文档:野中君发吉卜力新闻/2018年

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「野中くん発 ジブリだより」2018年1月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年1月号
 皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

 今年もスタジオジブリでは会社で作る年賀状の絵を宮崎駿監督が描いていて、例年通り干支の動物(当然今年は犬です)が描いてあります。三鷹の森ジブリ美術館の年賀状もこれまたいつも通り宮崎吾朗監督が描いているのですが、なんだか今年は両者がやや似ていて面白いですね。どちらもそれぞれのホームページに上がっているので、ぜひ見てみて下さい。なお、美術館の方の絵に登場している人物は内容からして新館長の安西香月さんをイメージしているのではないかと私は勝手に想像しているのですが、はたして。

 さて、スタジオでは現在、昨年から引き続き、宮崎駿監督の新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中です。タイトルは吉野源三郎著のあの名作からもらって来ていますがあの本は原作ではなく、映画の内容はオリジナルであり、鈴木敏夫プロデューサーの書いた文章から引用すると"冒険活劇ファンタジー"となります。また、もう1本、宮崎吾朗監督の新作長編も並行して制作中で、こちらはCG作品です。映像以外の分野でも継続して色んな事業を行っていますが、愛知県でのジブリパーク(仮称)の事業も今年から具体的に動き出すべく準備中です。

 一方、ジブリ美術館ですが、オリジナル短編アニメーションの新作「毛虫のボロ」が3月21日(水)から遂に上映開始です。短編ではありますが、本作は「風立ちぬ」以来約5年ぶりの宮崎駿監督の新作であり、一昨年秋に放送されたNHKの番組で採り上げられたりしたので、多くの方から期待の声を頂いておりました。3月分チケットは2月10日からの発売ですので、ご覧になりたい方はもう少しだけお待ち下さい。(三鷹の森ジブリ美術館は予約制です)

 最後に展覧会と映画の情報を。現在、大阪市のあべのハルカス美術館では「ジブリの立体建造物展」を、福井市の福井県立美術館では「スタジオジブリ・レイアウト展」をそれぞれ開催中です。また、1月13日(土)より、中国のCGアニメーション映画の大ヒット作「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」(監督:田暁鵬)が公開されますが、日本語吹替制作監修を宮崎吾朗監督が担当しています。いずれもぜひどうぞ。

 というわけで、改めまして、本年もスタジオジブリとジブリ美術館を宜しくお願い申し上げます。
 各位,新年快乐。今年也请多多关照。

 今年,宫崎骏导演再次为吉卜力工作室绘制了公司的新年贺卡,和往年一样,贺卡上画有生肖动物(当然,今年是狗)。三鹰之森吉卜力博物馆的新年贺卡也一如既往地由宫崎吾朗导演绘制,有趣的是,今年的两张贺卡有些相似。两张贺卡都已经发布在各自的官网上,请大家务必去看看。我个人猜测,博物馆贺卡上的人物可能是新馆长安西香月女士的形象,但这也只是我的想象。

 目前,吉卜力工作室正在继续制作宫崎骏导演的新长篇动画《你们怎样生活》。虽然片名取自吉野源三郎的名著,但电影内容并非改编自该书,而是原创作品。根据铃木敏夫制片人的描述,这将是一部“冒险奇幻片”。此外,宫崎吾朗导演的新长篇动画也在同步制作中,这是一部CG作品。除了动画制作,我们还在其他领域持续开展各种项目,包括计划今年正式启动的爱知县吉卜力公园(暂定名)项目。

 另一方面,吉卜力博物馆将于3月21日(周三)开始上映新的原创短篇动画《毛虫的破茧》。虽然是一部短篇,但这是自《起风了》以来,宫崎骏导演时隔约五年的新作,前年秋天曾在NHK的节目中介绍过,因此受到了许多观众的期待。3月的门票将于2月10日开始发售,想观看的朋友请再稍等片刻。(三鹰之森吉卜力博物馆实行预约制)

 最后,关于展览和电影的信息。目前,大阪市的阿倍野HARUKAS美术馆正在举办“吉卜力的立体建筑展”,福井市的福井县立美术馆正在举办“吉卜力工作室·布局展”。此外,1月13日(周六)起,中国CG动画电影《西游记之大圣归来》(导演:田晓鹏)将在日本上映,宫崎吾朗导演负责了日语配音的监修工作。请大家务必去观看。

 再次祝大家新年快乐,今年也请继续支持吉卜力工作室和吉卜力博物馆。
「野中くん発 ジブリだより」2018年2月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年2月号
 先月もお知らせしたとおり、3月21日(水・祝)から三鷹の森ジブリ美術館では新作オリジナル短編アニメーション「毛虫のボロ」が、映像展示室の土星座で上映開始されます。ご存知の方も多いと思いますが、ジブリ美術館は日時指定の予約制で、毎月10日に翌月分のチケットを一斉に発売しています。ですので「ボロ」上映開始の日から3月末までのチケットは2月10日(土)に発売開始。この文章が載っている『熱風』2月号の配布開始は2月9 日(金)なので、翌10日がまさに3月分のチケット発売日となるわけで、宮崎駿監督の最新作を早く観たいという方は、この日にご留意下さい。なお、通常ですと土星座の上映作品は約1か月毎に替わるのですが、今回は待望の新作なので、8月31日(金)まで「ボロ」は連続して上映予定です。3月のチケットが入手出来なかった方も、3月以降の毎月10日にどうぞご注目を。チケット購入の方法はジブリ美術館のホームページに掲載されています。さらに、「ボロ」については上映より少しだけ早く、3月14日(水)より、館内2Fのギャラリーで同作をテーマにした展示もスタートします。「ボロ」はCGの使い方等でこれまでにない新たな試みをしていますが、その一方、企画自体は20年以上前の「もののけ姫」の頃から存在しており、長編企画が短編に形を変えて今回遂に映像化されました。さらに、発想の元はずっと以前に遡ります。こうした作品の背景を、ギャラリー展示ではうかがい知ることが出来るのではないでしょうか。ところで展示と言えば、昨年5月よりジブリ美術館で開催中の企画展示「食べるを描く。」ですが、こちらも好評につき、通常より約半年間期間を延長して本年11月まで開催予定となっております。こちらもぜひどうぞ。
 
 もう1つ、この号の配布と同時期のトピックをお知らせしますと、文春ジブリ文庫『ジブリの教科書 コクリコ坂から』が2月9日(金)に発売されます。2013年4月に『風の谷のナウシカ』からスタートした文春ジブリ文庫の『ジブリの教科書』シリーズも18冊目。毎回、独自の視点で新たに書かれた評論や、制作当時の貴重なインタビュー、資料の再録などがあって読み応えのある内容となっています。

