文档:吉卜力日志/2007年7月

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 6月 2007年7月 8月
2007年07月
2007年07月
7月2日(月)
レイアウト・・647cut
原画・・・・・438cut
作監・・・・・335cut
動画・・・・・283cut
背景・・・・・359cut
仕上げ・・・・213cut
撮影・・・・・208cut
「ポニョ」制作から約9ヶ月が立ちました!上記は6月一杯までの「ポニョ」の実績です。
作画期間もいよいよ折り返し地点まできました。出来上がっている絵コンテCパートもほとんど作打ちも終わり、現在、監督が作業中のDパートの完成を待つばかりです。Cパートの内容があまりにもハードな為に、コンテ完成時に言っていた監督の一言「見ないほうが良いよ!」という言葉が思い起こされます。Dパートもそんな内容になるんでしょうか。Dパート完成が不安でもあり...楽しみでもあり...。
7月3日(火)
7月21日開催の男鹿和雄展に向けて、マスコミの男鹿さんの集中取材が行なわれる。実は男鹿さんは取材が大の苦手で、普段はほとんど取材を受けていない。というのも、取材を受けるとなると3日前くらいから眠れなくなってしまうらしいのだ。今回は、自分の名前を冠した初の展覧会ということで、取材を断っているわけにも行かず、こうして取材日を設定させてもらった次第。取材が上手く行くか、とっても不安だった宣伝スタッフだったが、しゃべりだしたら人懐っこい話し方で言葉もどんどん出てくる、とても和やかな会となっていた。朝から晩まで取材を終えた男鹿さんは、その後、日本酒の美味しい三鷹の店に向かって楽しげに消えていったらしい。
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「事務所の前で写真撮影。結構、緑が多いのです」   美術館で販売している「風の谷のビール」の工場に吾朗さんが視察に行くのに、広報部からも机さんと田村さんが取材で同行する。そこでカメラマン魂を発揮した机さん、張り切って330枚もの写真を撮って帰ってきた。ところが開けてみると、ヤギやウサギの写真、「熱海駅」の連写など、その中身はとっても不思議な内容となっていた。
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「とっても意欲的なヤギの写真」
7月4日(水)
ジブリでは様々な植物を育てていますがその中でも一際小さな植物を発見!
飲料水のオマケについているハーブの一種らしいのだがこのサイズは驚きです!!!
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こんなに小さくてもちゃんと芽が出ることに驚き!「カモミール」(右)。だが、「ききょう」(左)の方はまだ芽が出てこないみたいです。 果たして、これからスクスクと育ってくれるのであろうか。立派に成長する事を願っています。    7月15日に開催されるユニカル主催の第12回国際女性ビジネス会議に百瀬監督が参加することになり、打ち合わせで、百瀬監督、渡辺プロデューサーと広報部机さんが出かける。表参道にちょっと早めに着いた百瀬さんと渡辺さんは、「カフェでお茶しよう」ということになって、キョロキョロとふたりでカフェを探していたらしい。それを見ていた机さんは、“おじさん二人が似合わない!”と思ったらしいが、レポートには、「表参道の打ち合わせに出かけた二人はいつもよりお洒落に見えました」と無難にまとめていた。   ~たまにウシコ~
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「ウシコとムーン。おんなじだ」
7月5日(木)
ジブリCG部の長として十数年、腕を振るい続けてきた片塰さんの送別会が吉祥寺のイタ飯屋で行なわれる。参加した人数はなんとスタッフ約100人!片塰さんの人望の大きさが改めて認識させられる送別会になりました。
会の内容は企画盛りだくさんで、ベル部“ハブ”の生演奏があったり、片塰さん似顔絵付きのトートバックのプレゼントなども有りとても盛大な送別会になりました。新天地に行かれても、今後の大活躍を願っております。fromジブリ一同
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「乾杯では、数十人から押しかけられる片塰さん」
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「ベル部の演奏風景。ベル部の面々とゲストでギター担当の渡邊さんが登場」 この為にギターの練習をしていたんですね!
