文档:Symphonic Suite 「Kiki’s Delivery Service」/專輯解說

出自宫崎骏与久石让中文百科
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 主頁面 Symphonic Suite 「Kiki’s Delivery Service」 文檔 
解説
久石讓&新日本愛樂·世界夢幻交響樂團
交響組曲「魔女宅急便」
 久石譲と新日本フィルハーモニー交響楽団がワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O.)のプロジェクトを開始してから15周年に当たる2019年の8月1日、ツアー初日の演奏を静岡市民文化会館で聴いた時のことは、よく覚えている。茹だるような蒸し暑さを物ともせず、会場に集まった若い世代──10代から30代の聴衆──の多さに、まずは圧倒された。しかも彼ら彼女らのほとんどは、あたかもヨーロッパの夏の音楽祭に参加するかのように、瀟洒なファッションに身を包んで会場に馳せ参じている。普段からクラシックの演奏会を聴きに来ているかどうかわからないが、この日の演奏が特別なものになるに違いないと期待に胸を膨らませた聴衆の喜びと興奮は、客席を埋め尽くした洒落た装いから十分過ぎるほど伝わってきた。その若い聴衆たちが、本盤にも収録されている《Symphonic Suite “Kiki’s Delivery Service”》《[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings》《組曲「World Dreams」》を一音も逃すまいと集中して聴き入る姿を傍から眺めていると、さまざまな記憶が頭の中に去来してきた。W.D.O.が創設された15年前といえば、おそらく聴衆のほとんどは、まだ大学生以下だったはずである。ちょうど2019年で30周年を迎えた『魔女の宅急便』公開当時は、物心がついていなかったという聴衆も多かったのではあるまいか。そういう若い世代がW.D.O.の演奏会に集うようになったのである。15年あるいは30年という時間の流れは、それなりの重みを持っている。

 2004年にW.D.O.を立ち上げた時、久石が掲げた目標のひとつは、彼なりのスタイルで日本におけるポップス・オーケストラの在り方を模索し、それを実現させることだった。久石がエンターテインメントのために書いた楽曲がプログラムに含まれるのは当然だが、それだけでなく、コンサートごとにさまざまなテーマを設定し、他の作曲家が書いた映画音楽やポップス、ロックを含めながら、そのテーマに基づく世界観でプログラム全体を統一するという、非常に凝った構成で久石流のポップス・オーケストラを実現させていった。それが2011年まで続いたW.D.O.第1期の大まかな概略だが、いま振り返っても、この時期のプログラミングと演奏はとても楽しいものだったし、こういう機会でもなければ久石が取り上げないジャンルの音楽や珍しいレパートリーが聴けたという意味でも、とても貴重な体験だったと思う。

 その後、2014年から始まったW.D.O.第2期においては、久石自身の作品をプログラムの中心に据えて曲目を構成しながら、宮崎駿監督の作品のために書いた音楽を交響組曲化し、それを世界初演していくプロジェクトがコンサートに組み入れられるようになった。これまで久石が作曲した作品だけでも膨大な数に上るし、これらをコンサート用の楽曲として演奏していくだけでも、実は”久石作品集”というひとつの大きなテーマが立派に成立する。加えて、第2期を開始した頃から、久石の楽曲の演奏状況が日本以外の各国で大きく変わり始めた。つまり、久石作品の演奏回数が世界中で急増し始めたのである。そうした状況の変化に対応するため、W.D.O.はこれまでになかったもうひとつの役割、つまり他の演奏団体が久石の作品を演奏する際の”お手本”を示すという役割も担うようになった。

 だが、それ以上にW.D.O.第2期に大きな変化をもたらした重要な要素がある。それは、クラシック作曲家/指揮者としての久石の音楽性が、より明確な形でW.D.O.に反映されるようになったという点だ。