 最後に展覧会についてですが、福井市の福井県立美術館では「スタジオジブリ・レイアウト展」を3月11日(日)まで開催中です。ぜひどうぞ。
 正如上个月所通知的,从3月21日(周三·假日)开始,三鹰之森吉卜力美术馆将在影像展示室“土星座”上映新作原创短篇动画《毛虫的波罗》。众所周知,吉卜力美术馆实行日期指定预约制,每月10日统一发售下个月的票。因此,《波罗》上映开始日到3月底的票将于2月10日(周六)开始发售。这篇文章刊登在2月9日(周五)开始分发的《热风》2月号上,所以第二天10日正是3月份票的发售日,想要尽早观看宫崎骏导演最新作品的朋友,请留意这一天。通常,土星座的上映作品大约每月更换一次,但这次是期待已久的新作,所以《波罗》计划连续上映至8月31日(周五)。未能获得3月票的朋友,也请关注3月以后每月的10日。购票方法请参见吉卜力美术馆的官方网站。此外,关于《波罗》,在上映前稍早一些,从3月14日(周三)开始,馆内2楼的画廊将启动以该作品为主题的展览。《波罗》在CG使用等方面进行了前所未有的新尝试,但另一方面,企划本身自20多年前的《幽灵公主》时期就已存在,长篇企划转变为短篇,这次终于影像化。此外,构思的源头可以追溯到更早以前。在画廊展览中,或许可以窥见这些作品的背景。说到展览,自去年5月起在吉卜力美术馆举办的企划展“描绘吃。”也因好评如潮,计划比通常延长约半年,至今年11月。也请务必前来参观。

 另外,还有一个与本号分发同时期的消息,文春吉卜力文库《吉卜力的教科书 来自虞美人坡道》将于2月9日(周五)发售。自2013年4月《风之谷的娜乌西卡》开始的文春吉卜力文库《吉卜力的教科书》系列也迎来了第18册。每次都有从独特视角新写的评论、制作当时的珍贵访谈、资料的再录等,内容十分值得一读。

 最后关于展览,福井市的福井县立美术馆正在举办“吉卜力工作室·布局展”,至3月11日(周日)。也请务必前来参观。
「野中くん発 ジブリだより」2018年3月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年3月号
 今月号の特集にもあるように、3月21日(水・祝)から、三鷹の森ジブリ美術館ではオリジナル短編アニメーションの新作「毛虫のボロ」の上映が始まります。宮崎駿監督最新作の本作は、2015年6月から準備作業&制作を開始。2016年11月にNHKのドキュメンタリー番組「終わらない人宮﨑駿」で制作過程が採り上げられ、同番組はかなり話題になったので(再放送や長尺版制作、海外放送もされました)、「ボロ」も世間では結構知られていたと思います。海外では長編の新作と誤解されたりもしたようですが、「ボロ」はジブリ美術館の映像展示室・土星座で上映される10作目のオリジナル短編です。いよいよ公開を迎えることとなりましたが、内容については本号の特集をご覧下さい。ともかくユニークな作品であることは間違いないと思います。上映は8月末までを予定しています。ジブリ美術館は日時指定の予約制ですので、詳しくはホームページをご覧下さい。
 
 さて、神戸の竹中大工道具館では現在、「アニメーションにみる日本建築-ジブリの立体建造物展より-」を開催中です。「ジブリの立体建造物展」は各地を巡回し好評裏に終了しましたが、同展から「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」など、日本建築に関わる部分を選び出し再構成したのが今回の展覧会。背景画や美術ボード、美術設定等の複製画を紹介する他、「トトロ」の草壁家を立体で一部表現し、その設計の源に触れます。開催は5月6日(日)まで。詳しくは同館のホームページをご覧下さい。
 
 最後になりましたが、二木真希子さんの絵本が復刊されます。二木さんはジブリ作品で大きな役割を果たしたアニメーターの一人で、草木や動物、自然と人のふれあいの描写等で、二木さんにしか描けないような素晴らしいシーンをいくつも描いてきましたが、本当に残念なことに2016年5月に病で亡くなりました。二木さんが生前に描いたオリジナル絵本『小さなピスケのはじめての旅』『小さなピスケのはじめての友だち』はずっと絶版でしたが、二木さんを尊敬する人たち、ファンの方たちの働きかけで、このたび復刊ドットコムから復刊が決まったものです。『小さなピスケのはじめての旅』は3月中旬、『小さなピスケのはじめての友だち』は5月中旬の発行予定で、二木さんの生前の希望に沿って、文字遣いやレイアウトを見直し再編集した新装版となります。さらに、幻の3巻目も今夏刊行するべく検討中とのこと。皆様どうか宜しく。
正如本月号的特集所介绍,从3月21日(周三·假日)开始,三鹰之森吉卜力美术馆将开始上映原创短篇动画新作《毛虫的波洛》。这部由宫崎骏导演的最新作品,自2015年6月开始筹备和制作。2016年11月,NHK的纪录片节目《未完之人宫崎骏》中介绍了其制作过程,该节目引起了相当大的关注(包括重播、加长版制作以及海外播出),因此《波洛》在公众中也相当知名。虽然在海外被误认为是长篇新作,但《波洛》实际上是吉卜力美术馆影像展示室“土星座”上映的第十部原创短篇。终于迎来公映,关于内容请参阅本号的特集。无论如何,这无疑是一部独特的作品。预计上映将持续到8月底。吉卜力美术馆实行日期指定预约制,详情请参见官网。

 此外,神户的竹中大工工具馆目前正在举办“动画中的日本建筑——吉卜力立体建筑展精选” 。虽然“吉卜力立体建筑展”已在各地巡回并圆满结束,但本次展览从中精选了与日本建筑相关的部分,如《龙猫》、《幽灵公主》、《千与千寻》等,并进行了重新构架。除了介绍背景画、美术板、美术设定等的复制画外,还立体展示了《龙猫》中草壁家的一部分,并探讨了其设计来源。展览将持续至5月6日(周日)。详情请参见该馆的官网。

 最后,二木真希子的绘本将重新出版。二木是吉卜力作品中发挥重要作用的动画师之一,她在描绘草木、动物、自然与人的互动等方面,创造了许多只有她才能描绘的精彩场景。不幸的是,她于2016年5月因病去世。二木生前创作的原创绘本《小皮斯凯的第一次旅行》《小皮斯凯的第一个朋友》一直绝版,但在尊敬二木的人士和粉丝的努力下,这次决定由复刊.com重新出版。《小皮斯凯的第一次旅行》预计于3月中旬发行,《小皮斯凯的第一个朋友》预计于5月中旬发行,根据二木生前的愿望,对文字使用和布局进行了重新审视和编辑,成为新装版。此外,幻之第三卷也正在考虑于今年夏天出版。请大家多多支持。
「野中くん発 ジブリだより」2018年4月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年4月号
 3月21日(水)から、三鷹の森ジブリ美術館のオリジナル短編アニメーション最新作「毛虫のボロ」の公開が、映像展示室・土星座で始まりました。 公開に先立ち、3月14・15日(水・木)の夜、閉館後のジブリ美術館でマスコミ向けの試写会を実施しましたが、宮崎駿監督の久しぶりの新作ということで注目度が高かったせいか、メディアでの採り上げられ方もこれまでの美術館短編より随分目立っていたように思います。話題の1つに、ラストで流れる久石譲さんの音楽を除き、音声をタモリさんが1人で担当していることがあります。セリフはありませんが、独特の発声で効果音とイメージ上の音をすべて表現しており、この映画の特徴の1つとなっています。試写会で発表された宮崎駿監督のコメントを以下、再録します。