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「プレゼントされたイラスト付きのトートバック。片塰さんの似顔絵はどれも本人そっくり!」 描かれた似顔絵に名前が書いて無かったので、誰がどれを描いたのか聞いて回る片塰さん。おかげで全然食事ができなかったとか・・・
7月6日(金)
明日は七夕ということで作画部の三浦さんの席の横に笹の木が設置される。各々が短冊に願いを書いて笹にくくりつけています。願いは様々で世界平和を願う人もいれば、自分の欲しい物を書いている人も、勿論、「ポニョ」の制作に関係することもあります。
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短冊の数はどんどん増えていきます。その中の一つ「絵コンテがDパートで終わりますように!」。名前が書いてありませんでしたが、これは間違いなく監督ですね。制作部も同じ思いでいます!
7月7日(土)
今日からポスプロ班古城さんによるジブリ試写室の技能講習が行われる。というのも、ジブリでは様々な会社やスタジオからフィルムを借りて試写会を良くやっています。毎回この試写会を取り仕切るのが古城さんなのだが、ジブリでは古城さん以外に映写機を操作できる人がいません・・・。古城さん不在時は試写をやりたくてもできない状況が続いていたのでした。
この状況を打開する為、撮影部の芝原くんと制作慎太郎が今日から古城さんの鬼の講習を週いちで受ける事になりました!その期間は半年から1年(覚えが悪いと永遠に・・・?)
目標は「ポニョ」完成時の家族試写会までに1人で試写会を仕切れるようになること。若手2人には少しでも早く古城さんの負担を減らす為にも頑張って貰いたいものです。
 
この日、広報部西岡部長と田村さんは伊豆テディベアミュージアムの「トトロのぬいぐるみ展」の取材を敢行。行ってみてわかったのは、世の中の人がトトロに対して期待している展示がここにはあるということ。結構見ごたえのある、楽しい展示でした(詳細は後日アップ予定)。この夏、お薦めです。
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「巨大なネコバスがお出迎え。飛んでますね!」 ただ大変だったのは、帰りが夜になり濃霧の中を車で伊豆スカイラインを走らなくてはならなかったこと。視界が1メートルくらいしかなく、カーナビだけが頼りで走ったのだが、本当に無事にたどり着けて良かったと思った旅だった。ふもとにたどり着いたところで料金所のおじさんに、「上は霧すごかった?」と聞かれたのだが、わかっているなら閉鎖して下さいと真剣に思ったのも事実。みなさん、伊豆スカイラインを走る際は、くれぐれも霧にご注意のほどを。
7月9日(月)
現在までの数字
レイアウト・・655cut
原画・・・・・460cut
作監・・・・・352cut
動画・・・・・305cut
背景・・・・・371cut
仕上げ・・・・242cut
撮影・・・・・236cut
 
撮影が終わったカットの総尺数は約18分で、全体の5分の1程がUPしました。二週間に一回のペースだったラッシュチェック(撮影が終わったカットをメインスタッフでチェックする事)も、ここ最近は毎週行なえるようになってきて全体のペースも軌道に乗り始めました。
「ポニョ」のラッシュを毎回観て感じることは、『シンプルだけど豪勢』。相反する言葉ですが、「ポニョ」の中ではこれが間違いなく共存しています。是非、来年の夏にこの不思議な感覚を皆さんにも体験して欲しいと思います!
7月10日(火)
一週間近く雨が降らず、カラ梅雨状態が続いていたのだが、ようやく関東地方にも雨が降る。しばらく梅雨らしいぐずついた天気が続くらしいのだが、不気味なことに台風4号が週末あたりに関東を直撃しそうな気配。週末には、「アズールとアスマール」の外国人試写会や三鷹むらさき祭りでの野外上映も控えているのに、大ピンチ。ああっ、神さまっ!