 そうした観点から見てみると、宮崎作品の音楽の交響組曲化は──もちろん世界中から寄せられる演奏の要望に応えるという側面も有しているが──実はW.D.O.第2期のクラシカルな性格と何ら矛盾をきたさない。チャイコフスキーのバレエ曲を例に挙げるまでもなく、過去のクラシック作曲家たちは舞台のために書いた劇音楽を演奏会用組曲として再構成し、形に残すという作業を重ねてきたが、久石の場合も基本的にはそうした流れを汲んだものと言える。ここで重要なのは、単に劇音楽の聴きどころを寄せ集めた”ハイライト”を作るのではなく、物語の流れを踏まえた上で、演奏会用作品としての完成度を追求している点にある。そうした方法論は、W.D.O.第1期だったらおそらく不可能だったかもしれない。それを実現するためには、クラシック音楽家としての久石の円熟を待たなければならなかったからだ。

 したがって、W.D.O.創設の際に久石が書き下ろしたテーマ曲〈World Dreams〉が、今回3楽章形式の《組曲「World Dreams」》として装いも新たに生まれ変わったのも、先に触れたW.D.O.第2期の性格に鑑みれば、至極当然の結果と言えるだろう。ポップス・オーケストラとしての面白さを追求していた第1期ならば〈World Dreams〉ただ1曲の演奏でも充分に役割を果たしていたかもしれないが、よりクラシカルな性格を備えた第2期のW.D.O.の”顔”には、それなりの風格──つまり今回のような3楽章形式の組曲──が相応しい。同じことは、やはり本盤に収録された《[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings》についても言える。

 しかしながら、W.D.O.が第1期のような特定のプログラム・テーマを追求していくやり方を完全に止めてしまったかというと、必ずしもそうではない。本盤の場合には”ヨーロッパ”と”女性”というテーマが収録曲から浮かび上がってくる仕組みになっている(聡明にも、久石はそうしたテーマの明言を敢えて避けているが)。あるプログラムに込められた特定のテーマを、リスナーなりに読み取り、楽しんでいくのは、実は音楽の面白さのひとつでもある。ダウンロードやストリーミングでの音楽鑑賞が普及し、自分が聴きたい1曲だけを狙い撃ちして聴くのが当たり前になった現在、アルバム単位やプログラム単位で音楽を聴く習慣は、ひょっとしたら若い世代のリスナーには敷居が高いと感じられるかもしれない。だが、1時間のアルバムに込められたコンセプトや、4楽章の交響曲が表現している内容を聴き取っていくのは、1曲だけを聴くリスニングにはない喜びや満足感を与えてくれる。そこに重点を置いているのが、クラシック音楽家としての現在の久石の矜持であり、ひいてはW.D.O.が第2期で到達したクラシカルな面白さではないだろうか。

 2019年で第2期を締め括ったW.D.O.が、今後第3期でどのような展開を見せていくのか──千人単位の聴衆が演奏会場を埋め尽くすコンサートの実現が難しい現時点においては──まだわからない。ただし、ひとつ確実に言えることは、本盤にライヴ収録された音楽の喜びと興奮が、第3期で再始動する時のW.D.O.の大きな原動力となるに違いない、という点である。
  久石讓與新日本愛樂交響樂團一起展開的World Dream Orchestra(W.D.O.)的企劃,在2019年的8月1日屆滿15周年,聆聽了於靜岡市民文化會館巡迴首日的演奏,還是記憶猶新。而最讓我驚訝的是,即便當日是炎熱酷暑,仍有許多年輕世代-10〜30歲的聽眾-齊聚會場。而且她他們是盛裝出席,就宛若參加歐洲的夏季音樂祭一般,雖不知他們是否平素就會去聽古典演奏會,但從那天盛裝坐滿觀眾席次的景象,充分讓我感受到觀眾對當天的演奏有着分外期待的那種喜悅與興奮之情。在一旁看見那些年輕的觀眾們,連一個音符也不錯過的集中精神聆聽也收錄在本作的「Symphonic Suite 「Kiki's Delivery Service」」「[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings」「組曲[World Dreams]」時,種種記憶湧上心頭。說起在15年前創設W.D.O.時,現場大部分的聽眾應該都還不是大學生,而剛好在2019年迎接公開上映30周年的「魔女宅急便」,有很多觀眾應該在當時也都還未懂事吧。而這些年輕的世代卻能參與W.D.O.的演奏會,足見其具有15年亦或是說30年光陰的重要價值。

