文档:吉卜力日志/2002年2月

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2002年2月
2002年2月
2月1日(金)
 XXX氏の住んでいる部屋のある一ヶ所に、毎夜長く黒い髪の毛が出現するらしい。毎日ゴミ箱へ捨ててもまた次の日には、そこに出現するという。XXX氏の髪は金色なので本人のものでないのは確実なのだが、ではいったい誰の髪の毛なのか・・・。当然XXX氏は眠れない夜をおくっている。
2月1日(星期五)
 据说XXX先生所住的房间的某个地方,每晚都会出现长长的黑发。即使每天扔进垃圾桶,第二天又会出现在那里。XXX先生的头发是金色的,所以肯定不是他自己的,那么这到底是谁的头发呢……当然,XXX先生因此夜不能寐。
2月2日(土)
 今週はレイアウトも50カット以上、原画も40カット以上上がっている。メインスタッフのチェックも今までなかったほど数字が上がってきた。このままの雰囲気を維持していきたいところ。東小金井北口徒歩7,8分のところにジブリスタッフ愛用の洋食屋キッチンブラウンがある。ジブリ内でもおいしいとの評判で、昼は土曜日しか営業していないのだが、その日はジブリスタッフでいっぱいとなる。ジブリからは徒歩だと15分ほどかかるので、自転車隊を結成していくもの、テクテク歩いていくもの様々。
2月2日(星期六)
 本周的布局已经完成了50多张,原画也完成了40多张。主要工作人员的检查数量也比以往有了显著提升。希望继续保持这种良好的氛围。在东小金井北口步行约7、8分钟的地方,有一家吉卜力员工喜爱的西餐厅Kitchen Brown。在吉卜力内部也以美味著称,虽然只在周六中午营业,但那天总是挤满了吉卜力的员工。从吉卜力步行过去大约需要15分钟,所以有人组成了自行车队,也有人慢慢步行过去。
2月4日(月)
 深夜、月末に迫ったカッティングに向け対策会議が行われる。改めてカット表を見直すと、そのあまりの惨状にぞっとしてくる。とりあえず危なそうなカットの素材を一つ一つ作っていくしかないのか・・・。
2月4日(星期一)
 深夜,为了应对即将到来的月末剪辑,我们召开了对策会议。重新审视剪辑表时,其惨状令人不寒而栗。看来只能逐一制作那些看起来危险的剪辑素材了……。
2月5日(火)
 「○ンスターズ○ンク」の試写が行われる。忙しい中、飯を抜いて見たのだが、一食ぐらい抜いてもお釣りがくるほど面白かった。ジブリの中でも評判を呼んでいる。ただ、楽しみにしていたのに、渡辺氏のように会議等で見られなかった人も多数。
2月5日(星期二)
 《○ンスターズ○ンク》的试映会举行。在忙碌中,我甚至没吃饭就去看了,但即使少了一顿饭也完全值得,因为电影非常有趣。即使在吉卜力作品中,这部也备受好评。不过,虽然很多人期待已久,但像渡边先生那样因为会议等原因没能观看的人也不少。
2月6日(水)
 鈴木プロデューサーが今日から出張へ出たのだが、その代理として渡辺氏がAMDアワードの授賞式に参加する。タキシード指定だったため貸衣装屋で調達し、緊張しながらも無事大役を務める。
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流し目がいやらしい渡辺氏  レイアウトの演出チェック後の作業を二つに分けることになり、制作部でレイアウトの大量コピー。終わったのは日付が変わってから。
2月6日(星期三)
 铃木制作人今天开始出差,因此渡边先生作为代理参加了AMD颁奖典礼。由于要求穿燕尾服,他从租赁店租了一套,虽然紧张但顺利完成了这项重要任务。
吉卜力日志 diary02 020206.jpg
渡边先生的眼神有些轻佻  在布局的演出检查后,工作被分成两部分,制作部进行了大量的布局复制。工作结束时已经过了午夜。
2月7日(木)
 ジブリ美術館のために制作された短編アニメーションのひとつ「くじらとり」が、大藤賞を受賞。夕方より行われた記念式典には、朝からバリバリの格好をしていた演出の稲村氏が出席し、トロフィーと賞状を持ち帰ってくる。大藤賞といえば、昔から数々の名作が受賞してきただけに感慨深いものがある。
 夕方からキャスト打ち合わせが行われる。
2月7日(星期四)