7月11日(水)
宮崎監督からDパートの一部の絵コンテが上がってくる。カット数は100カット程だが、Cパートまで作打ちがすべて終わってしまっていたのでこれでなんとか急場はしのげそうだ。
でも読んでみると内容がまた凄い・・・そして面白い。
そんな絵コンテを読む制作部の顔つきは、面白くて表情が緩みそうになる気持ちとこの凄い内容を作り上げるのに必要な期間・労力を想像して愕然する気持ちでなんとも言えない表情になっていた。
7月12日(木)
原画の稲村さんが御中元で頂いたシフォンケーキを動画検査の舘野さんと制作のサンキチがデコレーションし作画部に振舞ってくれた。
全員分は無かったので早い者勝ちで出したところ、ものの2分ですべて無くなってしまった。やはり、疲れている時こそ甘い物を欲するのはみんな共通のようです。
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「とても美味しそうにデコレーションされたケーキ。ブルーベリーが良い感じです!」
7月13日(金)
昼食時、制作部ポスプロ班のK氏がいきなり「おわっ!」と驚きの表情でパソコンの画面を見ている。13日の金曜日で何か不吉なことでも!と思い、どうしたのか聞くと、「・・・当たった」と一言。。。。どうやら数ヶ月前から毎週買い続けていた噂の「toto BIG」の3等が当たったとのこと。羨む制作部に数万円をゲットしたT氏は、「継続する事が大事なんですよ」と勝者の一言。宝くじも映画制作と同様に日々、積み重ねる事で華を咲かせるものだと痛感する。「継続は力なり」は万事に共通する事のようです。
 
制作部が使っている車、キューブ2台にようやくETCの機械を付ける事に。「ポニョ」の制作が佳境を迎えると、フィルムや音ネガなどを運ぶ事が増え高速道路を使う機会が増える。今まで大量の領収書を一枚一枚、清算していた制作部としてはその手間が無くなるのは本当にありがたい。
早速、ディーラーに車を持ち込んで付けてもらったのだが、機械の値段も数年前に出た時よりも、かなり安くなっていてとてもお手頃になっている。そろそろ個人的にも付け頃だなと感じるお値段でした。
7月14日(土)
美術の男鹿さんが「ポニョ」の追加美打ちの為に来社。今回の男鹿さんの美打ちカットは、町の全景を見下ろした3カット。この3カットは背景がカットの主役になる為、美術監督の吉田さんが背景のチェックの合間を見て自分で描きたいと言って取っておいたものだが、毎日チェックに追われる吉田さんにはこの大作を作業する時間がどうしても見つからない。
遂にこの日、男鹿さんにお願いする事を決意した吉田さんは、自分で描きたかったという惜別の思いと男鹿さんが描いたらどうなるのかという期待の気持ちが合わさった複雑な表情で美打ちを行なっていた。男鹿さんに吉田さんの分まで込めて下さいと心の中でお願いする制作陣であった。
そんな男鹿さんの個展が今月21日から東京都現代美術館で行なわれます。是非、ジブリ作品を支え続けている男鹿さんの美しい背景画を堪能しに行ってみて下さい。

予想通り台風4号の接近となったこの日、「アズールとアスマール」の在日外国人試写会が催される。この映画は、人種の壁を越えて分かり合うことを重要なテーマにしているため、このような試写会が企画された次第。台風接近中のジブリ会議室で行なわれた試写後の座談会では、熱いトークが繰り広げられ、出席した高畑監督や鈴木プロデューサーはたじたじの様子。あまりの白熱振りに、「ここがヘンだよ日本人」みたいだと思ったのは筆者だけ?この日の模様は、ジブリチャンネルでの放送や、8月10日ごろ出る「熱風8月号」で紹介されるはずなので、是非とも、お楽しみに。
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「試写を観てもらう前に、プロデューサーのウッチーのごあいさつ」
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「試写後はアンケートを書いてもらいました。テレビも取材中」
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「座談会は、出席者のみなさんの発言に、いろいろと考えさせられました」
7月16日(月)
台風4号が大きな被害を各地にもたらして去ったと思ったら、新潟県中越沖地震の痛ましい報道が続く。被災地の皆様方には心よりお見舞い申し上げます。
 
そんな月曜日、雨天で順延になった三鷹むらさき祭りの「アズールとアスマール」の試写に450人もの子供たちが集まる。どうも、ありがとうございました。
7月17日(火)
ジブリに、ピンク色の桃が届きました!フタを開けただけでほのかに香る桃が、まるでアロマのようにスタッフの心を和らげます。早速、十分に冷やしてから切ることにしました!程よい熟し加減のお陰で、柔らかくてとても美味しかったです。
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「ありがとうございます。ご馳走様でした☆」
7月18日(水)
このところ、監督は自らのカラダで登場人物の動きを表現し、原画さんに一生懸命説明している姿をよく見かけます。どんな場所でも突然その人物に成りきって動いたり、歩いたり、走ったりします。その時の監督の顔は、もう園児だったり、大人だったりと忙しい。しかもその演技力は、思わずじっと見つめてしまうほど表情豊かであり、その人物がどんなキャラクターなのか、どんな心境なのかがよく伝わってきます。けれども、それをいざ紙の上に描くとなると大変なのでしょうが・・・(汗)
しかし、こうやって動きを一つ一つ、丁寧に仕上げていくからこそ、作品に重みが増すのですね。
7月19日(木)
〈ジブリに入って感じたこと その4〉
ここへ来て真っ先に思ったこと!
