是深爱布拉格的捷克作曲家斯美塔那的忌日。开幕曲是斯美塔那的交响诗《我的祖国》,今年也由弗拉基米尔·瓦列克指挥,捷克爱乐乐团演奏,吸引了全世界的古典乐迷。而这次为《幽灵公主》演奏的正是这支在“布拉格之春音乐节”上开幕的捷克爱乐乐团(资料:2)。我们非常期待这些欧洲音乐家们会如何演绎这部诞生于日本的《幽灵公主》。
此外,录音地点选在了伏尔塔瓦河畔的古典音乐殿堂——“艺术家之家 Rudolfinum 德沃夏克音乐厅”(照片:2)。这座建筑建于19世纪后期,是新文艺复兴风格的代表性建筑。
照片1
照片2
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(資料:1)
◆チェコ共和国 Ceska Republika(1997年12月現在)
首都:プラハ Praha
面積:約7万9000平方キロメートル(日本の約5分の1)
人種:チェコ人がほとんど。その他スロバキア人など。
人口:約1036万人
公用語:チェコ語。外国語としてはドイツ語と英語が使われる。
宗教:カトリック
通貨:単位はチェココルナ。補助通貨は、ハレル。
時差:日本より8時間遅れ。サマータイムは、7時間遅れ。
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(资料:1)
◆捷克共和国 Ceska Republika(截至1997年12月)
首都:布拉格 Praha
面积:约7万9000平方公里(约为日本的五分之一)
人种:主要为捷克人。其他还有斯洛伐克人等。
人口:约1036万人
官方语言:捷克语。外语主要为德语和英语。
宗教:天主教
货币:单位为捷克克朗。辅币为哈莱尔。
时差:比日本晚8小时。夏令时期间,比日本晚7小时。
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(資料:2)
◆チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 Czech Philharmonic Orchestra
1896年ドヴォルザークの指揮で最初のコンサートを行い、既に結成100年を超えるというまさにヨーロッパを代表する名門のオーケストラ。
その第1回の指揮台に立ったドヴォルザークは新世界交響曲をはじめあらゆる分野で名曲を残した大作曲家ですが、その後もこのオーケストラにはマーラーやR.シュトラウスといった歴史的にも著名な音楽家が指揮台にのぼっている。
1997年1月の音楽監督ゲルト・アルブレヒトの辞任後、現在では音響監督ウラディミール・アシュケナージ、常任客演指揮者に小林研一郎、正指揮者にウラディミール・ヴァーレク、客演指揮者にSir.チャールズ・マッケラスがそれぞれ就任し、この4人体制で数多くの演奏活動を繰り広げている。
また、日本にも多くのファンをもち、1995年以来毎年来日を重ねている。
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◆捷克爱乐乐团 Czech Philharmonic Orchestra
1896年,在德沃夏克的指挥下举行了首场音乐会,如今已成立超过100年,是欧洲代表性的名门乐团。首次登台指挥的德沃夏克是创作了《新世界交响曲》等众多名曲的伟大作曲家,此后,马勒和R.施特劳斯等历史上著名的音乐家也相继登上该乐团的指挥台。1997年1月,音乐总监格尔特·阿尔布雷希特辞职后,现任音响总监为弗拉基米尔·阿什肯纳齐,常任客座指挥为小林研一郎,正指挥为弗拉基米尔·瓦列克,客座指挥为Sir.查尔斯·马克拉斯,这四人体制下展开了众多演出活动。此外,该乐团在日本也拥有众多粉丝,自1995年以来每年都会来日本演出。
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第一日目 1998年6月5日(金)
11:00成田空港
スコアのびっしり詰まったトランクと共にマネージャーの森本さんと久石譲さんが来た。
これから、期待と不安が入り交じりながら「交響組曲 もののけ姫」レコーディングへのためプラハへと旅立つ。今回のレコーディングは、音楽家久石譲さん、マネージャーの森本さん、発売レコード会社徳間ジャパンコミュニケーションズの山本さんそして私スタジオジブリ稲城の以上4名が同行し た。
13:00発JL407便にてフランクフルトへ約12時間の空の旅。6月の東欧は平均気温16℃位と聞いていたが、着いた途端猛暑(33℃)で湿気もかなりある。
19:15発OK539便に乗り継いでプラハへ。(約1時間)
やはり、暑い!長袖しか持ってこなかったのでちょっと暑苦しい。
ゲートを出ると元チェコ大使のご子息ズデニヤク・ハドリチカさんが迎えてくれた。
彼はお相撲さんのような体格でだいの親日家。日本語がめちゃくちゃうまく、しかも柔道2段。びっくり!