 为吉卜力美术馆制作的短篇动画之一《捕鲸》荣获大藤奖。从早上开始就精神抖擞的导演稻村先生出席了傍晚举行的纪念典礼,并带回了奖杯和奖状。提到大藤奖,自古以来就有许多名作获奖,因此令人感慨颇深。
 傍晚开始进行配音演员的碰头会。
2月8日(金)
 風邪が蔓延している「猫の恩返し」班、スタッフがかわるがわる休んでいる気がする。制作田中氏撃沈。
 今日から引き続き鈴木プロデューサーがベルリン映画祭へ参加するためベルリンへ。「千と千尋」がコンペティション上映されるとの事。ドイツ人にはどう見えるのかな~。
2月8日(星期五)
 感冒在《猫的报恩》团队中蔓延,感觉工作人员轮流在休息。制作人田中先生也倒下了。
 从今天开始,铃木制作人继续前往柏林参加柏林电影节。据说《千与千寻》将在竞赛单元上映。不知道德国人会怎么看呢~。
2月9日(土)
 昨夜行われたブルーリボン賞の授賞式に、宮崎監督の代理としてまたもや渡辺氏が参加。けさの朝刊には吉永小百合、山崎努らと渡辺氏が一緒に写った写真が紙面を飾って制作部は騒然となる。写真のコメントには「・・・一人おいて山崎努氏」と一人おかれてしまった渡辺氏だが、本人の気分は大スター。
 月末のカッティングに向け危険カットの洗い出しが始まる。いくつかは回収しないとならないかもしれない。
2月9日(星期六)
 昨晚举行的蓝丝带奖颁奖典礼上,渡边先生再次作为宫崎导演的代理人出席。今天早上的报纸上刊登了吉永小百合、山崎努和渡边先生一起拍摄的照片,制作部因此一片哗然。照片的评论中写道:“……山崎努先生旁边还有一个人”,虽然渡边先生被单独放在一边,但他本人的心情却像大明星一样。
 为了月底的剪辑工作,开始筛选危险镜头。可能有一些镜头需要回收。
2月12日(火)
 野見さん、若林さんが来社して「猫の恩返し」の音楽打ち合わせが行われる。今回は実際に絵コンテを見ながら「ここにこんな音楽を」と確認していく作業だったため、5時間半ほどの打ち合わせとなる。
2月12日(星期二)
 野见先生和若林先生来到公司,进行了《猫的报恩》的音乐讨论。这次是实际看着分镜图,确认“这里需要这样的音乐”的工作,因此讨论持续了大约五个半小时。
2月13日(水)
 ギブリーズのカッティングが行われる。1エピソードを除いて終了。いいな~と羨ましがる「猫の恩返し」スタッフ。
 連絡会議が行われる。鈴木プロデューサーからのベルリン報告や、各作品の進行状況の報告等が行われる。
2月13日(星期三)
 吉卜力工作室进行了剪辑工作。除了一集之外,其余部分已经完成。《猫的恩返し》的工作人员羡慕地说:“真好啊~”。
 召开了联络会议。铃木制片人报告了柏林的情况,并汇报了各作品的进展情况。
2月14日(木)
 風邪で火曜日からぶっ倒れている出口氏は今日もお休み。まだ風邪に犯されていない人や、既にその地獄から生還したスタッフは、予防にと、ビタミンCの錠剤を購入したりして必死に抵抗をしている。
 今日はバレンタインデー。ジブリ内でもチョコが散乱していたが、一番もらっていたのは、宮崎監督でも鈴木プロデューサーでもなく、「まろ」こと原画の米林氏だった。机の上はチョコで山積みだったとか。
2月14日(星期四)
 因感冒从周二开始倒下的出口先生今天也休息了。那些尚未被感冒侵袭或已经从这场地狱中恢复的员工们,为了预防,纷纷购买维生素C片,拼命抵抗。
 今天是情人节。吉卜力内部也到处都是巧克力,但收到最多巧克力的既不是宫崎导演也不是铃木制作人,而是原画的米林先生,绰号“まろ”。据说他的桌子上堆满了巧克力。
2月15日(金)
 朝11時に「モンスターズインク」の監督ピート・ドクター氏とリー・アンクリッチ氏が来社。バーにてスタッフとの親睦会が行われる。CG部の方塰さんを中心に様々な質疑応答が行われる。ピクサーとジブリの作品作りにおける共通点やシステム的な違いが分かって面白かった。ところでピートさんはとても背が高く(多分190cm以上)、宮崎監督や鈴木プロデューサーと記念撮影をしたのだが、鈴木プロデューサーをバストアップで撮ろうとすると・・・、これ以上は書けません・・・。
 今日から「新世紀東京国際アニメフェア21」が東京ビックサイトで始まる。ジブリでもブースを出しているので、朝から何人ものスタッフが会場へ。