  2004年創建W.D.O.時,久石讓所訂定的目標之一是,以他所具有的風格去摸索並且實現流行交響樂在日本應有的方式。久石讓為演藝界所創作的樂曲,當然也在節目演出當中,但不僅如此,他也會根據每場演唱會設定各種不同的主題,包括其它作曲家所創作的電影音樂及流行音樂還有搖滾樂,基於主題的世界觀來統一整體的節目,實現了非常講究的內容構成出久石讓的流行交響樂。這是持續到2011年W.D.O.第1期大致的概略,現在回想起來,這時期的節目與演奏十分的令人愉快,而且若並非這樣的機會是無法聽到久石讓所未接受的音樂流派及珍貴的拿手演出,所以是非常寶貴的體驗。

  之後從2014年開始的W.D.O.第2期,是由久石讓本身的作品為節目的中心所構成的演出曲目,為宮崎駿導演的作品所創作的音樂以交響組曲形式,首次在世界公演的企劃,納入演奏會之中。光是在這之前久石讓作曲的作品,就擁有相當多的曲數,僅將這些樂曲在演奏會上演出,其實就已經可以精彩地成為「久石讓作品集」一大主題,再加上從第2期開始之時,久石讓的樂曲演奏狀況,在日本以外的各國,也有了很大的改變,也就是久石讓作品的演奏次數開始在世界急增,為了因應這樣的狀況變化,W.D.O.也有了另一個過去所未有的角色,也就是在其他的演奏團體在演奏久石讓作品之際,擔任了「示範」的作用。

  但在W.D.O.第2期更帶來了很大變化的重要因素,那就是身為古典作曲家/指揮家久石讓的音樂性這一點,以更明確的形式反映在W.D.O.。

  如同聽眾們應該都已經知道,現今的久石讓的活動不僅只為演藝界創作音樂,也將重點放在開始極簡音樂的純音樂作曲以及古典音樂的指揮活動,某個意義是久石讓回歸原點,也就是他實現他當初成為音樂家的目標,而他的活動成果也應用在W.D.O.,簡明地說,W.D.O.從當初的流行交響樂成長為可以聽到更正式的交響音樂的強烈古典個性的企劃。

  從這樣的觀點來看,宮崎駿作品音樂的交響組曲化-當然也有為了因應世上要求的演奏希望的這一面-但其實並不會與W.D.O.第2期的古典個性帶來任何矛盾。就以柴可夫斯基的芭蕾曲為例,過去許多古典作曲家們會為了舞台演出的戲劇音樂,再度編構演奏會用組曲,留存了重複形式的作業,基本上久石讓也是遵循了這樣的流程。在這裏最重要的是,並非只是將戲劇音樂的精彩聽點集合一起的「High Light」,而是循着故事的順序,追求演奏會用作品的完成度這一點。這樣的方法論可能在W.D.O.第1期是不可能的做到的,為了要實現這一切,必須要等待古典音樂家久石讓的圓熟才行。

  而且也將W.D.O.創設之際,久石讓所譜寫的主題曲(World Dream)這次以3樂章形式的《組曲「World Drams」》又再新裝重生,從之前我所接觸的W.D.O.第2期的個性來看,這個結果可以說是至極當然吧。如果是追求流行交響樂的趣味的第1期的話,可能只要一曲〈World Dreams〉的演奏就充分能達成任務,但是再更具備古典的性格的第2期的W.D.O.風貌上,那樣的風格-也就是這次3樂章形式的組曲-更加符合。同樣的收錄在本盤的《〔Woman》for Piano, Harp, Percussion and Strings)也是如此。