 「ごあいさつ
  生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのでしょう。
  小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました。
  毛虫には空気の粒は見えるのかなぁとか、葉っぱをかじった時はゼリーのような味がするのかなぁとか、
  狩人蜂は今の戦場でとびまわっている無人攻撃機みたいなものかなぁとか...。
  それでこんな映画ができてしまいました。
  さいごまでつきあってくれたスタッフと、ノボロギクを教えてくれた家内と、音をあててくれたタモリさんに感謝します。
  タモリさんなくしては、この映画は完成しませんでした。
  ありがとう
宮崎駿」
   ジブリ美術館のギャラリーでは「ボロ」のイメージ ボード等も展示中。作品世界に入っていくような飾りつけもされていて、楽しめます。ジブリ美術館は予約制。詳しくはホームページをご覧下さい。なお、昨夏以降の選考を経てジブリ美術館に採用が決まった新人10名が、4月2日(月)より研修を開始。その後は各部署に配属されて、実地でさらに学んでいきます。  さて、展示と言えば、各地を巡回し好評の「ジブリの大博覧会」が、兵庫県立美術館で4月7日(土)より開催中です。会期は7月1日(日)まで。こちらもどうぞ宜しく。
 3月21日(周三)起,三鹰之森吉卜力美术馆的原创短篇动画最新作《毛虫的波罗》在影像展示室“土星座”开始上映。在公映之前,3月14日和15日(周三、周四)晚上,吉卜力美术馆闭馆后举行了面向媒体的试映会。由于这是宫崎骏导演久违的新作,关注度较高,媒体对此的报道也比以往的美术馆短篇动画更加突出。其中一个话题是,除了片尾播放的久石让的音乐外,所有音效都由塔摩利一人负责。虽然没有台词,但他用独特的声音表现出了所有的音效和意象上的声音,成为这部电影的一个特色。以下是试映会上宫崎骏导演的发言:

 “致词
  刚出生的微小毛虫眼中的世界是怎样的呢?
  小学时,老师教我们植物的光合作用,我一直很好奇光合作用看起来是什么样子的。
  毛虫能看到空气中的颗粒吗?啃叶子时会不会有果冻般的味道?
  猎蜂是不是像现在战场上飞来飞去的无人攻击机一样……?
  于是就有了这部电影。
  感谢一直陪伴到最后的工作人员,告诉我野菊的妻子,以及为电影配音的塔摩利先生。
  没有塔摩利先生,这部电影就无法完成。
  谢谢
宫崎骏”
 吉卜力美术馆的展厅中正在展示《波罗》的形象板等。展厅的布置让人仿佛进入了作品的世界,非常有趣。吉卜力美术馆采用预约制,详情请查看官网。此外,经过去年夏天以来的选拔,吉卜力美术馆决定录用的10名新人将于4月2日(周一)开始培训。之后他们将分配到各个部门,在实践中进一步学习。  说到展览,正在各地巡回并广受好评的“吉卜力大博览会”将于4月7日(周六)起在兵库县立美术馆举办。展期至7月1日(周日)。也请大家多多关注。
「野中くん発 ジブリだより」2018年5月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年5月号
 4月5日(木)午前1時19分、高畑勲監督が亡くなりました。死因は肺がん。82歳でした。残念でなりません。言うまでもなく、高畑さんはジブリの主要メンバー3人の1人であり、ジブリで5本の長編映画を監督してきましたが、作品制作のみならず、節々でその知性と教養に裏打ちされた助言を頂戴することも多く、ジブリの精神的支柱とも言うべき存在でした。
 
 これまた言うまでもないことですが、高畑さんはジブリが出来るはるか以前からアニメーションの制作に携わってきており、その歴史は60年近くに及びます。高畑さんがいなければ、日本の、いや世界のアニメーションは現在とは大きく異なっていたでしょう。「太陽の王子 ホルスの大冒険」は、真正面から現代的なテーマと心理描写に取り組み、アニメーションで深いドラマ性のある物語を描けることを証明しました。「アルプスの少女ハイジ」では日常の生活をアニメーションで描くことに挑戦し、1年間のシリーズを通して圧倒的な臨場感、存在感のある作品世界を構築してみせました。いずれも前例のない試みであり、その影響は計り知れません。「火垂るの墓」における徹底的なリアリズムの追求もまたしかり。さらに、レイアウトシステムの創出など、制作システムや技術面での創造も革新的でした。訃報が報じられたとき、日本だけでなく、世界中の主要なメディアがその業績を伝える詳しい記事を一斉に載せたのを見て、今さらながら高畑さんの為してきたことのすごさを感じました。
 
 音楽、美術に造詣が深く、趣味の範囲をはるかに超えた知識を持ち、絵画については『一枚の絵から』等、本まで書いてしまうほどでしたが、好きなことはとことん楽しんで追求する〝エピキュリアン〞でもありました。一方、平和と民主主義を大切にし、「九条の会」の活動なども積極的に行っていました。最後の著作『君が戦争を欲しないならば』(岩波ブックレット)は、高畑さんのそうした面が良く分かる本です。
 
 何でもとことん考え抜き、とことん調べる高畑さん。徹底的に論理の人だったけれど、同時にとんでもないエネルギーを持っていた人でもあり、しばしばそのエネルギーには圧倒されました。もっといろんなお話をお聞きしたかった。掛け替えのない人を喪ったという思いが日に日に増しています。
 
 高畑さんとの「お別れの会」が、5月15日(火)、三鷹の森ジブリ美術館で行われます。
 4月5日(星期四)凌晨1时19分,高畑勋导演去世了。死因是肺癌,享年82岁。我感到非常遗憾。毫无疑问,高畑先生是吉卜力工作室的三位核心成员之一,他在吉卜力执导了五部长篇动画电影。他不仅在作品创作上贡献巨大,还经常以其深厚的智慧和学识为我们提供宝贵的建议,堪称吉卜力的精神支柱。