2月15日(星期五)
 上午11点,《怪兽电力公司》的导演皮特·多克特和李·昂克里奇来访。在酒吧举行了与员工的联谊会。以CG部的方塰先生为中心,进行了各种问答。了解到皮克斯和吉卜力在作品创作中的共同点和系统上的差异,非常有趣。顺便说一下,皮特先生个子非常高(大概190cm以上),和宫崎导演以及铃木制作人一起拍了纪念照,但如果要拍铃木制作人的半身照的话……,这里就不多说了……。
 从今天开始,“新世纪东京国际动画展21”在东京国际展览中心开幕。吉卜力也设有展位,所以从早上开始就有很多员工前往会场。
2月16日(土)
 今日からアニメフェアが一般公開。手伝いで何人かのスタッフがビックサイトへ。さすがに凄い人出でてんてこ舞いだったとか。
2月16日(星期六)
 今天开始动漫展对公众开放。几位工作人员去Big Site帮忙。据说人流量非常大,忙得不可开交。
2月18日(月)
 昨夜「千と千尋の神隠し」がベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞との一報が入り、急遽記者会見が行われる。70人もの取材人が集まり、会見の後も原稿を書きメールを送る記者たちの為に12時半頃までバーを開放していた。広報西岡氏は、朝からアニメフェア、帰ってきたと思ったら受賞の記者発表、とまったく休むまもなく働いていたとか。ところで朝からお祝いの花が次々と送られてくる。バーはさながら花屋と化していた。
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▲70人も入ると二馬力も狭く感じる。  ギブリーズで残っていたエピソードのカッティングが行われる。ようやく全てのカッティングが終了。
2月18日(星期一)
 昨晚突然传来消息,《千与千寻》在柏林国际电影节上获得了金熊奖,于是紧急召开了记者招待会。大约70名记者聚集在一起,为了让他们在会后能够写稿和发送邮件,酒吧一直开放到12点半左右。据公关西冈先生透露,他早上刚参加完动漫展,回来就接到了获奖的记者发布会通知,几乎没有休息的时间。从早上开始,祝贺的花束就陆续送来,酒吧简直变成了花店。
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▲70人一进来,二马力也感觉变得拥挤了。  在吉卜力工作室,剩下的片段剪辑工作也完成了。终于所有的剪辑工作都结束了。
2月19日(火)
 千尋のときにお世話になったDRデジタルのジョンさんが、韓国の朝鮮日報「話題の人」コーナーに登場。千尋の金熊賞受賞についてインタビューに答えていた。本当に喜んでくれているみたいで、ありがたいことです。
2月19日(星期二)
 曾经在千寻时期给予我们帮助的DR Digital的约翰先生,在韩国的《朝鲜日报》“话题人物”栏目中亮相。他就千寻获得金熊奖一事接受了采访。看起来他真的很为我们感到高兴,真是令人感激。
2月20日(水)
 カッティング向けに素材制作を開始。斎藤君が色が付きそうにないカットを次々とQARに入れ込み始める。先は長いぞ。
 ギブリーズのアフレコが行われる。トシちゃん、米ちゃん、蛍ちゃん、子役、脇役の収録が行われる。
2月20日(星期三)
 开始为剪辑制作素材。斋藤君将那些看起来不太可能上色的镜头一个个放入QAR中。前路漫漫啊。
 《吉卜力》的后期录音进行中。录制了トシちゃん、米ちゃん、蛍ちゃん、儿童角色和配角的配音。
2月21日(木)
 昨日体調不良で早退した作監の井上さんは今日もお休み。早速動画に追いつかれてしまったが、これから来るであろう地獄を前にした休息になってくれれば良いか・・・。
2月21日(星期四)
 昨天因为身体不适而早退的作画监督井上先生今天也请假了。虽然动画制作进度立刻就被拖延了,但希望这能成为他在即将到来的地狱般工作之前的一次休息吧……。
2月22日(金)
 アメリカ帰りの特効榊原さんが来社。早速いくつかある特効カットを片付けようと思ったら、どうもマシンの調子がおかしい。榊原さんに待っていただくのも何なので、来たばかりだというのに今日はお帰りいただく。ということで原因を追求したところアプリケーションに問題があることが発覚。もう一度入れなおしたら、快調に作動するようになる。ホッと一息。