  但是,也並非完全停止追求W.D.O.第1期般的特定表演曲目與主題的做法。在這張專輯中,就有以「歐洲」和「女性」這樣的主題所收錄的作品(久石讓很聰明地避開直接言明這些主題)。在某些演奏曲目納入特定的主題,讓聽眾讀取、欣賞,其實這也是音樂的趣味之一。在下載和串流等方式欣賞音樂普及、只聽自己想聽的一首曲子是很理所當然的現今,以專輯和節目為單位來聆賞音樂的習慣,也許很可能對年輕世代的聽眾來說,門檻太高。但是在聽取一小時的專輯概念及4樂章的交響曲所表現的內容,將更勝於只聆聽1曲的喜悅及滿足感,其重點在於身為古典音樂家的久石讓,現今的矜持,而且是W.D.O.在第2期到達了古典的趣味之處吧。

  在2019年達到第2期的W.D.O.,今後在第3期將會有甚麼樣的呈現呢-現在這時間點很難實現千人以上滿座的演奏會場-一切都還無法預知會如何。只是可以確信的一件事是,在本盤收錄的現場演奏音樂的喜悅與興奮,將成為W.D.O.第3期再始動的最大原動力。
楽曲解説
樂曲解說
Symphonic Suite “Kiki’s Delivery Service”
交響組曲「魔女の宅急便」
Symphonic Suite 「Kiki's Delivery Service」
交響組曲「魔女宅急便」
本盤が世界初録音となる《Symphonic Suite “Kiki’s Delivery Service”(交響組曲「魔女の宅急便」)》は、これまで久石とW.D.O.が発表してきた宮崎駿監督作品の交響組曲同様、本編のために作曲された主要な楽曲を物語順に配列した上で、常設オーケストラのレパートリーとして演奏可能なように構成した作品である。

もともと『魔女の宅急便』のスコアは、オカリナ、アコーディオン、そして数々の木管楽器など、息=風(ウィンド)を吹き込む楽器が多用されているという特徴を持っている。”息=風”は、主人公キキがホウキに跨って飛ぶ”空の風”の象徴であり、彼女が暮らすコリコの街に漂う”空気感”の象徴であり、ひいては彼女自身の”生命の息吹”、つまり生命力の象徴でもある。そうした人間の生命力を肯定的に讃えながら、久石がスコアの中で表現したキキの成長物語は、アコースティックな管楽器の美しさを十全に活かした今回の交響組曲において、よりいっそう色鮮やかな魅力を発揮していると言えるだろう。

ちなみに『魔女の宅急便』の本編においては、いくつかの楽曲が未使用に終わったが(サントラ盤には収録されている)、今回の交響組曲ではそれらの楽曲も復活させ、本来の久石の作曲意図が完全に楽しめる内容となっている。また、サントラ録音時にやや軽めの編成だったオーケストラも今回はシンフォニックな厚みが加わり、シンセサイザーで代用していた楽器(オカリナなど)も今回は生楽器に置き換えたことで、クラシカルなオーケストラに相応しいダイナミックなサウンドと細やかな表現力を堪能することが出来る。たとえ映像を見なくても、今回の交響組曲を聴けば、リスナーは物語のドラマ的な要素をすべて理解出来るはずだ。

次に、組曲での登場順に各曲を紹介する。

On a Clear Day 晴れた日に…
本編冒頭、キキが旅立ちを決意するシーンで流れるワルツの楽曲で、本作の音楽全体においてはメインテーマの役割を果たしている。アコーディオン、マンドリン、ツィンバロンなど、地中海的な音楽を連想させる楽器を多用することで、舞台となる架空のヨーロッパを色鮮やかに表現する。

A Town with an Ocean View 海の見える街
前半部(イメージアルバムでの曲名は〈風の丘〉)と後半部(同じく〈ナンパ通り〉)からなる、本作のサブテーマ。前半部は、キキの目に映った街のよそよそしさを反映するかのように、木管と弦のピツィカートがメロディを折り目正しく演奏する。オーボエ・ソロを巧みに用いた間奏部分は、あたかもヴィヴァルディやバッハのオーボエ協奏曲を聴いているかのようだ。街の人々がキキの姿に感嘆の声を上げる後半部になると、カスタネットも加えたフラメンコ風の音楽となり、彼女の躍動感と期待感を高らかに表現する。