 同样不言而喻的是,高畑先生在吉卜力成立之前就已经投身于动画制作,其职业生涯长达近60年。如果没有高畑先生,日本乃至世界的动画发展可能会与现在大不相同。他的作品《太阳王子 霍尔斯的大冒险》直面现代主题和心理描写,证明了动画也能讲述深刻的戏剧性故事。在《阿尔卑斯山的少女海蒂》中,他挑战用动画描绘日常生活,通过一年的系列作品构建了一个充满临场感和存在感的世界。这些都是前所未有的尝试,其影响难以估量。《萤火虫之墓》中对现实主义的极致追求也是如此。此外,他在制作系统和技术方面的创新,如布局系统的创立,同样具有革命性。当讣告发布时,不仅日本,全球主要媒体都纷纷刊登了详细介绍他成就的文章,这让我再次感受到高畑先生所做之事的伟大。

 高畑先生对音乐和美术有着深厚的造诣,他的知识远远超出了兴趣的范畴,甚至在绘画方面还撰写了《从一幅画开始》等书籍。他是一个对喜欢的事物追求到底的“享乐主义者”。同时,他珍视和平与民主,积极参与“九条之会”等活动。他的最后一本著作《如果你不希望战争》(岩波小册子)很好地展现了他的这一面。

 高畑先生是一个凡事深思熟虑、彻底调查的人。他是一个极度理性的人,但同时拥有惊人的能量,常常让我感到震撼。我多么希望能听到他更多的故事。失去这样一个无可替代的人,我的遗憾与日俱增。

 高畑先生的告别会将于5月15日(星期二)在三鹰之森吉卜力美术馆举行。
「野中くん発 ジブリだより」2018年6月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年6月号
 5月15日(火)、「高畑勲 お別れの会」が開催されました。場所は三鷹の森ジブリ美術館。中央ホールの真ん中の階段踊り場とその下に、高畑監督の笑顔の写真を草花で囲んで祭壇を設け、会場としました。この日は快晴。約3200人の方にお越しいただき、高畑監督を偲びました。

 会は2部構成で行われました。まず、11時からは関係者による式典。お別れの会委員長の宮崎駿監督が開会にあたり追悼の文章を読み上げ、全員で黙祷の後、4人の方からお別れの言葉を頂戴しました。東映動画の先輩だったアニメーターの大塚康生さん、同期入社で同じくアニメーターの小田部羊一さん、作曲家の久石譲さん、「レッドタートル ある島の物語」監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさん。その後は二階堂和美さんに「かぐや姫の物語」の主題歌「いのちの記憶」をお別れの歌として歌っていただきました。喪主で高畑監督のご長男の高畑耕介さんが親族を代表してご挨拶をされ、最後は鈴木敏夫プロデューサーがご挨拶。献花に移り、宮崎、鈴木、耕介さん、そして奥様の高畑かよ子さんが献花した後、会場内の参列者が順番に献花。さらに、美術館に隣接する広場に設置された別会場のテント内で参列していただいた方々に館内に順次移動していただき、献花は続きます。式典・関係者の献花がすべて終了した後、14時からは一般の方々の献花に。広場内の待合所から館内に移動していただき、順番に祭壇前で献花。17時まで受け付けて、約2000人の方々に高畑監督を偲び、お別れをしていただきました。
 
 会場内には他に、高畑監督の写真を沢山貼り付けたパネルや、ゆかりの品々、著書などの展示や、その生涯を綴った約10分の特別映像の上映もあり、多くの方々が見入っておられました。
 
 沢山の方々にご参列いただきましたこと、改めまして御礼申し上げます。有難うございました。式典でのお別れの言葉、挨拶、歌、いずれも本当に心がこもった胸を打つ内容でした。また、平日にもかかわらず多くのファンの方々にもご参列いただき、高畑さんと、その作品がとても愛されていることを改めて感じました。皆様のおかげで、温かく、優しく、清々しいお別れの会になったと思います。私自身、未だに悲しい気持ちはありますが、1つ区切りがついた気がします。
 
 最後に改めまして、高畑さん、有難うございました。
 5月15日(星期二),「高畑勋告别会」在三鹰之森吉卜力美术馆举行。中央大厅的楼梯平台及其下方被布置成会场,周围用花草装饰,中间摆放着高畑导演笑容满面的照片作为祭坛。当天天气晴朗,约3200人前来参加,共同缅怀高畑导演。

 告别会分为两部分进行。首先,从上午11点开始是相关人员举行的仪式。告别会委员会主席宫崎骏导演在开场时宣读悼词,全体默哀后,四位嘉宾分别发表了告别感言。他们分别是东映动画的前辈动画师大冢康生、同期入职的动画师小田部羊一、作曲家久石让,以及《红海龟》导演迈克尔·杜多克·德威特。随后,二阶堂和美演唱了《辉夜姬物语》的主题曲《生命的记忆》作为告别之歌。丧主、高畑导演的长子高畑耕介代表家属致辞,最后由铃木敏夫制片人发言。接着进行献花仪式,宫崎骏、铃木敏夫、高畑耕介以及高畑导演的夫人高畑佳代子依次献花,随后会场内的参与者按顺序献花。此外,美术馆旁广场上设置的另一个会场的参与者也被引导进入馆内继续献花。仪式和相关人员的献花结束后,从下午2点开始,普通参与者开始献花。他们从广场的等候区进入馆内,依次在祭坛前献花。献花活动持续到下午5点,约2000人前来缅怀高畑导演,向他告别。

 会场内还展示了大量高畑导演的照片、相关物品、著作等,并播放了约10分钟特别制作的回顾其生平的影片,吸引了众多观众驻足观看。

 再次感谢众多人士的参与。仪式上的告别感言、致辞和歌曲都充满了真挚的情感,令人感动。尽管是工作日,仍有众多粉丝前来参加,这让我再次感受到高畑导演及其作品深受喜爱。在大家的支持下,这场告别会充满了温暖、柔和与清新的氛围。虽然我心中仍感悲伤,但觉得这是一个阶段的结束。

 最后,再次感谢高畑导演。
「野中くん発 ジブリだより」2018年7月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年7月号
 夏が近づき、今年もジブリ関連の展覧会が各地で開催されますのでまとめてご紹介します。
 
 まず、すでに開催中の展覧会から。宮崎県立美術館では「スタジオジブリ・レイアウト展」を開催中。2008年から10年間に亘り、海外を含む各地を巡回してきたレイアウト展ですが、とうとうこの宮崎が日本では最後の開催となりました。奇しくも宮崎県でのジブリもの展覧会は今回が初。9月17日(月・祝)までですのでこの機会にぜひどうぞ。

「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」は名古屋の松坂屋美術館で7月16日(月・祝)まで開催中。鈴木敏夫プロデューサーの書や手書きの原稿、企画資料など様々な言葉と膨大な展示品を通して、ジブリ作品誕生の背景を知ることが出来ます。同展はすぐに金沢に移動し、7月27日(金)から8月25日(土)まで、金沢21世紀美術館で開催されます。
 