それは、「もののけ姫」に出てくる『タタラバ』で働く女性達が、まさに「ジブリスタッフの女性陣」そのものであるように感じたことです。
つまり、【女が元気で笑い声が絶えない。】と申しましょうか。「もののけ姫」をご覧になったことがある方ならば、すぐにイメージできるかと思います♪
ほぼ毎日ジブリでは、階段を伝ってどこかで誰かの笑い声が全体に響いてきます〔笑〕
そんな豊かな笑い声につられて、別のスタッフにも笑顔が走る。とてもいい環境です。
おっと。決して男性陣が大人しいというわけではないですよ〔笑〕
男性同様、女性も働きやすい職場だということです。
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「就寝中のウシコ。起こしちゃ駄目ニャ。」 この日、新しく新築中の社内施設の説明・見学会が行なわれる。100名近くの社内スタッフを集めて宮崎監督や鈴木さんから説明があった後、いよいよ現地の見学に繰り出す。現場には、建物を掘ったために出た土を小山のように積み上げていたのだが、それを見るや宮崎監督が率先して駆け上がり、ご覧のように仁王立ち。それを見た色彩決定の保田さんも、周囲がハラハラしているのに、後に続き登ってしまう。この若さこそがジブリ作品の秘密なんだなとつくづく思ったひと時。
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「宮崎監督、仁王立ちです。」
7月20日(金) 
本日は『HABU』=ベル部の練習日です。
先々週に行われた、送別会で「サプライズベル演奏」を行ったことにより、度胸がついた部員たち♪今度は、12月の忘年会?!に向けて新たな曲を練習中・・・。しかし、一曲を完成形に持っていくまでに多大な時間と練習量が必要なため、そう何曲も披露できないのが悩みどころ。
部員それぞれに弾きたい曲はあるのですが、どれも難易度の高いものばかり・・〔苦笑〕
一体、何曲披露できるようになるのでしょうか?ポニョの制作も、これからはどんどん追い込みに入っていくので、練習がまともに出来なくなることでしょう。がんばれ「HABU」!! 