ホテル到着後、今回のレコーディングをコーディネイトしてくれたエンジニアの江崎さんとアシスタントの福田さん、村松さんと合流し、スケジュールの打ち合わせをする。
江崎さんは、元チェコ・フィルでトランペットを吹いていた演奏家で今はエンジニア&レコーディングディレクターとして年に15回位チェコに来ているそうだ。また、チェコの良さを多くの人に知っていただこうと音楽のみならずいろいろな普及活動も行っている人。
チェコが初めての我々にとって何とも頼もしいかぎりだ。
初日の打ち合わせも終わり、出発から約20時間長い一日が終わる。
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第一天 1998年6月5日(星期五)
11:00 成田机场
与装满乐谱的行李箱一起,经理森本先生和久石让先生来了。
从现在开始,带着期待与不安交织的心情,我们踏上了前往布拉格录制《交响组曲 幽灵公主》的旅程。这次录音的同行者有音乐家久石让先生、经理森本先生、发行唱片公司德间日本通信的山本先生,以及我,来自吉卜力工作室的稻城,共四人。
13:00 乘坐JL407航班前往法兰克福,约12小时的空中旅程。听说六月的东欧平均气温在16℃左右,但到达时却是酷暑(33℃),而且湿度相当高。
19:15 转乘OK539航班前往布拉格。(约1小时)
果然,还是很热!我只带了长袖衣服,感觉有点闷热。
出关时,前捷克大使的儿子兹德涅克·哈德里奇卡先生来接我们。
他体格像相扑选手一样,是个非常亲日的人。他的日语非常流利,而且还是柔道二段。真是令人惊讶!
到达酒店后,与这次录音的协调工程师江崎先生以及助理福田先生、村松先生会合,讨论了日程安排。
江崎先生曾是捷克爱乐乐团的号手,现在作为工程师和录音导演,每年大约来捷克15次。他还致力于让更多人了解捷克的美好,不仅在音乐方面,还进行了各种推广活动。
对于我们这些第一次来捷克的人来说,他真是非常可靠。
第一天的讨论结束后,从出发到现在大约20个小时的漫长一天终于结束了。
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第二日目 1998年6月6日(土)
今日も猛暑。たまらず、朝一番Tシャツを購入。
11:00より市民会館内にあるスメタナホールにて、久石さんのピアノリハーサルが始まった。
市民会館内は、観光客の見学ルートにもなっていて、土曜日ということもあり少々周りが騒がしいが、スメタナホール(写真:3、4)は、この日貸切なので、リハーサルは、とても良好。このホールは、前説で述べた通り今年5月12日より行われた『プラハの春音楽祭』のオープニングを飾った場所。もちろんオケはチェコフィル。
写真3
写真4
この模様をほんの3週間前衛星生中継で観ていた私は、実際その場に立つと少々身震いと感動を覚えた。
そして、リハーサルとはいえ、その同じステージで久石さんが、ピアノを弾いているのを見ると、またまた感動。
ソロピアノだが、ホールの響きときたら日本のホールでは、絶対に味わえない音質。凄すぎる!