The Baker’s Assistant パン屋の手伝い
キキが、オソノさんのパン屋で働き始めるシーンの音楽で、アコーディオンを用いたコンチネンタル・タンゴ(ヨーロピアン・タンゴ。1960年代の日本で高い人気を誇った)のスタイルで書かれた楽しい楽曲。実質的にはオソノさんのテーマと見ることが出来る。

Starting the Job 仕事はじめ
曲名通り、キキの仕事はじめのシーンで流れてくる。思わず歌詞をつけて歌いたくなるような民謡風の楽曲。

Surrogate Jiji 身代りジジ
『トムとジェリー』風のアニメ音楽という設定で流れてくる楽曲で、調子っぱずれのホンキートンク・ピアノがユーモラスな楽曲。W.D.O.2019のリハーサル中に久石が語ったところによれば、20世紀前半のアメリカで流行したディキシーランド・ジャズを意識して作曲した曲だという。今回の交響組曲においては、管楽器がスタンドプレーを披露する聴かせどころのひとつとなっている。

Jeff ジェフ
どこかのんびりしたチューバが、老犬ジェフの緩慢な仕草を表現したテーマ。

A Very Busy Kiki 大忙しのキキ
Late for the Party パーティーに間に合わない
前述の〈海の見える街〉後半部のフラメンコ風の音楽を基にしたヴァリエーション。

A Propeller Driven Bicycle プロペラ自転車
実質的には、少年トンボのテーマとして書かれている。キキと仲良くなったトンボが、彼女をプロペラ自転車に乗せて走るシーンで流れてくるが、音楽が徐々にテンポを上げた後、ふたりを乗せた自転車が宙に浮かぶと、どこか田舎臭いワルツ──あるいはワルツの前身とされるレントラー──が盛大に演奏される。

I Can’t Fly! とべない!
本編未使用曲だが、今回の交響組曲で復活した楽曲。もともとはキキの魔法が弱くなり、飛べなくなってしまうシーンのために書かれたサスペンス音楽で、彼女が直面する危機を表現した「危機のテーマ」と言える。

Heartbroken Kiki 傷心のキキ
トンボからの電話にまともに答えず、ひとり部屋に籠もってホウキを作るキキをアコーディオンが優しく慰めるように演奏する。

An Unusual Painting 神秘なる絵
絵描きの少女ウルスラの小屋の中で、キキがウルスラに励まされるシーンの楽曲。本作全体の中でも特にユニークな存在感を放っている楽曲で、サントラではオカリナ風のシンセによって演奏されていたが、今回の交響組曲ではフルート奏者3人がオカリナに持ち替え、見事な三重奏を披露する。どこか太古の響きを感じさせるオカリナの音色は、生命の根源そのものの象徴であり、わかりやすく言えば生命力そのものを象徴している。そのオカリナを用いることで、人間としての自然治癒、自己回復を表現した楽曲と見ることが出来る。

The Adventure of Freedom, Out of Control 暴飛行の自由の冒険号
前述の〈とべない!〉で登場した「危機のテーマ」をテンポを速めてアレンジした楽曲。後半部は金管セクションが加わり、いやが上にもサスペンスを盛り上げる。

The Old Man’s Push Broom おじいさんのデッキブラシ
もともとは、飛行船に取り残されたトンボをキキが救いに向かうアクション・シーンのために書かれた楽曲。〈海の見える街〉前半部のテーマを007風の活劇調に変奏していくことで、手に汗握るスリルとサスペンスを見事に表現している。本編では未使用となったが、今回の交響組曲の中で最も聴き応えのあるダイナミックな楽曲となっている。

Rendezvous on the Push Broom デッキブラシでランデブー
キキが見事にトンボを救い出す大団円で流れる楽曲で、メインテーマのワルツが再現する。