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「誰もが知っている有名なこの曲。さて何という曲でしょうか?」   この日、いよいよ明日から始まる「男鹿和雄展」(東京都現代美術館)の内覧会とマスコミ発表会が催される。開会式もご覧のようなたくさんのマスコミも駆けつけ盛大なものとなり、男鹿さんもとても嬉しそうだった。詳しい当日の様子は、こちらから。ちなみに展覧会は、9月30日までです。みなさん、お早めにお越しください。
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「ズラリと囲んだ取材陣と関係者たち。男鹿さん、緊張しましたか?」
7月21日(土)
作画では、最近『草履率』がやたらと高くなっています。草履は、足の健康にとても良いということなので、作画に集中できるのかもしれません。夏は、普通の靴だと蒸れてしまいますが・・・、これならとても足に良さそうです。今回、写真に協力してくださった作画さんは、草履+5本指ソックスを履いておりました。5本指ソックスは、血流が良くなり足先が冷えにくくなったり、足筋を鍛えて疲れにくくしたりする効果があるそうです。ずっと机に向かう仕事なので、足への配慮は皆さん人一倍敏感のようです。
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「靴より開放感があって気持ちよさそうですね◎」 本日は、「アズールとアスマール」の初日。渋谷のシネマアンジェリカには朝から、関係者が大集合。みんなソワソワしていても立ってもいられない感じ。
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「入り口はこんな感じです。」   ちょっと遅れて登場の担当者の伊平さんは、とっても申し訳なさそう。お詫びにというわけでもないのだが、額に貼るアクセサリーのビンディ(?)を自前で購入し、いろんな人に配っていた。この辺の行動力と発想力が彼女のすごいところなのだが、ビンディはなんとなくインドっぽい気が.....まあ大目に見てあげよう。
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「おでこに注目。男性も貼ってみました」 舞台挨拶は、中島館長の司会でつつがなく進行したのだが、アズール役の浅野さんや韓流ドラマファンにはすっかりおなじみの森岡さんもさわやかで格好良くて良かったのだが、とりわけ、シャムスサバ姫の声を担当した岩崎響ちゃんがとっても魅力的で、将来は大女優になるのかなあと予感させたというのは衆目の一致するところだった。
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「舞台あいさつ。左から岩崎響ちゃん、森岡さん、浅野さん、高畑監督、中島館長」   その後、関係者の集団はBUNKAMURAギャラリーで行なわれている、「イバラード時間 井上直久新作展」の会場に流れていったのだが、会場では、井上さん自身の解説付きで、ブルーレイ版「イバラード時間」を鑑賞できるなど、とてもおトクなひと時であった。
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「イバラード時間を解説する井上さん(本人)。井上さんは毎日いらっしゃるそうです」
7月23日(月)
今日は不定期活動中のバスケ部が練習を行なう!今のところ体育館がなかなか取れないということと、スタッフの体力的に毎週はキツイという事もあり、3週間に一度練習があるか無いかの状態です。経験者はほぼゼロなのですが、皆、体力に不安を抱えながらも楽しそうに活動しています。そんな今日の練習には某スタッフの甥っ子さんも助っ人として参加して下さったのですが、レベルの違いにショックを受けるジブリバスケ部メンバー!これが本当のバスッケットなんだなと認識させられてしまいました・・・。練習をして上手くならなければなと思うジブリメンバーです!
 
夜はブエナさんの主催で、「ゲド戦記」DVD発売記念の暑気払い。DVD関係スタッフは、晴海から出る東京湾の屋形船に招待されたのでした。次から次に出されるお刺身と天ぷらはとても美味しくて、東宝アドの水木くんは「こんなおいしい天ぷら食べたことがない!」と感激し、余った天ぷらをしっかりお持ち帰りしたそう。「さめても旨かったですよ」とは水木くんの後日談。
さて、梅雨も明けておらず小雨もぱらつく中のクルーズだったのだが、お台場沖に停泊してからは、屋上に出て夜景を堪能。東京もまだまだ捨てたもんじゃないなと思った夜でした。
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「舟の上から見る東京湾の夜景もなかなかなもの」
7月24日(火)
毎週恒例の制作会議が行なわれる。いよいよ「ポニョ」制作も折り返しに入り各部のスケジュールの見直しと今後の対策が話し合われる。遅れつつあるスケジュールを取り戻すためのポイントとなるのは8月中旬からの夏休み!メインスタッフは休み返上で作業に没頭する事になりそうです(泣)!この夏休みの過ごし方によって夏休み明けからの状況が大きく左右されそうなので、ポイントを絞って効率良く作業を進めなければと改めて気を引き締める制作部なのである。

