文档:久石让官网日志/2000年4月

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2000/4:Apr
2000年4月
4月2日(日)
TDの予定だったが急遽シンセの打ち込みを行うこととなり、○○○○さんの歌声に合わせて弦パートにアレンジを加える。ディレクターの田中氏、「久石さん、イイッすね!これ最高ですよ!!」と興奮が収まらない。夕食後、ようやくTDが始まる。エンジニアがバランスを整えている間、ロビーでは歌手の○○○○さんが買ってきた金魚の飼育をめぐって、久石さんと田中氏を交えた3人で激論を交わす。そうこうしているうちに日付が変わり、TDも無事に終了。ボリュームのある歌声を生かすためにリバーブ感を抑えた結果、厚みのあるサウンドに仕上がる。
4月3日(月)
北野武監督の最新作「BROTHER」のプリプロが始まる。サンプリングCDからエスニックリズムをチョイスすることになったのだが、お目当てのCDがプリプロルームに見当たらないのに気付くスタッフ。久石さんが黙々と作業を進めている間、事務所を上げて青息吐息の大捜査が行われる。およそ7時間後にCDは無事発見。資料の管理問題が改めて問われる。
4月4日(火)
プリプロ2日目。エスニックリズムをベースに、メインテーマが作曲される。今回は○○○○○(楽器名)をフューチャリングすることになったのだが、これによって今までの北野作品とは全く異なる世界感を生み出すのに成功。俗に言われる「久石メロディ」ではないところが、今回の作品のポイントである。
4月5日(水)
プリプロ3日目。メインテーマに各セクションを加え、ベーシックをほぼ完成させる。その後、 パーカッションをメインにした、アップテンポな曲を作曲。スタッフの一人は「TA・TA・RI・GAMI」に似ているとコメントするが…。
4月6日(木)
今日からスタジオでの作業。新装された代々木の第2スタジオにベーシックレコーディングのシステムがセットされ、メインテーマのアレンジが行われる。シンプルなメロディなので、どんなアレンジも可能なのがコワイ。
4月7日(金)
オープニングテーマに取り掛かる。弦と木管の現代的なコードにピアノソロが加わり、とてもクールな曲になる。
4月8日(土)
北野監督がいらっしゃる。画像に合わせて、メインテーマと完成した曲を聴いて頂く。この間、スタッフは外で待機。監督とどのような打ち合わせが行われたのかは不明だが、スタジオから出てきた久石さんは元気がない。この後、福島未来博の打ち合わせに直行。
4月10日(月)
オープニングテーマの手直し作業。木管楽器の複雑なコードを最小限にとどめ、不必要な要素を削っていく。何度もやり直すが、どれもこれもしっくりいかない様子。明け方4時まで苦しい作業が続く。
4月11日(火)
タラブッカやトーキングドラムなど、エスニックなリズム楽器のレコーディング。途中未来博の打ち合わせが行われ、スタジオと事務所を行ったり来たりのハードスケジュール。もちろん「BROTHER」のベーシックレコーディングも引き続き行われる。
4月12日(水)
オフィス北野より連絡が入る。ソロ楽器のフューチャリングや現代的な和音を使った手法など、いくつかの新しい試みに映画スタッフが少し戸惑っている様子。過去の北野作品とは明らかに異なるアプローチ、果たして受け入れてもらえるのだろうか?悶々としながら思い悩む久石さん。苦しい作業が明け方まで作業が続く。
4月13日(木)
終日作業が停滞。何度も映像と音楽を合わせてみる。悩みに悩んだ結果、今までの方向性で続行することが決定。明日の監督打ち合わせに間に合わせるため、急遽メインテーマ用のレコーディングがセットされる。
4月14日(金)
メインテーマソロのレコーディングは順調に行われ、わずか1時間弱で終了。プレイバックを聴けば聴くほど、「これしかない!」という想いがスタッフ全員に広がる。夕方に監督がいらっしゃり、昼に録ったばかりのソロを聴いて頂く。今回の打ち合わせ、結果はすべてOK!!。監督に気に入って頂けたようだ。緊張していた空気が一気に晴れ、安堵のため息があちこちから響く。森プロデューサーも、何も言わずニコニコ顔で久石さんと硬い握手。