夕方、実際収録する芸術家の家内ドヴォルザーク・ホール(写真:5、6、7)を下見する。
リハーサルをしたスメタナホールは縦長だったが、こちらはややドーム型に近いホール。
収容人員は、バルコニー含め約1200~1300名位だろうか?天井が高く、共鳴度、音場感が広がるすばらしいホール。
写真5
写真6
写真7
また、ステージの真下にコントロールルーム(写真:8)と編集ルーム(写真:9)があり、モニターを見ながらダイレクトに録音できる画期的なホールだ。
今回のレコーディングもホールの特性を生かした2chダイレクト録音で行われる。
早く、オケの演奏を聴きたい。
写真8
写真9
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第二天 1998年6月6日(星期六)
今天依旧酷热难耐,忍不住一大早就去买了件T恤。
从11点开始,在市民会馆内的斯美塔那大厅,久石先生的钢琴排练开始了。
市民会馆内也是游客的参观路线,因为是星期六,周围有些喧闹,但斯美塔那大厅(照片:3、4)今天被包场,所以排练进行得非常顺利。这个大厅,正如前面所说,是今年5月12日开始的“布拉格之春音乐节”开幕式的举办地。当然,乐团是捷克爱乐乐团。
照片3
照片4
仅仅三周前,我通过卫星直播观看了这一幕,现在实际站在这里,不禁感到一阵颤抖和感动。
而且,虽然是排练,但看到久石先生在同一舞台上弹奏钢琴,再次让我感动不已。
虽然是钢琴独奏,但大厅的音质是日本的大厅绝对无法体验到的。太棒了!
傍晚,我们参观了实际录制地点艺术家之家的德沃夏克大厅(照片:5、6、7)。
排练的斯美塔那大厅是长方形的,而这个大厅则更接近圆顶形。
容纳人数,包括阳台大约有1200到1300人左右?天花板很高,共鸣度和音场感都非常出色,是一个很棒的大厅。
照片5
照片6
照片7
此外,舞台正下方有控制室(照片:8)和编辑室(照片:9),这是一个可以通过监视器直接录音的划时代的大厅。
这次的录音也将利用大厅的特性进行2声道直接录音。
我迫不及待想听到乐团的演奏。
照片8
照片9
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第三日目 1998年6月7日(日)
いよいよ、レコーディング初日。
しかし、ここでちょっとしたアクシデント。指揮者のマリオ・クレメンス(資料:3)さんがワルシャワでの仕事が長引いているため、プラハ到着が夜になるという連絡が入った。
よって、第一セッションは21:00から開始になった。
思わぬスケジュール変更により、急遽ドヴォルザーク・ホールでピアノリハーサルを行った。
15:00ドイツからアシスタントの伊藤さん到着。
19:00マリオ・クレメンスさん到着。
ドヴォルザーク・ホールのエンジニア、ノバチェックさん含め、これで全スタッフが揃った。
久石さんと対面後、レコーディングに関する打ち合わせを綿密にする。
収録曲順も決まり、いよいよ第一セッションスタート。
ステージには、チェコ・フィルのメンバーが続々と入ってきた。
ステージいっぱいにスタンバイするチェコ・フィルの面々。何とこの日は100名を超える編成で早くも圧倒されていた。メンバーとの対面の後、本日収録予定曲である「第六章 レクイエム~呪われた力~」とメインテーマの「第一章 アシタカせっ記」演奏開始。(写真:10)
緊張の中、1曲目が始まった瞬間、今まで体感した事のない音楽の世界へ引き込まれていった。ホールの響き、チェコ・フィルの東欧独特の粘りともいえる重厚な音の演奏など、もう表現出来ない全てのものが重なりあってハーモニーしている。
凄い!凄すぎる!