 浜松市美術館では「近藤喜文展」を開催中。高畑作品、宮崎作品を支えた日本屈指のアニメーターであり、「耳をすませば」を監督した近藤さんが亡くなって今年でちょうど20年。近藤さんの素晴らしい絵の数々を展示するこの展覧会は9月9日(日)までです。
 
 また、「近藤勝也展」が新潟県立万代島美術館では開催されています。抜群の画力でやはりジブリ作品を支えてきた勝也くんは、キャラクターデザインでも大きな働きをしてきました。多数の原画でその絵の魅力を見せる同展は9月24日(月・祝)までの開催です。
 
 そして海の向こうの上海では、中国本土で初のジブリもの展覧会「World of GHIBLI in China」が開催中。場所は上海環球金融中心。高層ビルの上下2つのフロアーを使用して、「ジブリのアートの世界」展を4階で、「天空の城│ジブリの飛行夢想」展を94階でそれぞれ展示。巡回展ではなく、広大な中国のスケールに合わせた新たな内容です。中国に行かれる方はご覧になってみてはいかがでしょう。10月7日(日)まで。
 
 さらに、今後開催されるものとして、広島県立美術館で7月21日(土)から始まる「ジブリの大博覧会」があります。各地で大好評の同展ですが、中国四国地方は初。9月24日(月・祝)までの開催です。
 
 最後になりましたが、書籍『トトロの生まれたところ』(宮崎駿 監修、スタジオジブリ 編、岩波書店刊)が好評で重版が続いています。宮崎朱美さんの草花のイラストが特に魅力的です。こちらもどうぞ宜しく。
 随着夏天的临近,今年各地也将举办与吉卜力相关的展览,以下是相关介绍。

 首先,已经开始的展览。宫崎县立美术馆正在举办“吉卜力工作室·布局展”。自2008年起,这个布局展已经在包括海外在内的各地巡回展出了10年,而宫崎将是其在日本的最后一站。巧合的是,这也是宫崎县首次举办吉卜力相关的展览。展览将持续至9月17日(周一,假日),请务必抓住这个机会。

 “吉卜力工作室 铃木敏夫 语言的魔法展”正在名古屋的松坂屋美术馆展出,直至7月16日(周一,假日)。通过铃木敏夫制作人的书法、手稿、企划资料等多种语言和大量展品,可以了解吉卜力作品诞生的背景。该展览随后将移至金沢,于7月27日(周五)至8月25日(周六)在金沢21世纪美术馆展出。

 滨松市美术馆正在举办“近藤喜文展”。近藤喜文是支持高畑勋和宫崎骏作品的日本顶尖动画师,也是《侧耳倾听》的导演,今年是他去世20周年。展览将展示近藤先生的众多精美画作,直至9月9日(周日)。

 此外,新潟县立万代岛美术馆正在举办“近藤胜也展”。胜也以卓越的绘画能力支持了吉卜力作品,并在角色设计方面做出了巨大贡献。展览通过大量原画展示了他的绘画魅力,将持续至9月24日(周一,假日)。

 而在海外的上海,中国内地首次举办的吉卜力展览“World of GHIBLI in China”正在进行中。地点位于上海环球金融中心,利用高层建筑的两个楼层,分别在4楼展出“吉卜力的艺术世界”,在94楼展出“天空之城│吉卜力的飞行梦想”。这不是巡回展,而是根据中国的广阔规模设计的新内容。如果您前往中国,不妨一看。展览将持续至10月7日(周日)。

 此外,即将举办的展览包括广岛县立美术馆从7月21日(周六)开始的“吉卜力大博览会”。该展览在各地广受好评,但在中国四国地区是首次举办。展览将持续至9月24日(周一,假日)。

 最后,书籍《龙猫的诞生地》(宫崎骏监修,吉卜力工作室编,岩波书店出版)因好评如潮而不断重印。宫崎朱美的花草插图尤为吸引人。也请多多关注。
「野中くん発 ジブリだより」2018年8月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年8月号
 この原稿を書いているのは7月中旬ですが、すでに梅雨明けから2週間経過していて、暑い日が毎日続いています。関東地方で6月に梅雨明けしたのは観測史上初とのことですが、まさに異常気象ということだと思います。恐らくはその影響の1つだったのでしょう、7月上旬には豪雨が西日本の広い範囲で発生し、大きな被害がありました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。『熱風』のこの号が出る8月10日頃も、まだまだ暑い盛りではないかと心配ですが、これ以上の水害や酷暑による被害のないことを願っております。
 
 さて、この夏も金曜ロードSHOW!ではスタジオジブリ作品の連続放送が実施されます。題して「3週連続 夏はジブリ」。まず、8月10日(金)には「ハウルの動く城」。翌週の8月17日(金)には「となりのトトロ」。そして 8月24日(金)は「猫の恩返し」が放送されます。どうかご覧下さい。また、今回も、データ放送やSNS等でのデジタル展開が予定されていますので併せてお楽しみ下さい。
 
 この夏はジブリ関連の本がいくつか発売されましたのでここで改めてご紹介します。まず、スタジオジブリ出版部編集のいしいひさいちさんの『ののちゃん全集』11巻が7月27日に発売されました。朝日新聞朝刊連載4コマ漫画の単行本ですが、11巻は2016年、2017年の掲載分をすべて収録。巻末にはののちゃんの幼稚園時代を描いた描き下ろし漫画「ののちん」も入っています。昨年連載7000回を達成したこの漫画、変わらぬ面白さで本当にすごいことです。今回は同時期に『ののちゃんセレクション ポチ!』も発売されました。また、文春ジブリ文庫では『ジブリの教科書19 かぐや姫の物語』が8月3日に発売。「ナウシカ」から始まった『ジブリの教科書』シリーズもこれがひとまず最終巻、全20巻の完結となります。そして鈴木敏夫プロデューサーの『禅とジブリ』が淡交社から7月5日に出ています。雑誌『なごみ』に連載された3人の禅僧との対談をまとめた本ですが、発売即、重版がかかっており、「禅」と「ジブリ」の組み合わせが皆さんの興味を引きつけているのかも。
 
 最後になりましたが、先月もお伝えしたように現在、各地でジブリの展覧会が開催中です。上海で開催中の「World of GHIBLI in China」を含めると6つ。機会がありましたらこちらもどうかご覧下さい。
 在撰写这篇稿件时,已经是7月中旬,距离梅雨结束已经过去了两周,每天都是炎热的天气。据说这是关东地区有史以来首次在6月就结束了梅雨季节,这无疑是一种异常气候现象。可能正是受此影响,7月上旬西日本广大地区发生了暴雨,造成了严重的灾害。我向受灾的各位表示深切的慰问。预计《热风》这期杂志在8月10日发行时,天气依然会非常炎热,我衷心希望不再有更多的水灾和酷暑带来的损害。