最近、久々にジブリに来るお客さんからよく聞くのは、「駅、間違えたかと思いました」という台詞。先月末に中央線の下りの高架化が完了し、新駅に移行したからだ。ホームに下りてから、ここはどこだろうと思うお客さんの続出なのである。確かに、今までの地味な駅舎と違って、ご覧のように立派な駅。まるで、地方でよく見かける田んぼの中に建つ新幹線の新駅のよう。確かに東小金井は高いビルがほとんどないので、特にそんな風に見えるのかもしれない。ただ、のぼりの高架化はまだまだかかるようなので完全営業は当分先で、駅に入るテナントもまだ開業できないらしい。東小金井にカフェという文化がやってくるのは、いったい何時の日か...。
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「威容を誇るJR東小金井駅の南口」   夕方から、「アズールとアスマール」を上映中のシネマアンジェリカのトークイベントに本名陽子ちゃんが出演するというので、手伝いに出かける広報部スタッフ。カメラやビデオの撮影を行なう。久々に生で観る本名さんはとてもキレイで芸能人のオーラが出まくりだった。なぜか、読売新聞文化部の福田記者が来ていて最前列に陣取っていたのだが、果たしてこのイベントのニュースは本紙で報道してもらえるのだろうか...?MCを務めた中島館長も、「生で見ると本当にキレイだった」としきりに感心していた夜だった。
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「ナカジマンナイト(通称)は毎週火曜日に開催しています」
7月25日(水)
某ベテランアニメーターが懐かしいビデオを制作に持ってくる。「ハウル」の時に作画の参考用にしていたビデオ、そのタイトルは「ベーコンエッグ参考資料」。「ハウル」を見た事のある人なら心当たりがあると思いますが・・・。ソフィーがカルシファーでベーコンエッグを作るシーンを担当したアニメーターが、参考用として実際にベーコンエッグを調理しているところを撮影したビデオなのです。
アニメーターはキャラクターの芝居を上手に表現するため、実際に自分で演技をしてみたり、ビデオカメラを片手に誰かに演技をして貰ったり、実際の動きを見て作画する事が多いです。勿論人間だけでは無く、乗り物や生き物もそうです!今回の「ポニョ」も例外ではありません。
ただ難しいのが実在しない伝説の生物であったり想像上の物、これはもう想像力を働かせるしかありません。実際に存在しない生物をアニメーションで動かしてみた時に、見た人が本当にこんな動きをするのでは無いかと思わせる想像力が試されるのです!「ポニョ」を見る際にも、そんなアニメーターの動きへのこだわりも見て頂ければと思います。
 
お中元のこの時期、他会社とやり取りのある業務系の部署は、色んな贈答品を頂きます。お菓子や飲料が多い中、制作業務部の野中局長宛に送られてきたのは、なんと沖縄県石垣島の“生のパイナップル”!箱を開けた途端、とても良い香りが広がり、スタッフからは歓声が上がりました。
「早速、食べよう」ということになったのですが、生で、しかも丸ごとのパイナップルなんて、そうそう扱う機会があるものではありません。どうやって切ればよいかわからず、「ここはジブリらしく『おもひでぽろぽろ』を観るべきか?」という案も出たのですが、箱をよく見ると、ちゃんと切り方の説明書が添付されていました(最近はスーパーでもカットされたものを販売していることがほとんどなので、切り方のわからない人が多いんでしょうね。お陰で助かりました)。
冷蔵庫で数時間冷やした後、広報部のうっきゃが説明書を見ながら切り分けてくれました。ついもったいない精神で皮を薄めに切ってしまったのですが、皮の近くはトゲが多い上に、甘味が薄いんです。「こりゃ、イカン」と切り直したら、可食部は元の大きさに比べて、随分少なくなってしまいました。パイナップルが高い理由に納得です。
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「見事に解体されたパイナップルの様子」 “生”は、缶詰と違って、爽やかな甘さでとてもおいしかったです。果肉が柔らかくて果汁も多いので、まるでフレッシュジュースを飲んでいるみたいでした。すごい勢いで食べたので、あっという間にお皿は空っぽ!皆さん、ビタミンをたっぷり摂って、笑顔で仕事に戻って行きました。(ながこ筆)
7月26日(木)
今週になってようやく天気が良くなり、暑い日が続いています。
メインスタッフの美術監督の吉田さんの席を訪ねた時の事、今日も素晴らしい背景を描いているのだろうなと思い席にふと目をやると、美監の姿は無く机にはこんな物が・・・。
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「さがさないで下さい・・・」 あまりの暑さと忙しさにとうとう吉田さん脱走をはかりました・・・(笑)と思ったら本当は「美術部にいます」という文字が裏から現われる。
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つまり、3角形の行き先案内板だったのだが、何も書いてなかった面に宮崎監督がいたずらで書き足した物だったのでした!ホッとひと安心でしたが、作品の終盤になると忙しさに本当に逃げ出したくなることもあるでしょう、勿論、制作は死守しますが!!