その時、このアルバムは凄い事になると直感した。
指揮者のマリオさんも事前に渡した譜面をよく理解しており、オリエンタル・ミュージックを楽しんでいるようでレコーディングも快調に進み3時間があっという間に過ぎた。
その後、今日録った2曲を編集して本日は終了。
写真10
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第三天 1998年6月7日(星期日)
终于到了录音的第一天。
然而,这里发生了一点小意外。指挥家马里奥·克莱门斯(资料:3)因在华沙的工作拖延,通知我们他将在晚上才能到达布拉格。
因此,第一场录音从21:00开始。
由于意外的日程变更,我们紧急在德沃夏克音乐厅进行了钢琴排练。
15:00,来自德国的助理伊藤先生到达。
19:00,马里奥·克莱门斯先生到达。
包括德沃夏克音乐厅的工程师诺瓦切克先生在内,所有工作人员都已到齐。
与久石先生见面后,我们详细讨论了录音的相关事宜。
录音曲目顺序也确定下来,第一场录音终于开始。
捷克爱乐乐团的成员陆续登上舞台。
舞台上站满了捷克爱乐乐团的人员。令人惊讶的是,当天有超过100名成员,我们立刻被震撼了。与成员们见面后,今天计划录制的曲目《第六章 安魂曲~被诅咒的力量~》和主题曲《第一章 阿西达卡战记》开始演奏。(照片:10)
在紧张的气氛中,第一首曲子开始的瞬间,我被带入了一个从未体验过的音乐世界。音乐厅的回响,捷克爱乐乐团东欧特有的厚重音色演奏,所有无法表达的元素交织在一起,形成了和谐。
太棒了!太棒了!
那一刻,我直觉这张专辑将会非常出色。
指挥家马里奥先生也很好地理解了我们事先提供的乐谱,似乎很享受东方音乐,录音进展顺利,三个小时转眼就过去了。
之后,我们编辑了今天录制的两首曲子,今天的工作就此结束。
照片10
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(資料:3)
◆マリオ・クレメンス Mario Klemens
1936年東ボヘミアに生まれたチェコの指揮者。
1966年指揮者の登竜門であるブザンソン国際指揮者コンクールに優勝、その名が広く知られるようになった。
チェコのいくつかのオーケストラで活躍の後、1979年から1991年までの12年間、フィルム・シンフォニー・オーケストラの首席指揮者として活躍。
また、チェコのみならず海外の映画音楽も数多く手がけ、現代音楽も得意にしているなど、幅広く活動をしている。
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◆马里奥·克莱门斯 Mario Klemens
1936年出生于东波希米亚的捷克指挥家。
1966年,他在指挥家的龙门——贝桑松国际指挥大赛中获胜,从而声名远扬。
在捷克多个乐团活跃后,1979年至1991年的12年间,他担任电影交响乐团的首席指挥。
此外,他不仅涉足捷克电影音乐,还参与了许多海外电影音乐的创作,并且擅长现代音乐,活动领域广泛。
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第四日目 1998年6月8日(月)
レコーディング二日目。今日は、第二、第三セッションの予定。
第二セッションは、9:30より「第二章 TA・TA・RI・GAMI」「第五章 シシ神の森」の2曲をレコーディング。(写真:11)
「第二章 TA・TA・RI・GAMI」は、日本から「チャンチキ」と「締め太鼓」をこの曲の為に持参し、パーカッションのメンバーに演奏してもらった。昨日から少しリハーサルもしていたので、日本独特の楽器を楽しみながら上手にこなしていた。
それも、聴き所の一つだと思う。
「第五章 シシ神の森」は、金管・木管の音色がとても印象的でシシ神の怪しさとアレンジの心地良さが感じられて素晴しかった。
第三セッションは、13:30より「第七章 黄泉の世界~生と死のアダージョ~」「第三章 旅立ち~西へ~」の2曲をレコーディング。
「第七章 黄泉の世界~生と死のアダージョ~」は、サウンドトラックでは、曲が短くフルバージョンをと要望が多かった曲である。全体的には、オケの迫力を最も感じられる新曲といっても過言ではない凄い曲。圧巻でした。
「第三章 旅立ち~西へ~」は、とにかく約50名編成で行われたストリングスの音色に尽きる美しい曲。これまた、感激!