 此外,这个夏天,金曜ロードSHOW!将继续播放吉卜力工作室的作品,主题为“连续三周,夏天是吉卜力”。首先,8月10日(周五)将播放《哈尔的移动城堡》,接下来的一周8月17日(周五)将播放《龙猫》,然后在8月24日(周五)播放《猫的报恩》。请大家不要错过。同时,这次也计划通过数据广播和社交媒体等进行数字推广,希望大家也能享受这些内容。

 今年夏天,有几本与吉卜力相关的书籍出版,我在这里再次向大家介绍。首先,由吉卜力工作室出版部编辑的石井寿一的《ののちゃん全集》第11卷已于7月27日发售。这是朝日新闻早报连载的四格漫画的单行本,第11卷收录了2016年和2017年的所有连载内容。书末还附有描绘ののちゃん幼儿园时期的原创漫画“ののちん”。这部漫画去年连载达到了7000回,其不变的趣味性真是令人惊叹。同时,同期还发售了《ののちゃんセレクション ポチ!》。此外,文春吉卜力文库的《吉卜力的教科书19 辉夜姬物语》已于8月3日发售。从《风之谷》开始的《吉卜力的教科书》系列,这将是最后一卷,全20卷将完结。还有,铃木敏夫制作人的《禅与吉卜力》已于7月5日由淡交社出版。这本书整理了与三位禅僧在杂志《なごみ》上的对话,一经发售便重印,可能是“禅”与“吉卜力”的结合吸引了大家的兴趣。

 最后,正如上个月所提到的,目前各地正在举办吉卜力的展览,包括在上海举办的“World of GHIBLI in China”在内共有六个。如果有机会,也请大家前去参观。
「野中くん発 ジブリだより」2018年9月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年9月号
 スタジオジブリは8月15日を含む1週間を例年夏季休暇としており、今年も8月11日(土)〜19日(日)がお休みでした。制作部門は新作の公開年は1週間ではなく2週間だったりしますが、今年はそうではないので、小金井のスタジオでは「君たちはどう生きるか」制作スタッフを含めほとんどの人がこの期間、夏休みでした。今年の夏は異常な暑さでしたが、この号が出る9月10日頃、果たして秋の気配をどこまで感じられる気候になっているでしょうか。

 一方、三鷹の森ジブリ美術館は当然ながら夏休みはなく、8月も連日沢山のお客様をお迎えしていました。昨年5月から始まった企画展示「食べるを描く。」展は、この欄でもお伝えした通り期間を延長して11月初めま
で開催予定ですが、3月から始まった新作短編映画「毛虫のボロ」の上映は8月一杯でひとまず終了、現在土星座では9月末まで「めいとこねこバス」を上映中です。それに伴い2階ギャラリーの「毛虫のボロ」展も9月頭に終了し、9月12日(水)から新しいギャラリー展示〝「トトロの生まれたところ」ふるさとスケッチ日記〞が始まります。5月末に岩波書店から出た書籍『トトロの生まれたところ』(宮崎駿 監修、スタジオジブリ 編)は、宮崎朱美さんが描いた、所沢の四季折々の自然や植生の美しいスケッチと日記、宮崎駿監督の「となりのトトロ」のイメージボードと新たなインタビュー、鈴木敏夫プロデューサーによる八国山の写真探訪記などで構成されていて、〝トトロの生まれたところ〞である所沢の自然の魅力が伝わる素敵な本に仕上がっています。お陰様で重版が何度もかかるほど好評ですが、今回は、書籍に収録しきれなかった、瑞々しい野生の息吹が伝わる朱美さんの原画やスケッチブックの数々を展示し、その絵の魅力を改めてご紹介します。ジブリ美術館は予約制。詳しくはホームページをご覧下さい。
 
 最後になりましたが、この夏各地で行われたジブリ関連の展覧会、開催中のものがまだいくつかありますので、この機会にぜひどうぞ。宮崎県立美術館で「スタジオジブリ・レイアウト展」が9月17日(月・祝)まで、広島県立美術館で「ジブリの大博覧会」が9月24日(月・振休)まで、新潟県立万代島美術館で「近藤勝也展」が同じく9月24日まで、そして中国・上海の上海環球金融中心で「World of GHIBLI in China」が10月7日(日)まで、それぞれ開催中です。
 吉卜力工作室每年都会将包括8月15日在内的一个星期作为夏季假期,今年也不例外,8月11日(周六)至19日(周日)是假期。制作部门在新片上映的年份有时会休假两周,但今年并非如此,因此在小金井的工作室,包括《你想活出怎样的人生》制作人员在内的大多数人都在这段时间享受了暑假。今年夏天异常炎热,但在这期杂志出版的9月10日左右,天气是否已经能让人感受到秋天的气息呢?

 另一方面,三鹰之森吉卜力美术馆当然没有暑假,8月也每天迎接了大量游客。自去年5月开始的特别展览“描绘食物”展,正如本栏目之前报道的那样,已延长展期至11月初。而自3月开始上映的新作短片《毛虫的波罗》则于8月底暂时结束,目前土星座影院正在上映《梅伊与小猫巴士》,展期至9月底。与此同时,二楼画廊的《毛虫的波罗》展览也将在9月初结束,9月12日(周三)起将开始新的画廊展览“《龙猫的诞生地》故乡素描日记”。5月底由岩波书店出版的书籍《龙猫的诞生地》(宫崎骏监修,吉卜力工作室编)收录了宫崎朱美描绘的所泽四季自然与植被的美丽素描与日记,宫崎骏导演的《龙猫》形象板与新访谈,以及铃木敏夫制片人的八国山摄影探访记等内容,成为一本展现“龙猫的诞生地”所泽自然魅力的精彩书籍。由于广受好评,该书已多次重印。此次展览将展示书中未能收录的朱美女士的原画与素描本,再次呈现这些画作的魅力。吉卜力美术馆实行预约制,详情请参阅官网。