2月22日(星期五)
 刚从美国回来的特效师榊原先生来到公司。本想立刻处理一些特效剪辑,但发现机器的状态有些不对劲。让榊原先生等待也不太合适,所以尽管他刚来,还是请他先回去了。于是开始排查原因,结果发现是应用程序出了问题。重新安装后,机器终于恢复正常运转。松了一口气。
2月23日(土)
 神村氏がカット回収の途中、自動車事故を起こす。小金井から三鷹方面に車を走らせていたところ、前方の赤いセダンがハザードランプを点けて左に寄った。当然停車するものとみて神村氏はセンターラインによりつつ、車を追い越す動作に入ったところ、突然車がUターン。急ブレーキをかけた神村氏の車はスリップしてガードレールへドスン。その赤いセダンはそのまま逃げていってしまった。神村氏の反射神経のおかげで衝突事故をさけられたわけだが、相手が怪我をしていたかもしれないのにそのまま逃げるとはどういうことなのか。怪我はなかったのでホッとするやら相手に対して頭に来るやら。
2月23日(星期六)
 神村先生在回收剪片途中发生了车祸。当他从小金井驾车前往三鹰方向时,前方一辆红色轿车打开了危险警示灯并向左靠。神村先生以为对方会停车,于是靠近中心线准备超车,突然那辆车掉头。神村先生急踩刹车,车辆打滑撞上了护栏。而那辆红色轿车却直接逃逸了。多亏神村先生的反应迅速,避免了碰撞事故,但对方可能受伤了却直接逃走,这让人感到愤怒。虽然神村先生没有受伤,松了一口气,但对对方的行为感到非常气愤。
2月25日(月)
 先週原画が64カットも上がり勢いづいてきた「猫の恩返し」だが、今日一日で原画がさらに26カットも上がる。こんなことがあって良いのか。
2月25日(星期一)
 上周《猫的报恩》的原画已经完成了64卡,势头正劲,而今天一天又完成了26卡。这样的情况真的可以吗?
2月26日(火)
 先日渡辺氏と書いた会議用資料がリテークをくらう。朝から仕事の合間を縫って原稿書き。「猫の恩返し」「ギブリーズ」両作品の企画から現在までの経緯を簡潔にまとめようとするのだが、どうしても長くなってしまう。お互いに相手の邪魔をしあいながら夜には何とか完成。
2月26日(星期二)
 前几天为渡边先生写的会议资料被要求重写。从早上开始,我利用工作的间隙撰写稿件。试图简洁地总结从《猫的报恩》和《吉卜力兹》两部作品的企划到现在的经过,但无论如何都写得太长了。我们互相打扰对方的工作,终于在晚上勉强完成了。
2月27日(水)
 テレコムの竹内氏、田中敦子氏、友永和秀氏、富沢信雄氏が、今度発売となる「名探偵ホームズ」のDVD特典用座談会を試写室で行うために来社。「もう20年前のこと忘れたな~」と困っていた様子。
 7時から「猫の恩返し」のラッシュチェックが行われる。密度のあるカット多し。
2月27日(星期三)
 电信公司的竹内先生、田中敦子女士、友永和秀先生和富沢信雄先生为了即将发行的《名侦探福尔摩斯》DVD特典座谈会来到公司,在试映室进行准备。他们似乎有些困扰,表示“已经是20年前的事了,都忘了~”。
 晚上7点开始进行《猫的报恩》的样片检查。其中有许多细节丰富的镜头。
2月28日(木)
 今日で二月の締めだが、28日しかないにもかかわらず今月の原画上がりが219カットを数える。1ロールのカッティングを前にいろんなものが回りだした。この雰囲気が大事にしたい。
 ギブリーズの音楽レコーディングが行われる。最近再び映画部となり、ジブリに現れるようになった日本テレビ門屋さんが顔を見せる、ということなので待っていたのだが、さっぱり現れない。しかたがないので渡辺氏が電話をしたところ「入り口まで行ったんだけど、髪の長いミュージシャンとかいっぱいいて怖かったのですぐ帰った」との返事。なんのこっちゃ。
2月28日(星期四)
 今天是二月的最后一天,尽管只有28天,但这个月的原画完成数达到了219个。在一卷剪辑之前,各种事情开始运转起来。这种氛围是我想要珍惜的。
 吉卜力的音乐录制今天进行。最近再次成为电影部成员,开始在吉卜力出现的日本电视台的门屋先生说要来,所以我一直在等他,但他完全没有出现。没办法,渡边先生打电话过去,得到的回答是“我到了入口,但看到很多长头发的音乐家,觉得害怕就马上回去了。”这到底是怎么回事啊。