夕方、予定曲4曲を録り終えその後、編集もスムーズに行き久石さんもご満悦の様子で本日終了。
写真11
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第四天 1998年6月8日(星期一)
录音第二天。今天计划进行第二和第三场录音。
第二场录音从9:30开始,录制了“第二章 TA・TA・RI・GAMI”和“第五章 シシ神の森”两首曲子。(照片:11)
“第二章 TA・TA・RI・GAMI”中,为了这首曲子特意从日本带来了“チャンチキ”和“缔め太鼓”,并让打击乐成员演奏。从昨天开始就进行了一些排练,所以他们在享受日本独特乐器的同时,也很好地完成了演奏。
这也是值得一听的地方之一。
“第五章 シシ神の森”中,铜管和木管的音色非常令人印象深刻,能够感受到シシ神的神秘感和编曲的舒适感,非常出色。
第三场录音从13:30开始,录制了“第七章 黄泉の世界~生与死的柔板~”和“第三章 启程~向西~”两首曲子。
“第七章 黄泉の世界~生与死的柔板~”在电影原声中曲目较短,很多人要求录制完整版。整体来说,这首新曲最能感受到管弦乐的气势,非常震撼。
“第三章 启程~向西~”则是一首由约50人组成的弦乐演奏的美丽曲子。同样令人感动!
傍晚,完成了预定四首曲子的录音,之后编辑也顺利进行,久石先生也非常满意,今天的工作结束。
照片11
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第五日目 1998年6月9日(火)
レコーディング三日目。
今日は、久石さんのピアノ演奏本番。早めの8:00にホール入りしてリハーサル。
リハーサル室はドヴォルザーク・ホール内にあるコンポーザー・ルーム。(写真:12、13)歴代の著名な音楽家達が実際使用した由緒ある聖域のような場所。(写真が飾ってあり、ピアノが置いてある。シャワー、キッチンなど完備したVIPルーム。)
写真12
写真13
第四セッションは、9:30より「第八章 アシタカとサン」「第四章 もののけ姫」。
いよいよ、この2曲は、久石さんのピアノ演奏とチェコ・フィルのセッションが実現する。
チェコ・フィルの面々に拍手で迎えられ久石さんがピアノへ向かった。
少し緊張している様な感じもするが、音が鳴り始めるとやはり流石だ。(写真:14、15) チェコ・フィルと一体になっていった。
写真14
写真15
「第八章 アシタカとサン」は、映画本編では、エンディングに使用した曲のアレンジ。「第四章 もののけ姫」は、ヴォーカルではなくピアノアレンジバージョンとそれぞれ美しい音色でアルバム構成上も全体的に派手な曲が続く中で、アクセントにもなっている楽曲である。
特にこの2曲は心を暖かくさせる力が備えている楽曲だとホール内で聴いていた私は改めて感じた。
終了した時は、チェコ・フィルの皆さん、指揮者マリオさん、そして久石さんと満足感いっぱいの笑顔だった。久石さんは「ナイス、ミュージック!」と声をかけられ、スタンディングで拍手を送られ、暫く鳴り止まなかった。感激!!(写真:16)
これで、全四セッション8曲レコーディング無事終了!
レコーディングを通じて、ひたすら感激と驚きの連続で、改めて「もののけ姫」の凄さを感じると同時に、多くの皆さんにこの生の音を聴いてもらいたかった。
いつか日本でコンサートが実現する事を私も願っています。
午後、編集をして最終チェックも終了。
プラハ最後の夜、市内のビアホールにて打ち上げ。
やはり、チェコといえば世界一と言われるビールで乾杯!