 最后,今年夏天在各地举办的吉卜力相关展览中,仍有几场正在进行中,欢迎大家借此机会前往参观。宫崎县立美术馆的“吉卜力工作室·布局展”将持续至9月17日(周一·假日),广岛县立美术馆的“吉卜力大博览会”将持续至9月24日(周一·调休),新潟县立万代岛美术馆的“近藤胜也展”同样持续至9月24日,而中国上海环球金融中心的“World of GHIBLI in China”展览将持续至10月7日(周日)。
「野中くん発 ジブリだより」2018年10月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年10月号
 皆さんの中で、LPレコードで音楽を聴いたことがある人はどれくらいの比率になるのでしょうか。ふとそんなことを思ったのは、11月3日(土・祝)に、スタジオジブリの初期3作品「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」のLPレコードの復刻盤が発売されるからです。ご存じのように、80年代にLPはCDに取って代わられました。私もそれまでLPを買っていましたが、1988年に初めてCDプレーヤーを購入し、以後はずっとCDを聴いてきました。「となりのトトロ」「火垂るの墓」のサントラ盤はLPで買いましたが、「トトロ」のサウンドブックのアルバムはCDで買ったことを覚えています。メーカーも、ジブリ作品のLPは「魔女の宅急便」のサントラ盤を限定BOXの形で出したのが最後だったようです。ですが、近年LPレコードが一部で見直されつつあるそうで、生産枚数も伸びているのだとか。そこでLPの魅力をさらに知ってもらおうということで、数年前から11月3日に「レコードの日」というイベントを行うようになったそうで、今回の復刻発売もその一環として行われます。各作品3タイトルずつ、それぞれイメージアルバム、サントラ盤、シンフォニー編(「トトロ」のみサウンドブック)が発売されるので合計9タイトル。この企画のために新たにマスタリングした音源を使用しており、ジャケットや帯、ライナーノーツも極力オリジナルを再現。今回復刻される9タイトルは、現行CDとはジャケットの絵柄が違う物が多ています。30センチ四方の大きなサイズでその絵柄が楽しめるわけで、これはLPならではの魅力ですね。中には、元々そういう仕様だったので複製セル画付きの物もあり、そうしたこともあって価格はタイトルごとに違います。発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ。詳しくは「レコードの日」公式サイトをご覧下さい。http://レコードの日.jp
 
 さて、この季節は毎年、来年のカレンダーが発売される時期ですが、今年も長編21作品を収めた「スタジオジブリ アートフレームカレンダー」と「となりのトトロ」の2種が出ました。定番商品ですね。
 
 最後になりましたが、夏に続いて、秋にも金曜ロードSHOW!で再びスタジオジブリ作品が放送されます。題して「2週連続放送 秋のジブリ」。今回は10月26日(金)に「もののけ姫」、11月2日(金)に「紅の豚」が放送されます。どうぞ宜しく。
 大家中有多少人曾经用LP唱片听过音乐呢?我突然想到这个问题,是因为11月3日(周六·假日)将发售吉卜力工作室早期三部作品《风之谷》、《天空之城》和《龙猫》的LP唱片复刻版。众所周知,80年代LP被CD取代。我之前也一直购买LP,但在1988年第一次购买了CD播放器,之后就一直听CD。我记得《龙猫》和《萤火虫之墓》的原声带是买的LP,但《龙猫》的配乐专辑是买的CD。制造商似乎也以限定盒装形式发行了《魔女宅急便》的原声带LP,这似乎是吉卜力作品LP的最后一次发行。但近年来,LP唱片在某些领域重新受到关注,生产数量也在增加。因此,为了让大家更了解LP的魅力,几年前开始每年11月3日举办“唱片日”活动,这次的复刻发行也是其中的一部分。每部作品将发行三种版本:印象专辑、原声带和交响乐编曲(《龙猫》只有配乐专辑),共计九种。为了这个项目,使用了重新制作的音源,封面、封带和歌词本也尽量还原了原版。这次复刻的九种版本中,许多与现行CD的封面图案不同。30厘米见方的大尺寸可以更好地欣赏这些图案,这正是LP的独特魅力。有些版本原本就有这样的设计,还附有复制赛璐珞画,因此价格因版本而异。发行方是德间日本通信。详情请参见“唱片日”官方网站http://レコードの日.jp。

 每年这个时候,都会发售明年的日历,今年也推出了收录了21部长篇作品的“吉卜力工作室艺术框架日历”和《龙猫》两种。这是经典商品。

 最后,继夏季之后,秋季的“周五路SHOW!”将再次播放吉卜力工作室的作品。这次的主题是“连续两周播放 秋季吉卜力”。10月26日(周五)将播放《幽灵公主》,11月2日(周五)将播放《红猪》。敬请期待。
「野中くん発 ジブリだより」2018年11月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年11月号
 10月18日(木)と19日(金)、スタジオジブリ恒例の社員旅行がありました。行先は栃木県。今年は日程を1日短縮し、1泊2日とコンパクトなバスの旅でした。また、スタジオと美術館は今年は別々の実施となり、スタジオのスタッフのみで出掛けました。
 
 初日朝、東京駅と武蔵野線の新秋津駅の2か所で別々に集合。高速道路途中のサービスエリアで合流し、最初の目的地である渡良瀬遊水地へ。ボランティアのガイドに案内をしていただき、エリアの広さ、葦の高さを実感しました。再びバスに乗って栃木市へ。一旦自由行動となり、昼食をそれぞれとった後、蔵の街として知られる市内を各自散策しました。宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーは途中まで一緒に動いていて私もそこにくっついていたのですが、宮崎監督の勧めで横山郷土館へ行き、その後、たまたま中島清文社長の母校・栃木高等学校がすぐそばだったのでそこの古い建物を少し見学。その後巴波川の周辺を歩き回り、バスに戻って全員で大谷資料館へ。地下の大谷石採掘場跡は、神殿のような独特の雰囲気で面白かったです。その後は那須のホテルへ移動、みんなで揃って夕食を頂き、卓球部屋と二次会部屋でさらに親睦を深めました。卓球部屋の設置は久しぶりでしたが、幅広い年齢層が一緒に楽しめるのが卓球のいいところ。若手スタッフと共に宮崎監督、鈴木プロデューサーも参加し、トーナメント戦で盛り上がりました。

 2日目は茶臼岳、美術館めぐり(奈良美智さんのNʼs YARDなど)、那須どうぶつ王国、自由行動とそれぞれコースに分かれての観光。茶臼岳は山頂が濃霧でロープウェイの終点までで止めた人が多かったそうです。昼食は再び集合しジンギスカン&バイキング。そしてバスに乗り帰京しました。今回、日程が短かったこともあり、割と決まったスケジュールに沿って皆で動いた点もいつもと違っていましたが、その分中身は濃かったと思います。幸い雨もほぼ降らず、各自リフレッシュ出来たのではないでしょうか。
 
 さて、富山市の高志の国文学館では「生誕100年記念特別展 堀田善衞─世界の水平線を見つめて」が開催中です。宮崎駿監督が尊敬し愛読した堀田さんの展覧会、ジブリも協力していて、宮崎吾朗監督によるアニメーション化企画「路上の人」のイメージボード等の展示もあります。会期は12月17日(月)まで。ぜひご覧下さい。
 10月18日(星期四)和19日(星期五),吉卜力工作室举行了惯例的员工旅行。这次的目的地是栃木县。今年的行程缩短了一天,变成了紧凑的两天一夜巴士之旅。此外,今年工作室和美术馆的旅行分开进行,只有工作室的员工参加了这次旅行。