Mother’s Broom おかあさんのホウキ
今回の交響組曲では、キキの旅立ちを家族や隣人たちが見送るシーンの楽曲(サントラ盤では〈旅立ち〉として収録)がエピローグとして演奏される。しっとりとしたヴァイオリン・ソロを演奏しているのは、W.D.O.コンサートマスターの豊嶋泰嗣。そのソロをオーケストラが幸せに包みこむようにして、全曲が閉じられる。
  本盤是《Symphonic Suite 「Kiki's Delivery Service」(交響組曲「魔女宅急便」)》的世界首次錄音之作,與過去久石讓與W.D.O.發表的宮崎駿導演作品的交響組曲相同,為本篇作曲的主要樂曲依故事的順序排列,並且以常設管弦樂團能夠演奏的表演曲目所構成的作品。
  原本「魔女宅急便」的配樂是由陶笛、手風琴,以及多種木管樂器等演奏,多使用呼吸=風(Wind)吹的樂器為特徵。「呼吸=風」是主人翁Kiki騎着掃帚飛翔,象著着「天空的風」,象著着她所居住的克里克的街道所散發的「空氣感」,更是她自身的「生命呼吸」,也是生命力的象徵,在給予人類生命力肯定的讚譽同時,久石讓在配樂中表現了Kiki的成長故事,完全活化呈現了Acoustic的管樂器之美在這次的交響組曲中,可以說更發揮了色彩鮮明的魅力。
  此外在「魔女宅急便」的本篇中,雖然有幾首樂曲未使用到(有收錄在電影配樂盤),這次的交響組曲也讓這些樂曲復活,讓大家可以盡享本來久石讓的完整作曲意圖的內容。而在配樂錄音時,是稍微輕柔編制的管絃樂,在這次加重了交響樂的厚重,以電子合成樂器來代用的樂器(陶笛等)在這次用現場樂器置換,更充分符合了古典管弦樂的活力樂音及細緻表現力發揮,即使看不到影像,只要聆聽這次的交響組曲,聽眾應該能完全理解故事的戲劇性要素。
  接下來,依組曲登場的順序為各位介紹每首樂章。

On a Clear Day
  本篇一開頭,Kiki決定去流行的場景所流洩的華爾滋樂曲,在本作的音樂整體中,達到主題音樂的任務,使用了許多讓人聯想到地中海音樂的樂器如手風琴、曼陀林、匈牙利揚琴等,讓虛構的歐洲舞台街道表現地更加鮮明。

A Town with an Ocean View
  前半部(在Image Album的曲名是〈風之丘〉)與後半部(同樣的〈找尋街道〉)組合而成,是本作的副主題曲。
  前半部如同映入Kiki眼中那城市的冷酷般,正經的木管與弦樂撥奏的演奏。巧妙運用雙簧管獨奏的間奏部分,彷彿就像聽到維瓦第及巴哈的雙簧管協奏曲般。到了在街上的人都對Kiki發出感嘆之聲的後半部,變成也加入響板的佛朗明哥風音樂,高亢的表現出她躍動感及期待感。

The Baker's Assistant
  Kiki開始在索娜的麵包店工作的場景所流洩的音樂,是運用手風琴的歐式探戈樂風(在1960年代日本非常受歡迎)的風格所創作的愉快樂曲。事實上也可以看出是索娜的主題曲。

Starting the Job
  如同曲名,在Kiki開始工作時的場景流瀉的音樂、令人不由得想耍填上歌詞唱的民謠風樂曲。

Surrogate Jiji
  以『湯姆貓與傑利鼠』風的卡通音樂設定流瀉的樂曲,走調的小酒館鋼琴充滿幽默的一曲,根據久石讓在W.D.O.2019的綵排中表示,他是以20世紀前半在美國流行的迪克西蘭爵士樂為創作意識的樂曲,在這次的交響組曲中,以管樂器為主奏的披露方式是最大的亮點之一。

Jeff
  散發莫名慵懶的低音號表現出老狗Jeff緩慢動作的主題樂。

A Very Busy Kiki

Late for the Party
  以前述的〈A Town with an Ocean View〉後半部的佛朗明哥風音樂為基本的變奏曲。

A Propeller Driven Bicycle
  事實上這是以少年蜻蜓為主題所寫的曲子,跟Kiki成為好朋友的蜻蜓,用螺旋槳腳踏車載着Kiki的場景流洩的音樂,音樂徐徐地提高節奏後,兩人騎的腳踏車飄浮在宇宙時,盛大演奏出帶有鄉土味的華爾滋-也就是華爾滋的前身蘭德勒舞曲。