うまい!暑かった気候と安堵感で、この時のビールは格別であった。
終始リラックスムードでレコーディングの感想やプラハの印象など談笑しながら楽しい一時が続いた。
写真16
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第五天 1998年6月9日(星期二)
录音第三天。
今天是久石让先生的钢琴演奏正式录制。我们提前在8:00进入大厅进行排练。
排练室位于德沃夏克大厅内的作曲家房间。(照片:12、13)这是一个历代著名音乐家实际使用过的神圣场所。(房间内装饰有照片,放置了钢琴,还配备了淋浴、厨房等设施的VIP房间。)
照片12
照片13
第四场录音从9:30开始,曲目是「第八章 阿席达卡与珊」和「第四章 幽灵公主」。
终于,这两首曲目将实现久石让先生的钢琴演奏与捷克爱乐乐团的合作。
久石让先生在捷克爱乐乐团成员的掌声中走向钢琴。
虽然看起来有些紧张,但一旦音乐响起,果然不愧是大师。(照片:14、15)他与捷克爱乐乐团融为一体。
照片14
照片15
「第八章 阿席达卡与珊」是电影正片中使用于片尾曲的改编版本。「第四章 幽灵公主」则是钢琴改编版本,而非原版的人声演唱。这两首曲目以其优美的音色,在专辑整体上较为华丽的曲目中起到了点缀的作用。
特别是在大厅内聆听时,我再次感受到这两首曲目具有温暖心灵的力量。
结束时,捷克爱乐乐团的成员、指挥马里奥先生以及久石让先生都露出了满足的笑容。久石让先生被称赞为“Nice, Music!”,并获得了长时间的起立鼓掌。感动!!(照片:16)
至此,全部四场录音的8首曲目顺利完成!
通过这次录音,我不断感受到感动与惊喜,再次体会到「幽灵公主」的伟大,同时也希望更多的人能够听到这现场的音效。
我也希望有一天能在日本举办这样的音乐会。
下午,我们进行了编辑和最终检查。
在布拉格的最后一晚,我们在市内的啤酒馆举行了庆功宴。
果然,说到捷克,就要用世界闻名的啤酒来干杯!
好喝!炎热的气候和放松的心情让这时的啤酒格外美味。
整个晚上都充满了轻松的氛围,大家畅谈录音的感想和布拉格的印象,度过了一段愉快的时光。
照片16
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第六日目 1998年6月10日(水)
出発と同ルートにて日本でのマスタリング作業の為、帰国。
全日程5泊7日プラハレコーディングの旅は、無事終了した。
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第六天 1998年6月10日(星期三)
为了在日本进行母带处理工作,按照出发时的路线回国。
全程5晚7天的布拉格录音之旅顺利结束。
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最後に
このアルバムは、スタジオジブリ音楽関連としては初の海外レコーディングで又、「もののけ姫」では、サウンドトラック発売以来1年振りのアルバムです。
1996年「イメージアルバム」で音楽の原型にふれ、
1997年「サウンドトラック」で映画の感動を味わい、
そして1998年「交響組曲」でさらなる醍醐味を。
チェコ・フィルの演奏技術とドヴォルザーク・ホールでの迫力・臨場感が融合した新たな「もののけ姫」を存分に堪能してください。
今回も作曲・編曲・演奏そしてプロデュースと一人四役をこなした久石譲さんの「もののけ姫」に対する情熱と心がつまっている力作です。
スタッフ一同、自信を持ってお薦めできるアルバムが出来上がりました。
「もののけ姫」を大好きなすべての皆さんへ、楽しんで戴ければ幸いです。
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最后
这张专辑是吉卜力工作室音乐相关作品中首次在海外录制的,同时也是《幽灵公主》自原声带发行一年后的新专辑。
1996年,通过「印象专辑」我们初次接触到了音乐的原型,
1997年,通过「原声带」我们体验了电影的感动,
而到了1998年,「交响组曲」则带来了更深层次的享受。
请尽情体验捷克爱乐乐团的高超演奏技巧与德沃夏克音乐厅的震撼力与临场感相结合的全新《幽灵公主》。
这张专辑同样由久石让一人担任作曲、编曲、演奏及制作,充分展现了他对《幽灵公主》的热情与心血。
我们全体工作人员自信满满地推荐这张专辑。
献给所有热爱《幽灵公主》的朋友们,希望你们能享受这张专辑。
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スタジオジブリ 音響・音楽制作室 稲城 和実(1998年7月筆)
E-MAIL inaki@ghibli.co.jp
(アルバムのご意見・ご感想などのメールをお待ちしております。)
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Studio Ghibli 音响·音乐制作室 稻城 和实(1998年7月笔)
E-MAIL inaki@ghibli.co.jp
(我们期待收到您对专辑的意见和感想的邮件。)
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