 第一天早上,大家分别在东京站和武藏野线的新秋津站集合。在高速公路的服务区汇合后,前往第一个目的地——渡良瀬游水地。在志愿导游的带领下,大家亲身感受到了这片区域的广阔和芦苇的高度。随后再次乘坐巴士前往栃木市。到达后,大家自由活动,各自享用午餐,并在以“藏之街”闻名的市内自由散步。宫崎骏导演和铃木敏夫制片人一开始和大家一起行动,我也跟随他们。在宫崎导演的建议下,我们去了横山乡土馆,之后偶然发现中岛清文社长的母校——栃木高中就在附近,于是顺便参观了那里的古老建筑。接着,我们在巴波川周边散步,随后返回巴士,全体前往大谷资料馆。地下的大谷石采石场遗址有着如神殿般的独特氛围,非常有趣。之后,大家前往那须的酒店,共进晚餐,并在乒乓球室和二次会房间进一步加深了交流。乒乓球室的设置是久违的安排,乒乓球的好处在于能让不同年龄层的人一起享受乐趣。年轻员工与宫崎导演、铃木制片人一起参加了乒乓球比赛,气氛非常热烈。

 第二天,大家分别选择了不同的观光路线,包括茶臼岳、美术馆巡游(如奈良美智的N's YARD)、那须动物王国以及自由活动。据说茶臼岳山顶被浓雾笼罩,许多人选择在缆车的终点站停下。午餐时大家再次集合,享用了成吉思汗烤肉和自助餐。随后乘坐巴士返回东京。由于这次行程较短,大家按照固定的日程行动,与以往有所不同,但内容却更加充实。幸运的是,几乎没有下雨,每个人都得到了充分的放松。

 此外,富山市的高志之国文学馆正在举办“堀田善卫诞辰100周年纪念特别展——凝视世界的水平线”。宫崎骏导演非常尊敬并喜爱堀田善卫的作品,吉卜力也参与了这次展览的协办。展览中还包括了宫崎吾朗导演策划的动画《路上的人》的形象板等。展览将持续至12月17日(星期一),欢迎大家前来参观。
「野中くん発 ジブリだより」2018年12月号
《野中君发 吉卜力通讯》2018年12月号
 三鷹の森ジブリ美術館の新しい企画展示が11月17日(土)から始まりました。題して「映画を塗る仕事」展。アニメーションの制作工程の中で、キャラクター等の色を決め、その色を塗る部門を仕上と呼びますが、今回の展示はその仕上部門に焦点を当てています。それも少し前の時代の仕上の仕事。コンピューターを使いデジタル技術で色を塗る以前の、セルとセル絵の具を使っていた頃を採り上げています。ジブリ作品で言えば「もののけ姫」までですね。
 
 アニメーションは実写と違い、画面に映るものはすべて描かなければなりません。塗る色もすべて作り手が決めているわけで、そこには演出家の意図があります。キャラクターの性格や心情、物語の中の時間経過や天候、場の雰囲気を表すために、さらには、リアリティと存在感を高め、映画をより豊かで訴求力のあるものにするために、どういう色を塗るのがいいのか。故・高畑勲監督と宮崎駿監督は、これまでの作品において色彩ついてどのような演出意図があったのか。また、監督たちの意図を受けて、色彩設計の担当者は、実際にどういう色を選んで、どうやってセルに絵の具で色を塗ってきたのか。この展示では、各作品の実例を具体的に紹介し、「映画を塗る仕事」の秘密と魅力に迫ります。デジタルペイントになってからは、使える色の数は理論上無制限になりました。しかし、セルとセル絵の具を使っていた頃は、厳然たる物理的制約がありました。当時、制作スタッフ達は、知恵と工夫でどうやってその制約を乗り越えていったのか。今回の展示は、制作当時に使われた実際のセル画を200点ほど展示してそれを説明しており、とても見応えがあります。ここ20年ほど、セル画を目にすることは普段ほとんどないのですが、今回まとまった数のセル画を久しぶりに見て、やはり独特の魅力があるなあと改めて思いました。単純に、見ているだけでも楽しいです。また、580色分のセル絵の具の瓶も雰囲気を出しています。会期は来年11月までの予定。どうぞお越しください。なお、ジブリ美術館は予約制です。
 
 さて、各地を巡回しお陰様で好評の「ジブリの大博覧会」が、12月8日(土)より富山市ガラス美術館で開催されています。今回は9会場目となりますが、富山ならではの新たな展示物も増えているとのことですので、富山県や近県の方はぜひどうぞ。来年2月24日(日)までの開催です。
 三鹰之森吉卜力美术馆的新企划展览已于11月17日(周六)开始。展览名为“为电影上色的工作”。在动画制作过程中,决定角色等颜色并为其上色的部门被称为“仕上”,本次展览聚焦于这一部门,尤其是较早时期的仕上工作。展览展示了在计算机和数字技术用于上色之前,使用赛璐珞和赛璐珞颜料的时代。以吉卜力作品来说,就是到《幽灵公主》为止。

 动画与实拍不同,画面中所有内容都需要绘制。上色的颜色也全部由创作者决定,其中包含了导演的意图。为了表现角色的性格和心情、故事中的时间流逝和天气、场景的氛围,以及增强真实感和存在感,使电影更加丰富和有吸引力,应该使用什么样的颜色?已故的高畑勋导演和宫崎骏导演在他们的作品中,对色彩有着怎样的导演意图?此外,色彩设计负责人如何根据导演的意图,实际选择颜色,并用赛璐珞颜料上色?本次展览通过具体介绍各作品的实例,深入探讨“为电影上色的工作”的秘密与魅力。自从数字上色技术出现后,理论上可以使用的颜色数量变得无限。然而,在使用赛璐珞和赛璐珞颜料的时代,存在着严格的物理限制。当时,制作人员是如何通过智慧和创意克服这些限制的?本次展览展出了约200幅制作时实际使用的赛璐珞画,并进行了详细说明,非常值得一看。近20年来,我们平时很少有机会看到赛璐珞画,这次看到如此多的赛璐珞画,再次感受到它们独特的魅力。单纯观赏也让人感到愉悦。此外,580种赛璐珞颜料的瓶子也为展览增添了氛围。展览将持续到明年11月,欢迎大家前来参观。需要注意的是,吉卜力美术馆实行预约制。

 此外,巡回各地并广受好评的“吉卜力大博览会”将于12月8日(周六)在富山市玻璃美术馆举办。这是本次巡回的第9站,据说还增加了富山特有的新展品,富山县及附近地区的观众千万不要错过。展览将持续到明年2月24日(周日)。