I Can't Fly!
  雖然是本篇為使用曲,但在這次交響組曲復活的樂曲,原本是為了Kiki的魔法變弱,無法飛行的場景所寫的懸疑音樂,也可以說是表現出她直接面對危機的「危機主題」。

Heartbroken Kiki
  手風琴的樂音好像溫柔地在安慰不真心回應蜻蜓的來電,關在房間裏做掃箒的Kiki。

An Unusual Painting
  在繪畫的少女烏露絲拉的小屋之中,Kiki受到烏露絲拉激勵的那一幕的樂曲,在本作整體之中也綻放着特別獨特存在感的樂曲,在配樂中是用陶笛風的電子合成樂器演奏,但在這次的交響組曲中,由三位長笛演奏家換成陶笛,精采地披露三重奏。那種讓人感覺到帶有太古聲響樂音的陶笛音色,有着生命根源的象徵,簡單地說就是象著着生命力,因為使用了陶笛這樂器,也可以看見這首樂曲是表現出身為人類的自然治療、自我恢復。

The Adventure of Freedom, Out of Control
  將如前述的「I Can't Fly!」中所登場的「危機主題」,加快了節奏編曲過的樂曲,後半部加入金管樂器吹奏,更加地增添了懸疑的氣息。

The Old Man's Push Broom
  原本是Kiki為了拯救留在飛行船中的蜻蜓那一場動作戲所寫的樂曲,將「A Town with an Ocean View」前半部的主題,變奏為007風的動作片樂調,精采的表現出手心冒汗的驚悚和懸疑。在本篇中雖未使用,但是成為在這次交響組曲中,最值得一聽的活力樂曲。

Rendezvous on the Push Broom
  Kiki精采的救出蜻蜓大團圓時流瀉的樂曲,再現主題曲的華爾滋。

Mother's Broom
  在這次的交響組曲,家人和鄰居們目送Kiki旅行這一幕的樂曲(在電影配樂盤是以〈踏上旅程〉一曲收錄),是演奏的終曲。寧靜安詳的小提琴獨奏是由W.D.O.演奏會大師的豐嶋泰嗣。他的獨奏讓管弦樂如同包圍着滿滿幸福般為全曲劃下句點。
[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings
[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings
2009年にリリースされたアルバム『Another Piano Stories ~The End of the World~』に収録されていた3つの楽曲をピアノ、ハープ、パーカッション、弦楽合奏で演奏可能なように再構成した作品。曲名通り、いずれの楽曲もすべて女性に因んでいる。

Woman
原曲は、2006年にオンエアされた婦人服ブランド「レリアン」CMのために書かれた楽曲。アルゼンチン・タンゴ、より正確には久石が敬愛するアストル・ピアソラのタンゴを意識したスタイルで作曲されている。

Ponyo on the Cliff by the Sea
さかなの子・ポニョと人間の子・宗介の出会いと冒険を描いた宮崎駿監督『崖の上のポニョ』のメインテーマ。弦楽器やハープのピツィカートとマリンバのトレモロが生み出すユーモラスな響きが、不思議にもポニョのイメージと一致する。

Les Aventuriers
久石のお気に入りの映画のひとつで、ジョアンナ・シムカス演じるヒロインを軸にしながらアラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラの2人が冒険を繰り広げる『冒険者たち』から自由にイメージを羽ばたかせ、演奏者たちに5拍子という”冒険”を要求する作品。『冒険者たち』をご覧になったことがあるリスナーなら、ドロン扮するパイロットが複葉機で凱旋門をくぐり抜けようとするシーンを想起されるかもしれない。映画の中で曲芸飛行は失敗に終わるが、本楽曲においては演奏者たちが鮮やかな”曲芸飛行”を決める。
  收錄在2009年發行的「Another Piano Stories~The End of the World~」專輯中的3首樂曲,以鋼琴、豎琴、打擊樂器、弦樂合奏所構成的作品。如同曲名,每首樂曲都是與所有的女性相關。