7月27日(金)
本日も「ポニョ」のラッシュ上映が行なわれる!今日のラッシュはリテーク込みで25cut!「ポニョ」A・Bパートのラッシュも合計すると、278cutという結構な数のcutが撮影upとなりました!冒頭から始まり、どのシーンをとっても目が離せない作品だなとつくづく感じる作品です!まだまだ先は長いですが、気を引き締めて完成を目指していければと思います!
 
ラッシュ終了後、映写技師講習が続けて行なわれる。普段は土曜日に行われているのだが、明日の土曜は会社が休みの為、急遽、本日講習を行なう事になったのです!
とはいうものの、実をいうと講師の古城さんは最初、「別に来週やればいいんじゃないの?」という感じだったので、受講者の芝原君と慎太郎は「1週間空けると内容を忘れる危険性があるので、是非講習をお願いします」と無理やりお願いをして実現したもの。そんな講習の内容は非常に奥が深く覚える事がたくさんあり、講習を受けなければ知ることのない映写機の仕組みを勉強できて非常に楽しい!古城さんは映写機の仕組みをほぼ独学で勉強して覚えたとか。その話を聞かされ、毎週こうして教えてもらえるのは非常に贅沢だなと感じさせられた2人でした。
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「映写機にフィルムを掛ける芝原君。3回目の講習なのでだいぶフィルムの掛け方がスムーズになってきました」 夜は一スタの屋上で、3スタ一階主催のバーベキュー・パーティが催される。この春新設された部署と出版部と海外事業部の親睦を図るためのパーティらしい。とはいえ、いろんな部署の人間もゲストとしていろいろと顔を出し、結構盛り上がっていた。この日は、ちょっと曇っていたため、月明かりもなく、暗い中で食べる焼肉はちょっとした闇鍋状態。口に入れて、「おわっ、ナマだった!」とあわてて火に戻すことも幾度となく...。「豚は危ないから、ちゃんと焼いてね!」などという悲鳴も出る中、楽しい真夏の夜のひとときは過ぎて行くのであった(梅雨はまだ明けないけれど...)。
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「絶好調だぜ!」
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「ヒ~ッ。あまりの火力に腰が引けてます」
7月30日(月)
ちょうどお昼ぐらいに飲み物を買いに行こうと会社の玄関を出て見ると、そこに宮崎監督と数名のスタッフが集っているのを発見。何をしているのかなぁと思って見ていると、宮崎さんの手に速度を測るスピードガンが。どうやらそのスピードガンで、社内の自転車好きのスタッフが、自転車でどれだけのスピードが出せるのか測っていたのだとか。しかし、何でスピードガンなんて持ってるんだろう・・・?
7月31日(火)
早くも7月が終わってしまった。毎月末に同じようなボヤキをしているような気がするが、とにかく一ヶ月なんてアっという間に過ぎてしまう。「崖の上のポニョ」も来年夏公開予定といわれているので、公開まで一年を切っているのです。現時点で絵コンテは最後まで出来上がっておらず、この先一体どれだけの作業が残されているかも判らないまま不安でいっぱいの毎日。しかし、目の前のことをコツコツやるしかないのですよね。(過去の月末の日誌をぜひ見てみてください。幾度も同じ事を書いているような気がします)
 
現在までの数字... 
レイアウトUP 699カット
原画UP 510カット
動画UP 360カット
美術UP 423カット
仕上UP 301カット
撮影UP 274カット