4月15日(土)
レコーディングの1日。久石さんがピアノを弾くのは約1ヶ月ぶり。セリフとの兼ね合いを考慮し、そのシーンに合わせたニュアンスで弾かなくてはならないので、必然的に時間がかかる。この日はベースとギターのレコーディングも行われる。
4月17日(月)
スコア書きに入る。今日はオープニングテーマ。現代的なコードをきれいに響かせるため、管楽器のオーケストレーションに苦心する。明け方の3時までかかる。
4月18日(火)
メインテーマの書き。シーケンスデータを基本に、オーケストレーションを膨らませる。「劇版どころか一つの作品を書いているみたい」と久石さん。確かにいつもよりも書きのペースが遅いのだが、それだけスコア書きの段階で内容を膨らませているのだ。
4月19日(水)
今回の「BROTHER」、1曲のタイムが恐ろしく長い。スコアの分量が増えるのはもちろんのこと、現代的な和音を用いているため、ピアノでチェックしながらの作業が延々と続く。この日の段階で完成したスコアは14曲中わずか3曲…。オーケストラのレコーディングまで残り3日。
4月20日(木)
連日の徹夜作業、久石さんの疲労も極限に近い。この日メイン系の曲がほぼ出揃い、少し気が楽になったようだ。
4月21日(金)
残り5曲。食事もとらずに黙々と書き続ける。およそ10時間後、地獄のスコア書きが終了。書き上げたスコアは記譜の抜けや音符の書き乱れもなく、とにかく美しい。
4月22日(土)
久石さん直々のコンダクトによる、新日本フィルハーモニーオーケストラとのレコーディング。作曲家の気持ちがストレートに伝わるのか、オーケストラの演奏も上々だ。北野監督もお見えになり、フルオーケストラのダイナミックな演奏に御満悦の様子。
4月23日(日)
TDが始まる。初日なので全体のバランス感覚をつかむのに時間がかかってしまい、朝までに仕上がったのはわずか3曲。手元には、残り11曲分のスコアが整然と積まれている。
4月24日(月)
仮眠をとって再びのぞんだTD。昨日に比べるとかなり順調なのだが、もちろんハプニングも起きる。映像とピッタリ合うはずの曲が、ミキシング終了後に確認してみると1拍もずれていたり…。しかし時間は容赦なく過ぎていき、全てが終了したのは昼の11時。ギリギリ納品に間に合う。
4月25日(火)
徹夜明け。無事締め切りに間に合い、監督やスタッフらと共にダビングに参加。音楽と効果音を組み合わせての試写を行うが、デジタル化された効果音に遮られ、音楽がなかなかクリアに聞こえない。スタジオに戻り対策を練る。出来るだけブライトな音創りをすることとなり、再びTDが始まる。
4月26日(水)
途中スタッフに仮眠をとらせるが、久石さんは徹夜2日目。納品ギリギリまで作業を行いあらためてダビングにのぞむ。音響スタッフとチェックした結果、今回は効果音に負けない音質に仕上がっている。ホッと安心する暇も無く、事務所にトンボ帰りをして打ち合わせ。
4月27日(木)
「BROTHER」制作中には出来なかった、数々の打ち合わせや取材を行う。5月17日に発売されるソロアルバム「Shoot the Violist」のプロモーションも佳境である。イギリスBBC放送の取材は「BROTHER」制作がメイン。
4月28日(金)
「BROTHER」のダビング。本編をいくつかのロールに分け、セリフや効果音、音楽の強弱などをチェックしていく。視覚と聴覚のみの作業とはいえ、制作の疲れが抜けていない身にはキツイ。ダビングルームから出てきた久石さん、げっそりやつれている。
4月29日(土)
ラストロールのダビング。ラストシーンに音楽をつけるかどうか、論議が繰り返される。監督もかなり悩んでいたようだが、最終的にはカットされることに…。また、ハウスビートのエンディングもピアノソロのメロディに変更されることになる。ラストが大幅に変化したものの、監督のOKが出てダビング終了。この時点で実質的な「BROTHER」制作が終了する。