Woman
  原曲是為了2006年播出的女性服飾品牌廣告所創作的樂曲,是首阿根廷探戈,更正確來說是久石讓以敬愛的阿斯托爾皮亞佐拉的探戈風格所創作樂曲。

Ponyo on the Cliff by the Sea
  描述人魚的小孩波妞與人類的小孩宗介的邂逅與冒險的宮崎駿導演「崖上的波妞」主題音樂。弦樂器及豎琴的撥奏與木琴的顫音所交織而生的幽默聲響,不可思議地和波妞的感覺很一致。

Les Aventuriers
  久石讓所喜愛的一部電影,以喬安娜辛庫絲主演的女主角為中心,從亞蘭德倫及里諾凡杜拉兩人不斷歷經冒險的「冒險者」,自由地讓想像飛翔,所以要求演奏者以5拍的「冒險」演出這首樂曲。若是曾經看過「冒險者」電影的聽眾,可能聆賞時會回想起亞蘭德倫飾演的飛行員駕着雙翼滑翔機要穿越凱旋門的畫面,電影中,曲藝飛行最終失敗,但在本樂曲的演奏者們則精彩詮釋鮮明的「曲藝飛行」。
組曲「World Dreams」
組曲「World Dreams」
2004年に久石と新日本フィルがW.D.O.を立ち上げた際に書き下ろしたテーマ曲〈World Dreams〉を第1楽章に用い、全3楽章の組曲として構成した作品。

I. World Dreams
「作曲している時、僕の頭を過っていた映像は9.11のビルに突っ込む飛行機、アフガン、イラクの逃げまどう一般の人々や子供たちだった。『何で……』そんな思いの中、静かで優しく語りかけ、しかもマイナーではなくある種、国歌のような格調あるメロディが頭を過った」。”世界の夢”(World Dreams)を象徴する崇高なメロディをオーケストラが荘重に演奏する、ある意味で久石版《歓喜の歌》と呼ぶべき楽章である。

II. Driving to Future
原曲は大手自動車部品メーカー、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 50周年記念事業映像のためのメインテーマ。メロディアスな第1楽章から雰囲気が一変し、久石の得意とするミニマル・ミュージック的な語法が中心となる軽やかな楽章。トランスミッションの歯車を思わせる精緻なリズム構造の上で、弦が滑らかな曲線を描いていく。

III. Diary
原曲は日本テレビ『皇室日記』テーマ曲。荘重なメロディが新たに登場し、格調高く演奏される。久石によれば、〈Diary〉の作曲時に〈World Dreams〉の世界観と共通するものを感じ、今回の組曲化に踏み切ったということである。
  2004年久石讓日本愛樂一起創建W.D.O.時所寫下的主題曲〈World Dreams〉,用於第1樂章,構成為全3樂章組曲的作品。

I. World Dreams
  「在作曲之際,我的腦海中閃過了911時飛機穿過高樓大廈的影像,阿富汗、伊拉克的逃難人民和小孩,在『為何…』的思緒之中,靜靜的溫柔訴說,而且那並不是種負面的情緒、是如國歌般有格調的旋律迴盪在腦海」。象著着「世界的夢」(World Dream)的崇高旋律以交響樂莊重的演奏'某種意義來說,應該可以稱為是久石版(歡喜之歌)的樂章。

II. Driving to Future
  原曲是知名汽車零件廠商為紀念創設50週年企業影像的主題音樂,從旋律的第1樂章氛圍一變成為久石讓擅長的極簡音樂般語法為中心的輕柔樂章,在令人感覺宛如傳動齒輪的精緻節奏構造上,弦樂勾劃出圓滑的曲線。

III. Diary
  原曲是日本電視『皇室日記.』主題曲。莊重的旋律全新登場,以高格調的方式演奏。根據久石讓所說,在〈Diary〉作曲之時,感受到與〈World Dreams〉共通的世界觀,而決心此次的組曲化。
前島秀国 / Hidekuni Maejima
サウンド&ヴィジュアル・ライター
2020/07/07
前島秀國/Hidekuni Maejima
Sound & Visual Writer
2020/07/07